両性具有体
今日も生きてます。
宇宙って匂いがあるそうですね。
知らなかった…
柿の種食べてたら包装袋に書いてあり驚きました。
独特の甘い金属の匂いやチキンの料理の匂いなど…何だか具体的なんだけど想像つかないな。
その匂いが楽しめるお茶の商品もあるらしい。気になるなー。
さて、宇宙とは関係ないですが筑摩書房から出版されている「美少年美術史」池袋英洋さん川口清香さん著を読んでます。
この絵はレオナルド・ダ・ヴィンチの「洗礼者ヨハネ」です。
洗礼者ヨハネのアトリビュートである十字架の杖と毛皮を身に付けています。
しかし何だか中性的な感じしますよね。
初めて画集で見たとき女性なのか男性なのかわかりませんでした。
実際このヨハネは両性具有体として描かれています。
レオナルドのスケッチの中にはほとんど同じポーズで乳房と陰茎の両方をもつ人物スケッチがありました。
昨日の話の中で出ましたが当時フィレンツェを牽引していたメディチ家は古典復興の一環として古典の哲学者、文学者の文献を議論するサロンがありました。
レオナルドの師もメディチ家お抱えの芸術家でしたのでサロンに出入りしていました。よってレオナルドも出入りしていたと思われます。
サロンではプラトンなど古代の文献を読みながら議論していたわけですが、プラトンの「饗宴」の中には第三の性の話が出てきます。
かつて男と女の他に「男女(おめ)」と称された両性具有者がおり、いずれも手足が4本ずつ、顔と性器も2つずつあったと説いた。ところが、ゼウスによってそれらを両断したため、手足が2本ずつ、顔と性器が1つずつの2人の「半身」となり、それぞれが残された半身に憧れて結合しようと求め合った。そして元々男女だった男と女が互いの半身、すなわち男は女を、女は男を求める事になった。
両方の性を備え、優れた知力と体力を有した両性具有体を完全体と見なす考え方がありました。
キリスト教の時代になってからもこういう考え方がありました。
トマスによる福音書の中のイエスの言葉では男女が両性具有の合一体となれば天国に迎えられる。というものです。
また、錬金術書であるヘルメス文書には両性具有体の完全性が語られています。
これらをテキストに用いていたメディチ家サロンでは「両性具有体=天使的存在=完全体」という図式が出来上がりました。
↑は紀元前二世紀ごろのオリジナル作品に基づく、ローマ時代の模刻「ヘルマフロディトス」
ヘルマフロディトスはヘルメスとアフロディーテという男女神からの造語です。
混合神として両性具有体であり、彫刻として表現されるときは乳房と陰茎をあわせ持っています。
レオナルドの洗礼者ヨハネは完全体である中性的な表現を体を表すことなく雰囲気、表情で表現しています。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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