リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

浮世絵の中の近江八景

今日も生きてます。

 

制作資料撮影のためのカメラを買おうかなあと考えています。

 

しかしメーカーも複数あるうえに、種類もあるし、レンズもいろいろあるようだ…。

 

(…えふ値?焦点距離…?)

 

 

大学の映像技法の授業でフィルムカメラを使って撮影と現像したけど、全然わからない(泣

 

映像技法の課題作品のブログ↓

映像技法 - リアル絵描き日記

 

 

たぶん授業で触れられていたはずだけど、全く覚えてないぞ~

(アナログ現像が楽しすぎて、それどころじゃなかった。)

 

 

カメラを道具として使用していく上では結局必要となる知識なので、カメラを購入前に学び直したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

さて、「漫画でわかる日本絵画のテーマ」(誠光堂新光社、監修矢嶋新)を読んでます。

 

 

昨日はご当地八景の元祖、中国の瀟湘八景(しょうしょうはっけい)を取り上げました。

 

中国の山水画の画題であった瀟湘八景が日本に伝わり、日本でも各地でご当地八景が生まれました。

 

今日はその中でも有名で、浮世絵師・歌川広重も画題にした近江八景(おうみはっけい)を取り上げます。

 

 

 

近江八景は、近江国(今の滋賀県)の八つの景勝地のことです。

 

 

1500年頃、関白近衛政家・尚通父子が選定したといわれます。

 

画題にもなっていますが、狂歌や講談、落語などのモチーフにもなっています。

 

 

歌川広重の浮世絵、「東海道五十三次」のシリーズが大ヒットしたあとに、近江八景のシリーズも作られました。

 

 

比良暮雪(ひらのぼせつ)


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歌川広重近江八景之内 比良暮雪 」

 

雪ふるる 

比良の高嶺の 夕暮れは

花の盛りに すぐる春かな

 

琵琶湖の比良山系に雪が降り積もった情景。

左上には和歌が書かれています。

 

 

 

瀬田夕照 (せた の せきしょう)


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歌川広重近江八景之内 瀬田夕照 」


露時雨

もる山遠く 過ぎきつつ

夕日のわたる 勢多せたの長橋

 

琵琶湖南端の瀬田唐橋を含めた琵琶湖の夕暮れ描かれています。

 

 

 

堅田落雁(かたたのらくがん)


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歌川広重近江八景之内 堅田落雁

 

峯あまた

越えて越路に まづ近き
堅田になびき 落つる雁がね

 

琵琶湖畔の満月寺にある湖上に突き出た仏堂「浮御堂(うきみどう)」と、舞い降りる雁の群れが描かれています。

 

 

 

 

三井晩鐘 (みいのばんしょう)


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歌川広重近江八景之内 三井晩鐘」

 

思うその

暁ちぎる はじめとぞ

まづきく三井の 入あひの声

 

琵琶湖南西にある三井寺の鐘が鳴る夕暮れ時の風景。他のシリーズでは桜と描かれているパターンもあるそうです。

 

 

 

 

粟津晴嵐 (あわづのせいらん)


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歌川広重近江八景之内 粟津晴嵐

 

雲はらふ

嵐につれて 百船

千船の浪の栗津にと寄する

 

晴れた日に山から風が吹きわたるようす。

和歌に合わせて、粟津による船が描かれています。

 

 

 

 

 

唐崎夜雨 (からさき の やう)


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歌川広重近江八景之内 唐崎夜雨」

 

夜の雨に

音をゆづりて 夕風を

よそにそだてる 唐崎の松

 

壮大な松の老木がある唐崎神社。

夜の雨に打たれて神秘的な雰囲気ですね。

 

 

 

 

矢橋帰帆 (やばせ の きはん) 



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歌川広重近江八景之内 唐崎夜雨」

 

真帆ひきて 

矢橋に帰る 船は今
打出の浜を あとの追風

 

夕焼けと、港町の矢橋に帰る船が描かれています。

船が直線に並んでいますね。和歌を読んでから見るとまた印象が違って見えますね。

 

 

 

 

石山秋月(いしやまあきつき)

 


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歌川広重近江八景之内 石山秋月 」

 

石山や

鳰の海てる 月かげは
明石も須磨も ほかならぬ哉

 

月明かりに照らされた景色が広がっています。

 

 

 

 

狩野探幽葛飾北斎など、名だたる絵師が近江八景の作品を残しています。

 

歌川広重近江八景のシリーズを20種類ほどつくったそうな。売れたんでしょうね。

 

 

明治の日本画家、今村紫紅もこの風景を描いています。


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なんだか古くからの画題なのにおしゃれな(?)仕上がりですね。

 

 

 

現在、近江八景ともてはやされていた地域にその面影はないそうです。

 

残念だ。

浮世絵と見比べたかった。

 

 

ですが新しく琵琶湖八景なるものが昭和に選定されているそうです。

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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