リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

源頼頼光と最強の仲間たち

今日も生きてます。

 

台風の被害が各地に…

 

自然災害が年々多く、そして被害が大きくなっているように感じます。

 

いつ何が起こるかわかりませんね…

 

秋田にいた頃あまり台風を意識したことはありませんでした。

(直撃することがあまりない)

今回の台風では倒木や停電があったようです。

 

自分の住んでいる身の回りの地域について詳しく知っておくことや、災害に備えることの重要性を感じる今日この頃です。

 

 

さて、「漫画でわかる日本絵画のテーマ」(監修矢嶋新)を読んでます。

 

昨日は酒呑童子の話でした。

酒呑童子ー酒は飲んでも…ー - リアル絵描き日記

 

 

退治した源頼光ですが、退治するときには仲間たちと一緒でした。

 

仲間たちの名前は坂田金時渡辺綱碓井貞光卜部季武です。

 

彼らは四天王(してんのう)と呼ばれ、頼光と一緒に様々な伝説のなかで活躍します。

 

今日は、そんな伝説を描いた絵で、頼光と一緒に描かれる四天王がどんな人なのか? についてみていきます。

 

 

 

 

 

 

坂田金時(さかたきんとき)


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月岡芳年画:『金時山の月』

 

 

まさかりかついだ金太郎の大人の姿。

 

一説によると人間と赤い竜とのハーフ。

 

山で熊と相撲をとるなどして元気に育ちます。

 

ある日京都に帰る途中の源頼光に出会い、大変気に入られ、スカウトされます。

 

頼光の仲間になった金太郎は、坂田金時と名乗るようになり、四天王として大活躍します。

 


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↑は喜多川歌麿画:『山姥と金太郎 頰ずり』 歌麿は同じ画題を50点ほど残しているそうです。

需要があったのか、金太郎が好きだったのか…

 

しかし、おかんに頬擦りされている金太郎の表情が絶妙すぎる笑

 

金太郎

「別におかんに撫でられても嬉しくないし…(のフリ)」

 

 

 

 

 

渡辺綱(わたなべのつな)


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↑「一條戻り橋の邉にて髭切丸の太刀を以茨鬼童子の腕を斬」(歌川国芳・画、江戸時代)

 

平安時代中期の武将。

 

美男子。

先祖には、イケメンとして誉れ高い光源氏のモデルがいる。しっかりその遺伝子を受け継いでいた模様。

 

源頼光に仕え、四天王となる。

 

逸話には鬼の頭領・酒呑童子退治の話の他に、その家来であった鬼の茨木童子の腕を切り落としたというものも有名です。


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月岡芳年画『新形三十六怪撰』より「老婆鬼腕を持去る図」。

 

渡辺綱の伯母に化けて切り落とされた自分の片腕を奪い返した茨木童子の場面が描かれてます。

 

 

 

 

碓井貞光(うすい さだみつ)

 

同じく平安時代中期の武将です。

 

金太郎の童話の中で、強い人材を探している中で金太郎を見つけ、源頼光のもとへ連れていったとされています。

 

碓井貞光も他の四天王と同じく、頼光に仕えるのですが、特異な逸話としては「四万温泉」の話があります。

 

 


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ある日、野宿する事になった貞光が読経をしているとお告げを受けます。

 

「汝が読経の誠心に感じて四万の病悩を治する霊泉を授ける。我はこの山の神霊なり」

 

そこで貞光が周囲を調べたところ温泉を見つけて「御夢想の湯」と呼び、これが四万温泉の由来になった、というものです。

(由来は諸説あり)

 

英雄らしく大蛇を菩薩の力を借りて倒したという話もあります。

 

 

 

卜部季武(うらべ の すえたけ)


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葛飾北斎画『和漢絵本魁』より「卜部季武 姑獲鳥(産女)を懲す」

 

同じく平安時代中期の武将です。

 

四天王として源頼光に仕えます。

源頼光が活躍すると酒呑童子退治や、土蜘蛛、子持山姥、滝夜叉姫の話に登場します。

糸で釣り下げた針を射ることができる弓の名人です。

 

 

卜部季武のエピソードとしては、「今昔物語」に産女に会ったという話があります。


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↑佐脇嵩之『百怪図巻』より「うぶめ」

 

産女というのは死んだ妊婦をそのまま埋葬するとなると言われた妖怪です。

 

血に染まった衣を着て子供を抱いているとされています。

 

 

 

ある日、暗夜に平季武が馬で川を渡っていると、川の中程に産女がいて「これを抱け」と言って赤子を渡してきます。

 

季武は赤子を受け取り、岸へ向います。

 

産女は「子を返せ」と言って追ってきます。

 

季武は取り合わずに陸へ上がり、館へ帰って見ると、赤子は木の葉になっていました。
 
 
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月岡芳年「和漢百物語」より「主馬之介卜部季武

 

 

産女は一体なにがしたいんだろう?

日本の妖怪って気持ち悪い以外に害のないヤツたまにいません?(気のせいかしら…)

 

 

 

 

それぞれ神楽のネタになったり歌舞伎のネタになったりしています。

もちろん浮世絵もたくさん残されています。

知ってるとより楽しく鑑賞できますね。

 

 

きょうはここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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