あやしい和歌
今日も生きてます。
今日の絵はこちら↓
絵の中の女性、何をしているかわかりますか?
筆を持っていますが、その先には川があります。
これは「伊勢物語」に出てくる和歌をもとに描かれたものです。
「伊勢物語」は平安時代につくられたもので、ある男性の恋愛模様がたくさんの和歌と共に描かれます。作者は不明です。
絵はその中の第50段「鳥の子」に出てくる和歌の情景です。
「鳥の子」の物語の内容は、両方浮気をしていても想い合う男女が、お互いのことをなじって責める和歌のやり取りです。
女性が詠んだ和歌に
ゆく水に 数かくよりも はかなきは 思はぬ人を おもふなりけり
とあうものがあり、これは
流れ行く水面に数を書きとめようとするよりも儚いことは、思ってくれない人を思うことです。
というような意味です。
恨みの和歌です。
平安時代の人の感覚って面白いですね。
ということで絵の情景は川に数字を書こうとしている風景です。
女性の表情もつまらなそうですよね。
作者の岩佐又兵衛については昔記事にしたのでこちらをご覧ください。
伊勢物語の「鳥の子」の中ではおそらくタイトルである鳥の子の由来であろう男の和歌(先に女が和歌を詠んできたものに対してつくったもの)がでてきます。
鳥の子を十づつ十はかさぬとも思はぬひとを思ふものかは
(意訳)
ただでさえ重ねられない鶏の卵を十かける十で百個重ねたとしても、思っていない人を思うことがあるでしょうか。そんなこと、ありえません。
筆で川に数字を描くとか、鶏の卵とか、比喩表現豊かですね。
自分だったら絶対に思い付きません。
というかまどろっこしくて直接言いに行ってしまいます。笑
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
明石恵Website
明石 恵 Aya Akashi website - 明石 恵 Aya Akashi website