様々なオフィーリア
今日も生きてます。
薔薇をたくさん描いてます。
モデルは以前いただいたブリザードフラワーの薔薇様たち。
たぶん薔薇に敬称をつけるとしたら「様」に違いありません。
さて、筑摩書房から出版されている「美少女美術史」池上英洋さん荒井咲紀さん著を読んでいます。
美少女美術史もついに200ページに…。読むのは簡単だが書くのは大変なんだろうなあ。
今日はオフィーリアが描かれた作品を見ていきます。
オフィーリアはシェイクスピアの悲劇「ハムレット」に出てくる登場人物です。
まずシェイクスピア(1564-1616)はイングランドの劇作家・詩人です。有名なロミオとジュリエットもこの人の作品。
ハムレットはどういう内容の劇かというと、デンマーク王が亡くなったところからはじまり、王子ハムレットがその死は王の弟であったクローディアスの仕業であったということを王の亡霊本人から聴き(まじか。)、ハムレットは復讐することをたくらみます。
結果的に復讐は果たされますが、なぜか途中勘違いなどが原因で関係ない人がたくさん死んでいってしまうんですな。
そして良く描かれたのがオフィーリア。
オフィーリアは宰相ポローニアスの娘でハムレットの恋人、ポローニアスは物語の途中でハムレットに殺されてしまいます。しかも人違いで(--;)
それだけが原因ではありませんが、オフィーリアは度重なる悲しみの果てに正気を失い自殺してしまいます。
確かに恋人が自分の父親殺したら心の平安は保てませんし、しかも人違いってどゆこと?ってなりますね。
オフィーリアは狂気に陥りながら花を摘み、川で溺死します。
この場面を19世紀のイギリスの画家のグループ「ラファエロ前派」は好んで取りあげました。
一番有名なのはミレイの作品でしょう。
「オフィーリア」
モデルを長時間バスタブに浮かせて風邪を引かせてしまい、モデルの父親から治療費を請求されました。
ミレイは実在のモデルを使って丹念にこの作品を仕上げています。
この絵の実物を見たことがありますが、女性の周りの草木まで本当に細かく描かれていて、見ていて飽きない絵でした。
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス
「オフィーリア」
ウォーターハウスによるオフィーリアは自然なしぐさで優雅にはなかんむりを被っています。
アレクサンドル・カバネル
「オフィーリア」
カバネルは新古典主義の代表者でもありました。写実的ですが、ミレイやウォーターハウスと比べるとポーズが仰々しく演技がかっています。
アーサー・ヒューズ
「オフィーリアⅠ」
川で溺れる直前のシーンを選んで描いています。植物を数えるようすから既に少女が正気を失っていることがわかります。
同じテーマでも作家によって微妙に表現が違うことが面白いです。
なぜこの時代にオフィーリアのような題材が好まれたのというと産業革命後、近代化と機械化が進み、人間も歯車のように働くようになりました。
その反動で世紀末芸術運動は人間の内面や感情をクローズアップしました。エモいのが流行りだったんですな。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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展示があります。
金銀箔展
輝くマテリアルの世界
会場 伊勢丹浦和店 美術画廊
会期 2019年2月6日ー2月12日
最終日は17時終了