ダヴィッド
今日も生きてます。
以前ゴッホのジャポニズムについてブログを書きましたが、ゴッホは生前一枚しか作品が売れず、死後高い評価を受けたということで有名です。
(しかし売ることを諦めていたわけではないことは重要な点です。)
作品の評価というのは同じ作品でも、作家の生前と死後、それから何百年後と変化する場合があります。
考えてみれば同じ絵なのに評価が上がったり下がったりするのは不思議です。結局絵というものはそれ自体が素晴らしいという絶対的価値は持つことができなくて、みる人間の評価が名画をつくるのだと思います。
今日からは社会の流れに影響されたダヴィッドの作品をみていきます。
ジャック=ルイ・ダヴィッド
1748-1825 フランス
↑はダヴィッドの自画像です。
画面向かって右には女性達が悲しんでいます。
向かって左側前には男性が椅子に座りアンニュイな様子。
男性の奥には横たわった男性の足を運ぶ男たち。それが死体であることと今部屋に運びこられたことが示されています。
なんの場面か…というと
ローマはもともと王政で始まり、7代目王のタルクィヌス・スペルブスのときにタルクィヌス・スペルブスは追放され、共和政になりました。
追放されたタルクィヌスと仲間は共和政打倒と王政復古の陰謀をたくらんでいましたが、計画は露見し元老院はかれらに死刑を宣告します。
そのときの元老院の長はルキウス・ブルートゥスという人物でした。
作品の画面向かって右で椅子に座ってアンニュイな様子の男性はこの人です。
陰謀計画を進めていた仲間のなかにはこの、ルキウス・ブルートゥスの二人の息子もいました。
ルキウス・ブルートゥスは自分の息子に死刑宣告をしたのです。
作品の題名は「ブルートゥス邸に彼の息子たちの遺体を運ぶ刑吏たち」なので、描かれているのは自分の息子たちの死刑を宣告し、刑が執行され、遺体がルキウス・ブルートゥスの家に運ばれてきたところですね。
向かって右の女たちは親族など親しい関係の人でしょう。
ダヴィッドはそのときフランスの王のルイ16世の注文によってこの作品を描きました。
明日に続きます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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