リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

鈴木春信ーほっそり美人!の美人画ー

今日も生きてます。

 

で、電子機器に弱いです。

端子…?

デジタルに強い人間になりたいです。

 

 

さて、今日も「漫画でわかる日本絵画のテーマ」(監修矢嶋新)を読んでます。

 

本の中では浮世絵もたくさん紹介されています。

 

 

そんな中でひょろ~っとした体つきのかわいい娘を描いた美人画の作品が、数多く掲載されています。

 


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描いた人は鈴木春信です。

 

鈴木春信(すずき はるのぶ)

1725年ー1770年

江戸時代中期の浮世絵師。


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1760年、役者絵「市村亀蔵の曾我五郎と坂東三八の三保谷四郎」が初作品。

 

その後亡くなるまでの10年間、浮世絵師として活躍しました。

(近所に平賀源内が住んでいて仲良しだったらしい。)

 

 

1765年頃、お金持ちの知識人の間で、絵暦交換会というものが流行りました。

 

そこでは金に糸目をつけず、様々なデザインの絵暦が競って作られます。

 

やがて錦絵の流行に発展していきました。

 

 

春信は当時の知識人をパトロンとし、彫師、摺師との緊密な協力をして制作しました。

 

 

古今東西の故事説話を題材とし、当世風俗に置き換えた「見立絵」を多く制作しました。

 

当時の高名な江戸美人も描きました。

 


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↑「見立三夕 西行法師」

 

新古今和歌集の中にある西行

 

心なき身にもあはれは知られけり

鴫立つ沢の秋の夕暮

 

の見立て絵。

 

 


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↑「見立三夕 定家」

 

新古今和歌集の中にある寂蓮の

 

見渡せば花も紅葉もなかりけり

浦のとまやの秋の夕暮

 

の見立て絵。

 

 

 


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↑「見立三夕 寂蓮法師

 

新古今和歌集の中にある定家の

 

 

の見立て絵。

 

 


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↑「見立 太田道灌

江戸城を築いた武将太田道灌の若い頃の逸話を題材にした見立て絵。

 

雨に遭って簑を借りようと貧しい小屋に入ったところ、娘がなにも言わずに山吹の花を一枝差し出したという話がもとになっています。

 


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↑「見立 佐野の渡り」

 

藤原定家

 

駒袖うちはらうかげもなし

佐野のわたりの秋の夕暮

 

の歌を見立てたもの。

 


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↑「見立渡辺綱茨木童子(いばらき屋店先)」

 

渡辺綱の逸話をもとにしています。

 

過去にブログで取り上げたお話です。

あやしい鬼女 - リアル絵描き日記

源頼頼光と最強の仲間たち - リアル絵描き日記

 

この絵の中ではのれんに「いばらきや」の文字。

 

侍の傘には渡辺綱の紋が入っています。

 

逸話が見立て絵の中では遊女が侍に次いつくるの~?という大人な内容になっています。

 

 

 

やはりお金持ちの知識人がパトロンだったということで絵の内容も鑑賞者に教養を必須とするものが多いです。

 

春信の美しい多色刷り版画に目をつけた版元が一般用に売り出したものが「東錦絵」。

錦織のように美しい絵という意味で名付けられました。

 

多色刷りの浮世絵が普及したのは春信のお陰といっても過言ではないですね。

 

 

 

きょうはここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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