この人何してるの?浮世絵の中の謎行動を解き明かそう!
今日も生きてます。
つぼマッサージをするぼつぼつした物体を手に入れました。
(正式名称は謎)
つねににぎにぎさせていただいています。大変気持ちがいいです。
とても気に入ったので今後名前を付けて大事に使用したいと思います。
さて、今日も昨日に引き続き「江戸の男装と女装」(渡邉晃著、太田記念美術館監修、青幻舎)を読んでます。
この本の中に掲載されている浮世絵の中に、「な、なにを描いたところなんだ…!?」と思うものがありましたので、それを今日は取り上げていこうと思います。
上の作品は歌川国芳の「祭礼行列」です。
なんの行列?
よく見てみると…
大津絵の画題の一つである「鬼の念仏」の仮装や
「大原女の黒木売り」の衣装を着た者、
※大原女の黒木売り…京の大原の女性が黒木を担いで京の町でよく商売をしていた。
奥の女性は仮装かわわかりませんが、手前の富士を持つ女性は大津絵の画題の一つである「藤娘」の仮装だと思われる。
そして謎が深まるのは珊瑚の仮装(?)をしている者
その前には伊達女の仮装をしている人がいますね。
そしてさらに謎が深まるのはコマの仮装をしている人(?)
前が見えるのでしょうか…?
この作品は歌川国芳が天保15年の山王祭を取材して描かれたもののようです。山王祭(さんのうまつり)は東京の日枝神社のお祭りのことです。東京に住んでいますが知らなかった…。このお祭りの中で仮装して練り歩く行列があり、それが国芳によって描かれたという事ですね。
絵だけでもこれだけ楽しいので、おそらく本物の行列も愉快なものだったのでしょう。
上の作品は歌川国貞&広重の「双筆五十三次 神奈川」です。
違和感ですね。
特に奥の赤い札を下げた槍を肩にかけた腰に帯刀している人物。
女性ものの髷を結っているのに口の周りに青髭が…しかも団子を頬張る様が何とも勇ましいです。
これはどういう様子なのかというと、まずこの作品は連作の一枚で、東海道の宿場と、そこから連想される人物が描かれています。後ろの風景が宿場の様子ですね。
この作品は神奈川を描いています。
神奈川宿に近い戸塚には、島田髷を結って女装した男性がお札をまくという「お札まき」という奇祭があります。今も行われています。
絵の中の男性はこのお祭り関係の人を描いているという事ですね。
今思うと青髭を表現した浮世絵ってこの作品以外見たことないかも…髭は美しいと思われてなかったんですね。
上の作品も歌川国貞&広重の連作の一枚で「双筆五十三次 荒井」です。
え、何を見せてるの?そしてなぜそんなよく見ようとしてるの?
謎が謎を呼ぶ作品です。
これは荒井で出女の取り締まりがあったということを描いています。
江戸に人質として置かれた大名の妻で、領国に逃げようとした者を「出女」と呼びました。
中には、男装して関所を突破しようとした者もいたらしく、関所では↑の作品のように「改め婆」が着物の前を開けさせ厳しく性別を確かめていたそうです。
上の作品は石川豊信の「若衆三幅対」です。
艶っぽい三人の女性かなあと思いますが、これは題名に若衆とあるように、少年が女装したものです。帯刀もしてますね。
若衆という言葉は元服前の前髪を残した少年や、色を売る陰間のことを意味しました。作品の中に描かれているのはおそらく陰間ではないかと思われます。
陰間は客と外出先で会うときは、髷が崩れない様に手で編笠を支えていたそうです。ちなみに陰間のお客様は僧が多く、他に女性も通うことがありました。
陰間がいる陰間茶屋は芝居小屋のある街に多く集まり、歌舞伎役者がしていることもあったそうです。
ちなみに遊女と遊ぶか、それよりも高い金額が必要でした。
身体を使う職業はきついものだったと推測します。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。