参詣曼荼羅図ー寺社MAP!ー
今日も生きてます。
『日本書紀』の中に、大生部多(おおべのおお)という人が村人に虫を祀ることを勧め、常世神(とこよしん)という信仰を流行らせたという記述があるらしい。
「これは常世神である。この神を祀れば、富と長寿が授かる。」
「常世神を祀れば、貧者は富を得、老人は若返る。」
などと言って回ったそうな。
その虫はアゲハチョウの幼虫ではないかと推察できるようで、信者は虫を採ってきて清座に祀り、歌い舞い、財産を棄捨して福を求めたそうです。
後に大生部多は討伐されましたが、アゲハチョウの幼虫を前に歌ったり舞ったりしている姿を想像すると、ホントに不思議な景色ですね。
さて、今日も「漫画でわかる日本絵画のテーマ」(監修矢嶋新)を読んでます。
今日は「参詣曼荼羅図」(さんけいまんだら)を取り上げます。
参詣曼荼羅図は、参詣者の勧誘と霊場案内を目的として神社や寺院を描いた絵です。
戦国時代以後、パトロンのいなくなった寺社が布教活動の手段の一つとして参詣曼荼羅図をつくりました。
(画面下方に天橋立の描写がある)
個人的な感想としては遊園地やテーマパークの案内書マップを彷彿としたのですが、みなさまはどう思われますか?
参詣曼荼羅は、寺院・神社の境内と周辺を俯瞰的に描かれています。
参詣路を行きかう参詣者たちの姿もあります。
なんだかひとがわちゃわちゃしていて楽しげです。
参詣曼荼羅として残っている作品の多くは、朱・群青・黄土・胡粉等の泥絵具を顔料として描かれました。
中には折りたたんで携行したり、吊り下げて使用したりしたものもあります。
いろいろな場所に持ち運び、人々に説教をし現世利益を説くための布教活動の道具であったと考えられます。
素朴な絵柄で可愛くないですか?
人々が描き込まれているのがいいです。
明日に続きます!
きょうはここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。