ラファエル前派⑥
今日も生きています。
ラファエル前派はロイヤルアカデミーの教えに反対し、画面に象徴的なモチーフを配置し、それぞれ細かい描写を現実に忠実に描いていました。
しかしミレイはアカデミーに出品を繰り返すうちに作品が好評になり、ついにロイヤルアカデミーの準会員になります。
ロイヤルアカデミーの教えに反対することから始まったグループだったのでミレイが準会員になるということはラファエル前派の組織の解体を意味しました。
ミレイは細かく描写していく画風から、だんだんロマンティックな雰囲気を重視した絵になっていきます。ミレイの家系は子だくさんだったので一枚に時間をかけて描いている暇がなかったのかもしれません。
オフィーリアは細密な描写の作品ですが、それ以降の作品には荒い筆使いの作品も多くみられます。
ミレイ「黒きブロンズウィック騎兵隊員」
ミレイ「秋の落ち葉」
ハントは中東のキリスト教の聖地に二年間の取材旅行に行きます。そして信仰に基づいた主題を絵にしました。中世のテーマからは離れましたがハントの画風は本当に細密です。
ハントにとっては描くという行為は信仰と同じだったのかなと思います。なのでラスキンの神がつくった自然を忠実に描くことが画家の使命というような考え方が最後までぶれなかったのかなー。そういう人もいるんだな。
ハント「世の光」
ハント「死の影」
ハント「シャロットの女」
ハント「贖罪の山羊」
一方メンバーの一人であるロセッティはミレイやハントのように公募展に作品を出品しませんでした。顧客に対して少数の作品を制作していたようです。
うらやましい生活です。
中世主義からミレイとハントは離れていきましたが、ロセッティは違います。
むしろさらに中世の世界にのめり込んでいき、ロセッティを中心に第二のラファエル前派と呼ぶべきものが始まります。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。