二河白道図
今日も生きてます。
美術系の本ってたまに釣りのようなタイトルありますよね。
まんまとつられました。
お笑い芸人のおぎやはぎさんと、山田五郎さんが出演されている「ぶらぶら美術・博物館」という番組を見ていて、山田五郎さんの解説が素晴らしいなあといつもわかりやすくて素晴らしいなあと思っていて(台本かもしれませんが)、気になる存在です。
この本は対談形式で山田五郎さんが絵の話を面白く分かりやすく解説してます。
(本当に本人かはわからないが。)
読むの楽しみ~
ということで今日も「マンガでわかる日本絵画のテーマ」(誠光堂新光社 監修矢島 新)を読んでます。
「二河白道図」(摸本)
上の絵は仏教の画題のひとつを描いた絵です。
どんな場面かわかりますでしょうか?
これは「二河白道の譬え」を絵にしたものです。
「二河白道の譬え」とは、中国の僧である善導大師が書いた本の中に出てくる例え話です。
絵を三つに別けてみてみます。
真ん中の段には
画面を縦に真っ直ぐの細く白い線が引かれています。
向かって左側には火の河が燃え盛っている様子、
右側には水の河が逆巻きに描かれています。
下段にはこちらの岸に立つ人物とそれを追いかける盗賊、獣の群れが描かれています。
西を目指して歩く人の前に火の河と水の河がありますよ。
後ろから盗賊や獣が迫っています。
目の前には河に挟まれた細い道。
そして背後からは
「行きなさい」
西からは(橋の先から)
「来なさい」
という声が聴こえます。
そして念仏を唱えて細い道を渡ります。
善導大師が書いた「観無量寿経」の注釈書の中に例えばなしとして記されています。
河は、怒り・貪欲な心を表し、
細い道は極楽浄土を願う心の象徴
聴こえてきた声は釈迦と阿弥陀如来のものです。
渡った先(画面上部)には極楽浄土があります。
下側に描かれているのは現世です。
不思議な構図ですが、何が描かれているのかわかると必然性がみえてきます。
頼りなく危険な道の先に出口がある…というのがなんとなく蜘蛛の糸を彷彿としました。
個人的には構図よりも画中にあるこの木がきになります。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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