美少年肖像画
今日も生きてます。
暑い暑いといっていたときが嘘のように寒い寒いと毎秒思っています。
常夏の島にいきたくなります。
さて、筑摩書房から出版されている「美少年美術史」を読んでます。
昨日近代以前の西洋絵画の中に出てくる少年の作品は4つに分類されると描きました。
①宗教画や、神話画に登場するキャラクターを描いたもの。
②注文主が自分の家族を描かせた肖像画。
③画家が商売を度外視して自分の家族を描いたもの。
④何かしら意味を持つ寓意画。
今日は②の注文主が自分の家族を描かせた肖像画を見ていきたいと思います。
今は写真があるため子供の頃自分がどんな顔であったかわかります。
ちなみに私の小さい頃はこんな顔でした。
そんなに今と変わりませんね。
写真がない時代は記念写真の代わりとして絵画がありました。
このかわいい我が子の姿を残しておきたいと思ったかはわかりませんが、注文主は描かれる対象とモデルがにていなければ満足しないので、画家は似るようにがんばります。
そのため肖像画というジャンルは写実力の向上に大きく貢献しました。
上の作品は1459-60年フィレンツェの画家ベノッツォ・ゴッツォリが描いた「東方三博士(マギ)の礼拝」。
メディチ家の邸宅内にある小型礼拝堂の壁画です。
絵のテーマである東方三博士というのはイエス生誕時に東方から三人の賢者が祝福に訪れる場面です。
画面向かって右下辺りに馬に乗った少年がいますが、賢者の一人です。
この少年のモデルはロレンツォ・デ・メディチです。
肖像画もかねた宗教画ですね。
次の作品はアンブロージュ・デ・プレディスが描いた「マッシミリアーノ・スフォルツァのためのラテン語文法書」の扉絵です。
描かれてるのは盛期ルネサンスのミラノを支配していたルドヴィコ・スフォルツァの長男。
支配者の一族では幼少の頃からラテン語の習得は必須であったそうです。
この肖像画はそのための文法書の扉絵として描かれました。
この作品はディエゴ・ベラスケスが描いた「馬上の王太子バルタサール・カルロス」です。
有名なベラスケスは王一族の絵をたくさん残してますね。そのうちの一枚。
この絵、なんか馬が変。と思いましたが、5歳ほどの王太子が大きく見えるようにわざと馬の頭を小さく書いています。
肖像画というのはそのままではなく、理想化や演出もされてるようです。
このザ・美少年美術史という感じの作品はジョン・エヴァレット・ミレイによる「ロンドン塔の王子たち」という作品です。
12歳で即位したイングランド王、エドワード5世が叔父に王位を簒奪され、弟と共にロンドン塔に幽閉されました。
この絵はミレイが想像で幽閉されている時の様子を描いています。
映画のワンシーンのようで、緊張感漂います。
つづきます。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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