麒麟ってどんな生き物?なぜビールのラベルなの?中国語でキリンは麒麟なの?ーもっと知りたいカッコいい霊獣たち!③ー
今日も生きてます。
ペンタブ始めました。
液晶のタブレットを購入してみましたが、結局PCの方の画面しか見てないので液晶画面がついていないものでもよかったかなあ。と思う今日この頃です。
さて、龍や鳳凰などの縁起が良いとされる瑞獣(ずいじゅう)についてとりあげています。
古くからある瑞獣ですが、現代の私たちの身の回りにも意外とたくさん使われています。
今日は中から「麒麟(きりん)」についてみていきたいと思います。
麒麟というとビールのイメージ。
File:Kirin Free Kirin Brewery Company.jpg - Wikimedia Commons
また、来年のNHKの大河ドラマのタイトルは「麒麟がくる」のようですね。
正直ドラマに全く関心ないので見ないと思います。爆
大河ドラマでは麒麟がCGで再現されるような場面、ないですよね…?もし再現されるのならその造形だけ気になります。
麒麟の外見
I, BrokenSphere, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4280946による
麒麟の外見は表現する人によって違います。
基本的にはだいたいは鹿です。
そして背毛は五色で、身体には鱗があります。
顔は龍で、尾は牛、馬の蹄を持つとされています。
麒麟の角は麒角(りんかく)と呼ばれます。
「麟角」は、空想上の麒麟の角のことなので、転じて「極めてまれなもののこと」の例えとして使われることがあります。
個人的な意見としては「鳳凰・龍・霊亀・麒麟」と瑞獣が四匹揃って四霊と称されるので、そのうちの二匹、龍と麒麟の顔がかぶってるのはややこしいのでは?と思います。
日本橋から各地へ飛び立つというイメージで、麒麟に翼がついています。
麒麟のイメージは様々です。
麒麟の詳細設定
「花卉鳥獣文様刺繍打敷」明 西教寺
古代中国では、獣類の生物の長とされます。
聖王のもとで天下泰平のときに現れます。
性別は、オスを「麒」、メスを「麟」、と呼びます。
性格は穏やかで優しく思いやりがあります。
どの程度の優しさかというと、地面の虫や植物を踏まない(殺生しない)ように、地に足を下ろさないほどです。
色によって種類と名前がある説があります。
青い物 聳孤(しょうこ)
赤い物 炎駒(えんく)
白い物 索冥(さくめい)
黒い物 甪端(ろくたん)角端(かくたん)
黄色い物 麒麟(きりん)
ゴレンジャーだっ!と思ったのは私だけではないはず。
麒麟はカレー担当でしたか。
また、麒麟を傷つけたり、死骸に出くわしたりするのは、不吉なこととされるそうです。
麒麟の言葉
麒麟児(きりんじ)
神童と同じような意味の言葉です。
才能が優れ、将来が期待される少年に使われます。
麒麟送子(きりんそうし)
麒麟は優秀な子供(男子という説もある)を授けてくれる神様という側面もあります。
麒麟送子図というと、麒麟の背に子供がまたがっているものが多くあります。
あれですね。
コウノトリ的な感じですかね。
獲麟(かくりん)
「物事(あるいは人生)の終わり」の意味で用いられる言葉です。
由来は中国の歴史書である『春秋』に書かれた出来事です。
「春秋」は、孔子が書いたと言い伝えられている中国春秋時代の歴史書です。
その春秋の最後に書かれているのが獲麟のエピソードです。
魯の国の重臣に仕える御者が、狩りの最中に見たことのない気味の悪い生物を捕えます。
人々はそれを狩場の管理人に押しつけます。
たまたまその生物を見た孔子は、それが聖獣「麒麟」であるということに気付いて衝撃を受けます。
太平ではない時代に麒麟が現れ、人々がその姿を不気味がって恐れる異常事態に、孔子は自分が今までやってきたことは何だったのか…と、やり切れなさを感じます。
そして、自分が整理を続けてきた魯の歴史記録(春秋)の最後に、この出来事を書いて終わらせます。
春秋の最後に獲麟エピソードがあるということで、獲麟が物事(あるいは人生)の終わりを意味するようになりました。
キリンは麒麟なの?問題
Chen Zhang (陳璋) - http://www.geocities.ws/derideauxp/chen_zhang.html, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=886336による
動物のキリンと麒麟って同じ読み方ですよね。
キリンは実在する動物で、麒麟は空想上の霊獣です。
なぜ同じ読み方なのでしょうか?
ちなみに麒麟の生みの国である中国では、動物のキリンのことを「长颈鹿」、「 長頸鹿」、と表記し、キリンとは呼びません。
キリンは英語ではジラフ(giraff)です。
一説では…
明の鄭和という人がアフリカに遠征したときに、実在動物のキリン等を帰国時に運び、永楽帝に献上します。
永楽帝はキリンを気に入り、伝説上の動物「麒麟」に姿や名前の発音が似ていたことなどから“実在の麒麟”として珍重したと言われるます。
そしてこの故事がキリンの日本名の起源となった。
またもう一説では…
恩賜上野動物園が開園したときに、園長の石川千代松が超高額なジラフ(giraffe)を購入する予算を通すために、
と、若干無理な理由をつけました。
そこからジラフがキリンになったという説があります。
冒頭でも触れた通り、麒麟というと麒麟ラベルが有名なキリンビールです。
余談になりますが、なぜキリンビールは麒麟をイメージキャラクターにしたのでしょうか?
公式サイト(キリンビール|商品ブランドの歴史|キリン歴史ミュージアム|キリン)によると、キリンビールが開発された当時、西洋から輸入されてくるビールには狼や猫などの動物を描いたラベルが多かったそうです。
そこから、「東洋には麒麟という霊獣がいるのだから、それを商標にしよう」と提案され、現在に至るといわれています。
ラベルに描かれている麒麟のイラストに、カタカナで「キ・リ・ン」が隠れていることは有名ですね。
麒麟は外見が強そうな印象があるので、マッチョな霊獣なのかなと思いきや、全く逆で優しい性質の持ち主であったことが驚きです。
そして顔が龍という設定が解せぬ。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考・画像引用
まんがでわかる「日本絵画」のテーマ、誠文堂新光舎、監修矢島新。
日本・中国の文様辞典、視覚デザイン研究所編。