ベアトリーチェ
今日も生きてます。
阪神梅田本店9階古玩堂にて扇子を展示・販売中です。
会場風景
いろんな骨董品がおいてあり、ごちゃごちゃしていて楽しそうなお店です。
現場にいけないのが残念です。
お近くのかたはぜひ!
お店のホームページ
古玩堂
掛軸などの美術品と工芸品の販売・修復・買取なら古忨堂(こがんどう)
そして引き続き中目黒のギャラリーでも展示しております。
「Art Of Giving vol.3」
会場
MDP GALLERY
期間: 2018年12月14日(金)〜12月25日(火)
※日・月・祝祭日休廊※23日(日・祝)、24日(月・休)は開廊いたします。
時間:11:00〜19:00
※最終日は18:00まで 住所:東京都目黒区青葉台1-14-18 1F
会場WEBSITE
さて、筑摩書房から出版されている「美少女美術史」池上英洋さん荒井咲紀さん著を読んでます。
1598年にローマ貴族のフランチェスコ・チェンチ公が自分の子供たちに殺害されるという事件が起こります。
フランチェスコ・チェンチ殺しの嫌疑がかけられたのは娘のベアトリーチェ、妻のルクレツィアと、二人の息子です。
上の作品はジネヴラ・カントーフォリの「シビュラ」という作品。
長い間グイド・レーニがベアトリーチェを描いたと認識されていたが、近年疑問符がつけられるようになった絵です。
実際は違うのですが、長い間認識されていたため、この作品以降のベアトリーチェはこの姿で表現されるようになります。
殺害されたフランチェスコ・チェンチは家族に対する暴力がひどく、ベアトリーチェは性的に虐待されていました。
この事をベアトリーチェはこの事を何度も当局に訴えていましたが、無視されてしまいました。
暴力が悪化していき、とうとう家族は父を殺すことになったのです。
この事件は大きな話題を呼び、フランチェスコが悪いやつと知っている人間からは、一家の助命を求める嘆願書が殺到したそうです。
ニコラ・サネージの「獄中で祈るベアトリーチェ・チェンチ」。
しかし時の権力者教皇クレメンス8世は温情を見せず、処刑が行われました。
ルクレツィアとベアトリーチェは斬首されました。
見物人が集まりすぎて見物人の一人が川に落ちて溺死したそうです。
この事件はその後多くの詩や小説になりました。
なぜなら横暴な貴族に抵抗する市民のシンボルになったためです。
西洋の身分社会を打倒するシンボルとしては王制ローマから共和制ローマへと移行するきっかけとなった少女ルクレティア、政争の中、結ばれてはならないロメオを愛したジュリエットなどがいます。
身分社会が背景にある西洋はこういう存在が社会運動に使われていくんですね。
ハリエット・グッドヒュー・ホスマー「ベアトリーチェ・チェンチ」。
女流彫刻家のハリエット・チェンチは身分差解消より、ジェンダー的な視点からチェンチをとりあげました。
ただの美人画ではなく、描かれた対象から何を伝えたいか、この作品の目的と用途がわかりますね。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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