サンティアーツィオ教会の天井画ができるまでと謎のメモ欄
今日も生きてます。
ふと見つけたメモ欄。
チラシなどにもメモ欄ありますが、こんなところに…
NAMEではないですよね。
なぜ巻き尺の背中に微妙なサイズのメモ欄をつけようと思ったんだろうか…不思議ですね。
特別な使い方があるのだろうか。
私が知らないだけですかね。
さて、今日も池上英洋さん著の西洋美術史入門〈実践編〉を読んでいきます。
サンティアーツィオ教会の天井画をずっとみてきました。普通の美術の本ならばここまでの描かれた図像を読み解くまでで終わりそうですが〈実践編〉はここから奥の奥まで読み解いていくので面白いです。
今日は天井画ができるまでの資料などを見ていきたいと思います。
この天井画を描いたアンドレア・ポッツォは画家でもあり、建築家でもありました。
彼の著書「画家と建築家のための遠近法」の中にサンティアーツィオ教会の天井画の挿絵が載っています。
挿絵の前に教会の内部の写真も本に載っていました↓
手前の人間が描かれている天井はもちろん絵だとわかりますが、奥の暗い天井もポッツォの作品です。
この屋根をクーポラと呼ぶらしいのですが、サンティアーツィオ教会の天井画「四大陸の寓意〈イエズス会の伝道の勝利〉」よりも先にこのクーポラは描かれました。このクーポラの作品をポッツォが成功させたことによりより大きな天井画もポッツォに任されることになりました。
そしてこれはポッツォの本の中に掲載されているサンティアーツィオ教会の断面図です。
画面向かって右側に大きな屋根がありますね。これがクーポラ部分です。この図の中でクーポラが始まるところには小さく[A][B]と書かれていて、ポッツォは解説文の中にABのところには描かれたクーポラの絵が来ると書いてます。
描かれたクーポラとは↓
また、「四大陸の寓意」天井画部分の説明もあります。
上の図は実際の形、下は天井画で表現する形です。
そして下から見上げた場合どのような表現になるか描かれたもの↓
そしてこのようなスケッチを融合し、天使や雲を配置したものがこちら↓
下図の段階で一枚の作品になっていますね。
ここからやっと天井にこの絵を転写して描いていく作業が始まります。だまし絵って描く工程がたくさんあって大変ですね。しかもクーポラはまっ平の天井ではなくアーチのある天井でした。
ポッツォが建築家だったからこんなすごい作品を作れたんでしょうか。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。