南総里見八犬伝!
今日も生きてます。
自分の知らないことがたくさんあり、世界って奥深いし広いなあと感じる今日この頃です。
今日も「漫画でわかる日本絵画のテーマ」(監修矢嶋新)を読んでます。
月岡芳年画
前回まで浄瑠璃の世界を表現した浮世絵を紹介してきましたが、今日からは読本(よみほん)をもとにした絵を紹介していきます。
浄瑠璃その一
浄瑠璃その二
浄瑠璃その三
浄瑠璃その四
読本(よみほん)というのは江戸時代に流行した小説のこと。
最初にヒットしたのは「水滸伝」のような中国の小説でしたが、その後日本の古典やオリジナルのものも含め多数の読本が誕生しました。
(水滸伝については↓
水滸伝ー歌川国芳、人気絵師のきっかけー - リアル絵描き日記)
その中から今日は南総里見八剣伝(なんそうさとみはっけんでん)に着目したいと思います。
↑歌川国貞の描いた南総里見八剣伝の登場人物
小さな頃、姉が集めていた南総里見八剣伝をネタにした漫画を読んでいました。
なので個人的には親しみを感じる物語です。
南総里見八犬伝は、江戸時代後期に曲亭馬琴(きょくていばきん)が書いた長編物語です。全98巻、106冊の超大作でした。
↑曲亭馬琴(『國文学名家肖像集』より)
物語のあらすじをざっくり説明すると、
室町時代、武将であった里見義実(さとみよしざね)が、裏切り者の家臣とその妻 玉梓(たまずさ)を処刑します。
死ぬ間際に玉梓は孫の代まで祟ると怨念の言葉を残します。
時は流れ、落城の危機に陥っていた里見家。
里見義実は飼い犬の八房(やつふさ) に、
「景連(敵将)の首を取って来たら、褒美に娘の伏姫を嫁にやる」
と冗談を言います。
すると八房は敵将の首をとって帰ってきました。
恩賞である伏せ姫とともに山に入る八房。
山中で伏せ姫は読経する日々を送ります。
↑歌川国芳「本朝水滸伝剛勇八百人之一個・犬江親兵衛仁」伏せ姫と犬江親兵衛仁
伏せ姫は山中で仙童に会います。
八房が玉梓の呪いにかかっていること
読経により呪いは解消されたが、八房の気を受けて伏せ姫が八人の子の「種子」を宿したことなど
を教えてもらいます。
そんな折、伏せ姫を愛していた金碗大輔が伏せ姫を探しに山へ入ります。
金碗大輔は八房を発見し仕留めたのですが伏せ姫にも傷を負わせてしまいます。
犬の子を生むのを恥じた伏せ姫は身の潔白を証明するために自分の腹を割いて自害します。
その時に伏せ姫が身に付けていた数珠が光って四方八方へ飛んでいきました。
その後、金碗大輔はその玉を宿した8人の犬士を探す旅に出ます。
集結した八犬士は里見家の危機を救います。
超ざっくりですが、大体このようなお話です。
事の発端があり、その因縁のある仲間が集まって、ひとつの困難を乗り越えるというストーリーは、なんとなく水滸伝に似ています。
(水滸伝↓水滸伝ー歌川国芳、人気絵師のきっかけー - リアル絵描き日記)
⚫八犬士たち
犬塚信乃
歌川国芳「本朝水滸傳豪傑八百人一個・里見八犬子の内犬塚信乃戍孝」
犬川荘介
歌川国芳「曲亭翁精著八犬士随一・犬川荘介」
犬山道節
歌川国芳「木曽街道六十九次之内・蕨・犬山道節」。ただし、原作中に蕨は登場しない。
犬飼現八
歌川国芳「本朝水滸傳豪傑八百人一個・里見八犬子の内犬飼現八信道」
犬田小文吾
歌川国芳「七ツ伊呂波東都不二尽・犬田小文吾」
犬江親兵衛仁
犬阪毛野
歌川国芳「犬阪毛野・岩井紫若」
犬村大角
歌川国芳「曲亭翁精著八犬士随一・犬村大角」
この8人の背景も物語の中で語られています。
それぞれ個性的で楽しいです。
漫画やゲームの元ネタになるのもわかります。
きょうはここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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