リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

大津絵ってなに?

今日も生きてます。

 

床にセミが落ちてたそうです。

夏の終わりを感じます。

 

 

さて、今日はナマズ続きです。

 


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前回は男性が瓢箪を持っていましたが、上の絵では猿が瓢箪でナマズを押さえています。瓢鯰図のパロディとして描かれました。

 

瓢鯰図については前回のブログにまとめました。

前回↓

ひょうたんナマズって何?ー鯰絵の変遷ー - リアル絵描き日記

 

 

この絵は「大津絵」(おおつえ)と呼ばれるものです。

 

 

大津絵とは?

 

大津絵は、滋賀県大津市で売られていた江戸時代初期から名産です。

 

大津といえば東海道五十三次の中で一番大きな宿場でした。

 


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歌川広重東海道五十三次・大津』

 

 

大津絵は、東海道を旅する旅人たちの間の土産物・護符として売られていました。

 

 

 

 

大津絵の歴史


大津絵は最初、仏画として描かれ始めました。

 

信仰の一環とであったものが、やがて世俗画になり、次第に教訓的・風刺的な道歌を伴うようになります。

 

 

また、江戸時代初期のキリシタン弾圧に対し、「自分は仏教徒である」という隠れ蓑的役割もありました。

 

 

 

大津絵十種

 

大津絵にはどのようなものが描かれたのか…?

 

仏様の絵はもちろん描かれましたが、人気の画題として「大津絵十種」と呼ばれるものがあります。

それぞれに画題に護符の役割があります。

 

 

 


◯鬼の念仏:小児の夜泣きを止め悪魔を祓う


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◯雷公:雷避け

 


鷹匠:利益を収め、失せ物手に入る

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◯弁慶:身体強健にして大金を持つ


◯座頭:倒れぬ符


◯藤娘:愛嬌加わり良縁を得る


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◯槍持奴:一路平安道中安全

 

◯長頭翁:長命を保ち、万事意のままになる

 

◯瓢箪鯰:諸事円満に解決し、水魚の交わりを結ぶ


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◯矢の根五郎:目的貫徹、願い事叶う

 

 

 

フランスで日本文化を紹介しているパリ日本文化会館で、大津絵を展示する企画展「大津絵-江戸時代の庶民絵画-」が開かれたり、大津市で、大津絵を観光振興に生かすために、土産物に使用できる画像の無償提供がはじまったり、大津絵に注目が集まっています。

 

今後大津絵をお土産として購入する日が来るかもしれませんね。

 

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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