日本元祖絵巻物はコレー「絵因果経」ー
今日も生きてます。
今まで制作のためのスケッチは全てスケッチブックのペラペラの紙に描いていましたが、今回からPCに描いてます。
かさばらないし、色塗りが早くできるので、圧倒的に楽です。
あのスケッチどこやったっけ?と無くすこともなくいい感じです。
目が疲れるのが唯一の難点。
さて、今日も『マンガでわかる「日本絵画」の見かたー美術展がもっと愉しくなる!ー』(監修矢島新、イラスト唐木みゆ、誠文堂新光社)を読んでいます。
今日は日本の絵巻物の元祖についてです。
源氏物語絵巻や百鬼夜行絵巻など、有名な絵巻物っていくつかありますよね。
〇〇絵巻ってつくと心躍るかも。何につけても日本風になりそう。
その絵巻物の元祖とはなんであったのかが今日の話です。
不明 - Tokyo National Museum, Emuseum, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=15471761による
Unknown - igGUb1RMKJDYow at Google Cultural Institute, zoom level maximum, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=29856672による
↑は「絵因果経」(えいんがきょう)と呼ばれるものです。
絵は素朴ですね。
不明 - Woodblock reproduction, published in 1941 by Sinbi-Shoin Co., Tokyo, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1982174による
個人的には素朴でかわいいと感じます。
素朴な絵柄でめっちゃ不穏な内容っぽい。
上部分に絵、下部分に文字が書かれています。
下部分には「過去現在因果経(かこげんざいいんがきょう)」という経典がかかれています。
ちょいちょい仏像っぽいものが描かれているので察することができると思いますが、これは仏教の経典で、釈迦の過去生(前世のようなものか?)と、現世で仏陀になり、弟子を導くところまでが物語風に記されています。
上部分の絵は文章に対する挿絵のようなものです。
日本に現存している「絵因果経」は、唐の時代のオリジナルを模写したものが複数残っていると考えられています。
この絵巻物が制作された目的としては仏教の布教だと思われます。
全4巻でそれぞれに上・下巻があります。
(つまり全部で八巻あるということ。)
しかし全てが揃う形で残っているものはないそうな。
Wikiによると日本の「絵因果経」のもととなった唐のオリジナルは見つかっていないそうです。
とにかくこの「絵因果経」を原型として平安時代以降、絵巻物の文化が花開いていきます。
釈迦のおとんも登場します。
そして出家する前の釈迦(王子)も描かれています。
落語とかに出てきそうな甘やかされてる若旦那の挿絵としても通用しそうなルックス。
紙媒体のものはどんどんデジタルになりつつある今、絵巻物が流行ることは絶対ないなと思うけども、ロマンを感じます。
(見るたびに巻いたり開いたりするから痛むしねえ)
展覧会などでは絵巻物の一部しか見ることができないので、個人的には全部データ化してスマフォでスクロールして流れと内容を楽しむことができたら嬉しいです。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。