鳳凰とは何か?ーもっと知りたいカッコいい霊獣たち!②ー
今日も生きてます。
お絵描きソフトを購入し、少しずつ操作を勉強しています。
イメージをつくるにはデジタルいいですね。
機能を使いこなしていきたいです。
さて、今日は「鳳凰」(ほうおう)について取り上げます。
Bernard Gagnon - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4375670による
前回は、「龍・鳳凰・霊亀・麒麟」が古代中国の書物の中で、よい事の前兆として現れる瑞獣であると記されているという内容でした。
個人的には鳳凰と聞くと手塚治虫の漫画「火の鳥」を連想します。
または平等院鳳凰堂。
あと一万円札ですね。
Fer1997 - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=16263447による
縁起の良い霊鳥として古墳時代の馬具の文様にもなり、昔から今まで日本の文化の中に溶け込んでいる「鳳凰」ですが、元は中国で生まれたものです。
中国ではどのように鳳凰の姿が生まれたのか?
そもそもどのような生態なのかなどを確認していきます。
鳳凰の変遷
殷の時代
器などに様々な文様が施され、その中に鳳凰の源流となる「夔鳳文(きほうもん)」が登場します。
夔鳳文(きほうもん)は龍と霊長が合体したような文様です。
西周の時代
飾冠(とさか的部分)や翼や尾が華やかな鳥の形になります。
漢の時代
飾冠と尾がさらに強調されます。
隋の時代
両翼を広げ、走っている姿で描かれるようになります。
唐の時代
花飾りや瓔珞(ようらく:玉の連なる首飾り)をくわえる花喰鳥の文様が流行します。
宋・元の時代
足がほとんどなくなり、両翼を広げて飛ぶ姿で描かれます。
尾は長く引き伸ばされて表現されます。
明の時代
首が異常に長くなり、頭部はぼってりした頬に切れ長の目が描かれます。
より非現実的なものになりました。
清の時代
鳳凰に鶏のような長い足がつき、体には羽毛が並べられ、長い尾が優雅に描かれます。
ここで現代のイメージする鳳凰像になります。
鳳凰の詳細設定
性別 オス 鳳
メス 凰
飲み物
霊泉(霊験あらたかな不思議な効能のある泉)
食べ物
竹の実(約100年に一度しか実を結ばない)
居場所
梧桐の木にしか止まらない。
有徳の天子が出現すると現れ、一緒に飛び相和して鳴けば天下泰平であるとされました。
皇帝の象徴は龍でしたが、皇后の象徴は鳳凰でした。龍の次にえらい文様として扱われました。
鳳凰の外見
様々な動物が組み合わさった外見をしています。
時代によって多少変化があるようです。
頭 金鶏
嘴 鸚鵡(オウム)
頸 龍
胴体の前部 鴛鴦(オシドリ)
後部 麒麟
足 鶴
翼 燕
尾 孔雀
鳳凰の文様
龍鳳文(りゅうほうもん)
龍と鳳凰を向かい合わせにして円形を構成します。
円の中心には宝珠が置かれます。
団鳳文(だんほうもん)
一対の鳳凰を向かい合わせに配置して円形にしたものです。
飛鳳(ひほう)
飛翔する鳳凰を意匠化したものです。
双鳳(そうほう)
二羽の鳳凰が向かい合うものです。
鳳凰円(ほうおうえん)
鳳凰を円形に構成したものです。
鳳凰の絵画
四代将軍の徳川家綱の婚礼のために描かれたという説があります。
鳳凰は梧桐に住むとされたため、桐の木と鳳凰を組み合わせて描く「桐鳳凰」がよく描かれました。
白鳳の白が印象的な作品。
裏彩色(うらざいしき)が施されています。
裏彩色は、日本画で絵絹の裏側からも彩色することです。上の作品では裏面から黄土と胡粉を塗り、それが表の白(胡粉)の描写とマッチしいい感じです。
鈴木春信画『鳳凰に乗って空を飛ぶ女』
鳳凰の背に乗った女性が描かれています。
手に持ってる謎の物は雅楽で使用する管楽器の笙(しょう)という楽器です。
鈴木春信という浮世絵師はいろいろなものを見立てて女性を描きます。
この絵では奏の時代の弄玉仙(ろうぎょくせん)を描いていると思われます。
弄玉仙(ろうぎょくせん)は、簫史(しょうし)という仙人から笙で鳳凰の声の吹き方を学んだとされ、彼女が笙を吹くと鳳凰が飛来したと言われています。
鳳凰は天下泰平をもたらす縁起のいい鳥と考えられ、日本では戦国武将が屏風や襖絵に鳳凰図を描かせました。
桐は春に花を咲かせることから、花鳥画の春の画題になることもありました。
流れる様な美しい尾が絵の中に動きやリズムを作ってくれるモチーフですね。背中に仙女を乗せて雅な情景を描きたくなります。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考・画像引用
まんがでわかる「日本絵画」のテーマ、誠文堂新光舎、監修矢島新。
日本・中国の文様辞典、視覚デザイン研究所編。