日本一の「鮭」を知る。絵筆を選んだサムライ高橋由一⑤
今日も生きてます。
図録をゲットだぜ。
(古本ですが…)
クノップフもバーンジョーンズも好きな作家です。(むふふ)
これからゆるーり読んでいきたいと思います。
さて、高橋由一の人生についてみていきました。参考にしている本は「高橋由一ー日本洋画の父」(古田亮著、中公新書)です。
今日は代表作である鮭について見ていきましょう。
教科書にのっているこの鮭。
高橋由一 - https://web.archive.org/web/20080222053001/http://www.nichiro.co.jp/salmon/culture/02.html, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=901005による
細部の細部まで描き込まれていて、見ているとつばが出てきそう…(ごくり)
実は鮭の作品は他にもあります。
このような乾きもの?を描いた作品は他にもあり、展覧会にも出品していたようです。来場者は、西洋の模写ばかりの中で、この高橋由一の鮭の作品を新鮮に感じました。
Takahashi Yuichi (1828-1894) - http://nekoarena.blog31.fc2.com/blog-entry-1429.html, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=46687252による
Creator:Takahashi Yuichi - http://www.yamagata-art-museum.or.jp, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=31511776による
鮭はどうやら年末に描かれており、理由はお歳暮の時期になると贈答品として鮭がちまたに出回るからということもあったようです。
この画題が評判がよかったのもあり、お歳暮のノリで描いていたのかもしれません。
Takahashi Yuichi (1828-1894) - はがき, scanned by Fraxinus2, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=18628935による
明治10年に第一回内国勧業博覧会が開催され、由一は「甲冑図 」「東京十二景」「不二山遠望の図」を出品します。
Takahashi Yuichi (1828-1894) - http://salonofvertigo.blogspot.co.uk/2012/06/blog-post_30.html http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/art-museum/catalogue/takahashi/kaisetsu.htm, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=33564947による
侍の出自である由一が、当時滅びゆく武士の鎧である「甲冑」をモチーフにするのは、なんだかエモいですね。
この展覧会の様子は新聞に掲載され、その中で由一の甲冑図が取り上げられています。
今日世に残っている甲冑武具はやがて朽ち果てて散逸するだろうが、油絵は数百年保存されるのであるから、後世の学者たちはこの絵が参考となるであろう
高橋由一が日本の特有の画題を選んでいるのは、堅牢な油絵に消えゆく運命にある日本文化と伝統を残しておきたかったのかなと思います。演出した姿ではなく、見えたままの姿を。
また、日本に油絵を普及させたいため、日本人になじみが深い日本の物を画題にしたのかもしれません。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。