画家の忖度MAX!皇帝ナポレオン絵画の裏を読もう!
今日も生きてます。
年末の掃除に向けて、私の家では活躍できないモノたちを中古品としてリサイクルショップに販売しました。
こういうことするの初めてで値段が付くのか心配でした。
ですが一応値段がついたので良かったです。
今まで使わないものはすぐごみとして処分してしまっていたので、リサイクルするのもいいかなと思いました。
綺麗な家で新年を迎えるにはまだ課題があるので少しずつ取り組んでいきたいです。
さて、「人騒がせな名画たち」(木村泰司著、マガジンハウス)を読んでます。
著者独自の視点から「人騒がせ」な作品を紹介している本です。
とても面白いです!!!
本の中でナポレオン絵画について触れられていました。
私も思うことがあったので今日はナポレオン絵画回です。
ナポレオンが描かれた絵画は基本的にナポレオンかナポレオンの支持者が注文して画家に描かせています。(風刺画などは別)
注文を受けた画家は、ナポレオンの意図、つまりナポレオンのイメージアップも考慮に入れて制作しました。(プロパガンダ)
今日はそんな画家の忖度MAXなナポレオン絵画を楽しみましょう。
とにかく権威のある神のようなナポレオン
アングル画『玉座のナポレオン』 1806年
↑の作品はアングルが描いたナポレオンです。
あれですね。
とにかく偉そうですね!
(魔除けになりそう☆)
これでもかというくらいの荘厳な衣装に身を包み豪華な杖を持っています。
この作品を描いた画家のアングルがどうしたら権威的にナポレオンを描けるかという苦心が伝わりますね。
ちなみに後年アングルは同じようなポーズでギリシャ神話の全知全能の神ゼウスを描いています。
アングル画『ジュピターとテティス』 1811年
アングルの中でこのポーズは神のイメージであったのでしょうね。
あとナポレオン関係ないけど画家アングルの自画像完全に芸人の小島よしおさんなんだよね。(おっぱぴー)
アングル24歳のときの自画像 (1804)
まるで王子様?ヒーロー?
白馬にまたがるかっこよいナポレオン
ジャック=ルイ・ダヴィッド画
『サン=ベルナール峠を越えるボナパルト』
出典:サン=ベルナール峠を越えるボナパルト - Wikipedia
これはナポレオンがオーストリア軍との戦いの中で、1800年の春に予備軍を率いてグラン・サン・ベルナール峠を経由してアルプスを越えたことをもとに描いた作品です。
ナポレオンと言ったらこのイメージですよね。
かっこよくてキャッチ―なイメージで好きな絵です。
ナポレオンも気に入ったのか複製をつくらせ、世界には白馬にまたがるナポレオンの絵が5枚あります。集めればナポレオンが生き帰るかもしれません。
ですが実際にはどうだったのでしょうか?
後年、実際はどんな感じであったか描いてくれと依頼された画家が描いた作品がこちら。
ポール・ドラローシュ画『アルプスを越えるボナパルト』1850年
出典:サン=ベルナール峠を越えるボナパルト - Wikipedia
…あれですね
白馬じゃないね。
実際には馬で峠を越えることはできないようで、馬とロバをを掛け合わせた動物「ラバ」に乗っていたそうです。そして案内人に従いながら進んでいました。
この絵も厳しい戦地で励んでいる感じが良いと思います。
ヒーローではないかな。
仕事してるアピールのナポレオン
一見普通の肖像画ですが、メッセージが含まれています。
ナポレオンの傍らにあるろうそくは短くなっていて、長いこと火をともしていたことがわかります。
描かれた時計の針は正直読みにくいけれど4時過ぎ?朝方でしょうか?
これは「ナポレオンは市民のために寝ないで仕事をしています。」というアピールです。
SNSで迷惑がられるタイプかも。
ちなみに白馬のナポレオンの岩には「ハンニバル」「シャルルマーニュ」という文字に並んで「ボナポルト」と刻まれています。
二人ともアルプスを越えた歴史的英雄です。
これらの人と同じように偉大だということを示しています。
たとえ実際に顔が似ていなくても、後世にはこのかっこいい姿がナポレオンとして認識されます。
一説によるとナポレオンはモデルとしてじっとしていることを画家(ダヴィッド)に断ったそうです。泣く泣くダヴィッドはナポレオンの息子をモデルに描いていたとか。
ナポレオン絵画いかがでしたでしょうか?
今日はここまでです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回はミレーについて取り上げます!
参考
「人騒がせな名画たち」(木村泰司著、マガジンハウス)
「西洋美術史入門」(池上英洋、ちくまプリマ―新書)