リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

旅に出るザビエルーヴィネツィア編と謎の杖ー

今日も生きてます。

 

テレビで連日大統領選について報道されていますね。

世界情勢に疎い私でも少し興味を持ちました。

 

日本ではあまり政治のことを外で話すことはないですが、アメリカでは国民が自分が応援している候補者の名前が入ったものを身に着け、主張していることが驚きです。

しかし暴動が起きるのは怖いですね…。

 

ブラジルでは15日に統一地方選があるようです。

どのような選挙の仕組みかはわかりませんが、候補者などの選挙に関係する人がすでに80人以上殺害されているそうです。ひえぇぇぇ…

 

世界に比べて日本って政治の話をしないし、そういうのよくないという意見も聞いたことあります。そうかなーと思ったこともあったのですが、こういう報道みると日本の選挙は比較的しっかりしてるんだから、日常的に他人と話をしていなくても、ちゃんと自分でいろいろ調べて決めて自分の一票を投票するだけで十分ではないのかなと思いました。

 

さて、今日もザビエルの本「描かれたザビエルと戦国日本ー西欧画家のアジア認識ー」鹿毛敏夫編、勉誠出版)を読んでいます。

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前回までザビエルが海外に布教しに行くまでの生涯を取り上げました。

akashiaya.hatenadiary.jp


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故郷で自分の一族が没落。

 

親族と故郷のよりどころを失くしたザビエルの心の穴に、キリスト教を熱心に信仰するロヨラが神のすばらしさを入れ込んだ。

 

ザビエルの心のよりどころはキリスト教になった。

 

ザビエルはキリスト教を厚く信仰するようになり、ついにはロヨラの仲間と一緒にイエズス会を立ち上げた。

 

というのが考察も含めて前回の流れです。

 

 

これからはイエズス会を創立した後のザビエルの行動をみていきます。

 

ポルトガルの首都リスボンにあるサン・リケ教会の聖具室には、たくさんの宗教画が飾られています。宗教画の中にはザビエルの生涯を20枚の連作絵画として表現した作品があります。 

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出典:「描かれたザビエルと戦国日本ー西欧画家のアジア認識ー」(鹿毛敏夫編、勉誠出版

サン・リケ教会

 

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出典:「描かれたザビエルと戦国日本ー西欧画家のアジア認識ー」(鹿毛敏夫編、勉誠出版

聖具室↑

 

描いたのは画家アンドレレイノーゾとその工房です。

 

 

連作絵画はザビエルがイエズス会を立ち上げた直後から始まります。

 

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出典:「描かれたザビエルと戦国日本ー西欧画家のアジア認識ー」(鹿毛敏夫編、勉誠出版

アンドレレイノーゾ画

「ヴィネツィアのサン・マルコ聖堂の病院で患者の告解に耳を傾けるザビエル」

カンバス、油彩。

 

 

 

画面手前に黒い服装をしているのがザビエルです。

横たわっている人から何か聞いていますね。

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出典:「描かれたザビエルと戦国日本ー西欧画家のアジア認識ー」(鹿毛敏夫編、勉誠出版

 

イエズス会を立ち上げたザビエルとロヨラ含む7人は、ローマ教皇に謁見しに行くのですが、そこに行く前にエルサレムに巡礼することになります。

 

エルサレムへの巡礼船はヴィネツィアから出ていたため、イエズス会メンバーはヴィネツィアへ行きます。

 

ところが国際情勢のため巡礼船が出航できなくなってしまいました。仕方なくイエズス会一行は巡礼船が出るまでの間、ヴィネツィア近郊で一年ほど説教や奉仕活動をしています。

 

↑の作品は題名からもわかるようにそのヴィネツィアで活動しているときのザビエルです。絵の左奥に見える青い風景はヴィネツィアの海を描いていることになります。

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出典:「描かれたザビエルと戦国日本ー西欧画家のアジア認識ー」(鹿毛敏夫編、勉誠出版

 

このときは1537年、ザビエル31歳です。

 

絵に描かれている舞台はサン・マルコ聖堂の病院です。

サン・マルコ聖堂は今もヴィネツィアにあり、観光客でも入ることができます。

 

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出典:「描かれたザビエルと戦国日本ー西欧画家のアジア認識ー」(鹿毛敏夫編、勉誠出版

 

私もヴィネツィアに行ったときに入りましたが、厳かな雰囲気で壁のモザイク壁画が美しかったと記憶しています。あまり退色していなかったのも驚き。

 

同じところにザビエルもいたのかもなあ…

 

ザビエル耳元でささやいているのは不治の病で死を迎えようとしている病人で、その病人の告解をザビエルが聞いています。

 

 

ところでキリスト教の信仰者ではないので、告解がどういうものかわからなかったので調べました。

 

  告解はカトリック教会においては、洗礼後に犯した自罪を聖職者への告白を通して、その罪における神からの赦しと和解を得る信仰儀礼。現在のカトリック教会ではゆるしの秘跡と呼ばれている。

カトリック教会では、大罪を犯した場合には、赦される為にはこの秘跡が不可欠となる。また年に一度は必ず行うべきものとされている。

  出典:告解 - Wikipedia

 

要するに罪の告白です。

絵の中でザビエルは病人の罪の告白を聞いているということですね。

 

 

 

あともうひとつ気になったのがザビエルが持っている棒です。

 

日本国にいる人間の感覚からすると修験道の杖(金剛杖)のように見えますが、そんなはずないですね。

 

一応カトリックでは司祭が持つ司教杖というものが存在するようです。調べると上のほうの先がくるりんってなってるので、ザビエルのものとはちょっと形状が違うような…

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出典:司教杖 - Wikipedia

 

 

 

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普通に関係なくただの杖なのかな?絵を構築するうえでそんな意味ないもの画面に描き加えませんよね…金剛杖じゃないよね…?

 

もしカトリック教徒にこれから会うことあったら聞いてみます。

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

akashiaya.jimdofree.com

 

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