ボッティチェッリ
今日も生きてます。
クリスマスカードをどんな絵にしようか考え中です。
キリスト教徒ではないのですが、近年は年賀状よりもクリスマスカードを送ることが多いです。
さて、筑摩書房から出版されている「美少年美術史」を読んでいます。
この絵は有名ですよね。
たぶん義務教育の教科書にのってると思うので、ほとんどの方が知っているのでは?
これはサンドロ・ボッティチェッリの「春」です。
ほかにも有名どころのヴィーナスの誕生などもボッティチェッリの作品です。
ところでボッティチェッリの描く人間の表情ってアンニュイな感じしませんか?
今日はそれが何故なのかということなどについて書いていきたいと思います。
↑は『東方三博士の礼拝』に書き込まれたボッティチェッリ自画像
ボッティチェッリ(1445年-1510年)はイタリアのフィレンツェ生まれの画家です。ルネサンス期のもっとも成功した画家の一人です。
それもその時代フィレンツェはメディチ家が牽引していました。ボッティチェッリはメディチに可愛がられていた画家であったからです。
メディチ家は古典復興の一貫として古典の文学者と哲学者の文献を読みながら議論するサロンがありました。そのサロンの中でボッティチェッリが「春」や「ヴィーナスの誕生」といった作品を発表しています。
↑は「ザクロの聖母」(1487年、ウフィツィ美術館所蔵)です。
アンニュイな表情のマリアを中心に人物が配置されています。
柘榴はギリシャ神話で冥界の食べ物とされました。それによってキリストの死と復活を暗示する食べ物とされました。
↑は「マニフィカトの聖母」(1483-85年、ウフィツィ美術館所蔵)です。
聖母マリアが天使から冠を授けられる場面を描いています。皆アンニュイな表情です。
イエスは受難のシンボル=柘榴を持っています。開いた書物にはマニフィカトで始まるラテン語の讃美歌がかかれてます。
↑は「聖母子と八天使」
聖母を取り巻く天使たちは皆ウェーヴのかかった髪型をしています。ひとりひとりの顔つきが異なり、何人かのもデルがいたことを推測できます。
天使の服装は皆当時の富裕商人層の子弟がまとうような優雅な服装をしています。
ルネンサンスで復活した古代の知識のひとつに「四気質」があります。
それは誕生時の星母子の位置が体内を流れる四種類の体液の多寡を決定し、それによってその人の気質や運命がつくりだされるというものです。
このうち黒胆汁が過剰な黒胆汁質を「メランコリア(憂鬱質)」と呼び、内向的な気質になります。
あらゆる芸術的センスはこの憂鬱質の産物とされていました。そのため芸術家たちは黒胆汁質と呼応する土星の子だとみなしていました。
ボッティチェッリも同じで、そのためボッティチェッリの描く人間は皆アンニュイな表情をしているのです。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。