貧しさと少年
今日も生きてます。
クリスマスにMDPギャラリーで展示に参加する予定です。
詳細が決まり次第またお知らせします。
クリスマスって浮かれる感じがいいですよね。
ちなみに明石家ではサンタを信じ込ませる文化がなかったので、サンタクロースを信じてたと友人がいってて驚きでした。
真実を知ったとき「嘘だったの?!」というショックはありますが、子供に夢を持たせる大人がロマンチックでいいですね。
ちなみに過去にサンタクロースのことを書いた記事がありました。
さて、筑摩書房からをいる「美少年美術史」池上英洋さん川口清香さん著を読んでます。
本の中では近年以前西洋美術で少年が描かれる絵画を四つのタイプに分けています。
①宗教画や、神話画に登場するキャラクターを描いたもの。
②注文主が自分の家族を描かせた肖像画。
③画家が商売を度外視して自分の家族を描いたもの。
④何かしら意味を持つ寓意画。
昨日のしゃぼん玉と少年の絵は④の寓意がに入ります。
この作品は4つのうちどれにはいるでしょうか?
上の作品は1675年頃スペインのバルトロメ・エステバン・ムリーリョが描いた「サイコロで遊ぶ少年たち」です。
絵の中の子供たちは皆肩をはだけた服を着ています。今ではこの様な服着ている女性も見かけることもありますが、サイズの合わない服を着ているからです。
またサイコロを振っているのはバックギャモンをしているのではなく、幼いうちから賭け事を覚えてしまったことを示しています。
つまり描かれているのは貧しい子供たちです。
この絵が四つのうちどれにはいるかというと…
どれにも入りません!
すみません。
美少年美術史のこの絵の章をを読みながら心の中で私もツッコミました。
誰がこの様な貧しい少年たちの絵を求めたかというとカトリックの信者です。
なぜなら当時のカトリック圏では「神は信徒が自ら善行を積むことを望んでいる」と考え慈善活動をすることで天国に入りやすくなるということが信じられていたそうです。
そのため貧民救済や慈善活動を行っていた富裕層がこの様な類いの絵を購入していました。
上の作品は36歳の若さで亡くなってしまったフランスのジュール・バスティアン・ルパージュの「ロンドンの靴磨き」という作品です。
産業革命の発祥地ロンドンでは早くから貧富の差が拡大していました。
こういうところを問題視して対象を描くというのは今の現代アートの制作に近いなあと思います。
貧しさとカトリックについては過去にも描いてます。今日少し被っちゃったな。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
二月の展示に向けて制作してます。