地獄のイメージー地獄草子ー
今日も生きてます。
肩がかちこちです。
気が付くと、同じ姿勢のままPCの前で何時間か過ごしてしまいます。
遊園地のアトラクションを考えています。
ミラーハウスやメリーゴーランドなどなど、考えつつ描きつつ過ごしています。
ミラーハウスはいったいどんな構造でできてるんだろうか…
取材するより模型作った方早いだろうか…
悩みが絶えません。
さて、今日も『マンガでわかる「日本絵画」の見かたー美術展がもっと愉しくなる!ー』(監修矢島新、イラスト唐木みゆ、誠文堂新光社)を読んでいます。
前回は絵巻物の元祖である「絵因果経」について取り上げました。
釈迦の伝記的な絵巻物から、物語絵巻が発展していきます。
平安時代で有名な絵巻物は源氏物語絵巻ですが、以前この絵巻物についてはブログで取り上げました。
今日は絵巻物の中でも仏教の地獄の世界を表現した
「地獄草子(じごくぞうし)」を取り上げます。
不明 - Tokyo National Museum, Emuseum, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7884024による
今現代の私たちが抱いている地獄のイメージの原点はこの絵巻物です。
ちなみに私が地獄にもっているイメージは血の池地獄、三途の川、閻魔大王様…でしょうか。
あとお盆のお墓参りの時に行くお寺に、閻魔大王様とその夫人(?)を模したであろう彫刻(おそらく木製)があり、子供心にその前を通るのが怖かった思い出があります。
あと落語の中に地獄に行く話がありますよね。
地獄八景亡者の戯れだったかと思います。
サバの刺身に当たって死んでしまった男が地獄の中面白おかしく進んでいくストーリーです。個人的に好きな話です。
地獄だけど登場してくる亡者たちはめっちゃ陽気です。
話が横道にそれ過ぎてしまいましたが、そもそも仏教でいうところの「地獄」とはどんなものなのでしょうか?
仏教には「輪廻転生」という考えがあり、生まれ変わりを繰り返すというものです。
悟りを得て仏になるとこの輪廻転生から解脱することができます。
輪廻転生の中で生まれ変わる行先の世界は六つあります。
それを「六道(ろくどう)」と呼びます。
〇六道の種類
※名称は細かく違う表現もあるようです。
代表的なものを選びました。
地獄道(じごく)
この世で悪い事をした人間が落ちる世界です。
餓鬼道(がきどう)
鬼に生まれ変わる世界。
畜生道(ちくしょうどう)
動物に生まれ変わる世界。
修羅道(しゅらどう)
戦が絶えない世界で、ずっと戦い続けます。
人間道(にんげんどう)
この世です。
天道(てんどう)
快楽の限りを尽くせるものの、老いや病や死のような苦しみからは逃れられない世界。
死ぬときは地獄の苦しみよりもきついらしい。
地獄というのはこの「六道」の一つです。
不明 - Tokyo National Museum, Emuseum, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7884117による
この世で悪いことをした人間が地獄に落ちるということはわかりましたが、「悪い事」とは何を指すのでしょうか?
それは仏教の「五戒(ごかい)」を破ることです。
〇五戒の内容
「不殺生」生き物を殺さない
「不妄言」嘘をつかない
「不倫盗」盗まない
「不邪淫」夫婦以外のものと肉体関係(またはそれにつながるような行為)をもたない
「不飲酒」酒を飲まない
…皆さん、どうですか?
私はアウトです!(酒!)
地獄でまた会いましょう!
まあ、実際には閻魔様やお釈迦様がどこに生まれ変わるか精密な(?)審査をしてくださるので、これでだけで決まるわけではないようです。
善行積みましょう。
目指せ浄土。
Strange Arrow - http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?processId=00&ref=2&Q1=&Q2=&Q3=&Q4=11______4171_&Q5=&F1=&F2=&pageId=E15&colid=A10942, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2808046による
「地獄」というものが仏教の中でどんな位置にあるかはざっくりわかりましたね。
地獄の中には人間の罪の種類によって8つの種類があります。
それぞれの地獄がどんなものか代表的なものを見てみましょう。
「等活地獄(とうかつじごく)」
殺生をすると落ちる場所です。
ここでは死者同士で鉄の爪で骨になるまで戦うことになります。
そして骨が飛び散った後は獄卒によりまた元の体に戻り、同じことを繰り返します。
「黒縄地獄(こくじょうじごく)」
殺生、盗みの罪を犯した人が落ちる場所です。
熱した鉄縄、斧、鋸などでめちゃくちゃにされます。
結果的に犬に食べられ、食い尽くされると元の体に戻り、同じことを繰り返します。
「衆合地獄(しゅうごうじごく)」
性的な罪を犯した人が落ちる場所です。
木の上の美女に誘惑されますが、木に登ろうとするとカミソリのような葉にずたずたにされ、木の上にたどり着くと美女は下にいます。これを繰り返します。
子供にわいせつをした人は自分の子供が鬼に局所を鉄のキリやかぎ爪で刺されて釘打たれる様子を見せつけられます。
「叫喚地獄(きょうかんじごく)」
飲酒をした人が落ちる場所です。
大鍋で煮られたり、どろどろに赤く溶けた銅を飲まされたりします。
「大叫喚地獄(だいきょうかんじごく)」
嘘をついた人が落ちる場所です。
舌を針で刺され、はさみで舌を抜かれます。
舌はまた生えてきて、同じことを繰り返します。
「焦熱地獄(だいしょうねつじごく)」
殺生、盗み、邪淫、飲酒、妄語、邪見…など、仏教の教えとは反することをした人が落ちる場所です。
常に極熱で焼かれ焦げます。
赤く熱した鉄板の上で鉄串に刺され、人によっては手足などに分解されてそれぞれが炎で焼かれます。
「大焦熱地獄(だいしょうねつじごく)」
戒律を守っている尼僧を誘惑した人が落ちるところです。
火が燃えている場所で、炎の刀で皮膚をはぎ取られ、肉を焼かれ、熱い鉄を注ぎこまれます。
「阿鼻地獄(あびじごく)」
親殺しや仏法を軽んじるなど、重い罪を犯した者が落ちる場所です。
手足の節々から火炎が噴出し、苦しみが絶え間なくやってきます。
By Unknown - e国寳, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4852594
地獄にはいきたくない…と心から思わされるような地獄の内容ですね。
少し長くなってしまいました。
明日に続きます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。