浅茅ヶ原の鬼婆ー怖いみたい不思議ー
今日も生きてます。
お店のパンが全くなくなってました。
皆さんもしもに備えてますね。
さて、どんな天気でも「漫画でわかる日本絵画のテーマ」(監修矢嶋新)を読んでます。
真ん中の包丁を持った老婆が怖いです。
もっと腰曲げて老婆感出してもいいような気がしなくもないですが、印象的ですね。
(老婆にしては姿勢と体格が良すぎる…)
この作品は浅茅ヶ原の鬼婆の伝説をもとに描かれています。
~浅茅ヶ原の鬼婆の伝説のざっくりあらすじ~
⚫舞台
浅茅ヶ原の鬼婆の伝説の舞台は、飛鳥時代の東京都台東区花川戸です。
今も伝説の跡地である花川戸公園には、伝説の石碑や看板があります。
⚫主要登場人物
人殺し婆さん
一軒家に娘と二人暮らし。
訪ねてきた旅人を殺害し、物品を奪って生計を立てる。
若くて美しい娘
人殺し婆さんの娘。
お婆さんの行いを諫めていた。
お婆さんの家へ訪ねてくる子供の旅人。
実はお婆さんを改心させるために来た浅草寺の観音菩薩の化身であった。
⚫あらすじ
用明天皇の時代、武蔵国花川戸に浅茅ヶ原と呼ばれる原野がありました。
宿泊できる場所がない荒地で、旅人たちは唯一の人家であるあばら家に宿を借りていました。
この家は老婆と娘の二人暮らし。
老婆は旅人の寝床を襲って石枕で頭を叩き割って殺害し、奪った金品で生計を立てている非道な鬼婆でした。
ある日、老婆の家に稚児の旅人が訪れます。
老婆は躊躇することなく、寝床についた稚児の頭を石で叩き割りましまた。
しかし旅人だと思ったそれは老婆の娘でした。
娘は稚児に変装して身代わりとなり、老婆の行いを咎めようとしたのでした。
老婆が自分の行いを悔いていたところ、家を訪れていた稚児が現れます。
老婆に人道を説くために稚児の姿で家を訪れたのでした。
その後、老婆は今まで殺害してきた旅人の亡骸を捨てていた池へ身を投げました。
(結末に関しては諸説あります。)
この伝説の絵馬で有名なのは歌川国芳の「一ツ家」
浅草寺に奉納された絵馬です。
老婆の恐ろしい描写は人々の話題となりました。
ちなみにこの絵馬は吉原の遊郭である岡本楼の依頼で制作されました。
お礼に泊まっていくように言われた歌川国芳はこれを断り帰宅します。
そのお陰でその後安政の大地震によって倒壊した岡本楼の被害に巻き込まれずにすみました。
↑は尾形月耕の「月耕随筆 浅茅ヶ原の一ツ家」
↑は月岡芳年「月百姿」のうち「孤家月」
老婆が旅人のようすをうかがっている場面。
一説で老婆は天井から吊るしたロープに岩を繋ぎ、それを落として旅人を殺害していたというものがあります。
画面を横切るロープは岩の存在を示しています。
個人的にはこれが一番老婆らしい。
目をひんむいて娘の首根っこをつかむお婆さんの迫力すごいですね。
お婆さんの痩せこけた身体、そしてその老婆が非道な行い…
こわい。しかもひどい話。
しかし不思議にもその恐ろしい描写は見たくなる!
怖いもの見たさという言葉もあるように怖いものってみたいんですよね。
国芳の絵馬をもとに生人形が作られ、見世物興行も行われたそうです。
家には飾りたくないけど、定期的にみたくなりそう。
何でかなあ。
もしかして私だけでしょうか。
不思議を抱えて今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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