カトリックの美術戦略
今日も生きています。
西洋美術史入門を読んでいるので西洋の絵ばかり採り上げてますが、キリスト教の絵がほとんどですね。
ですがキリスト教は聖書で偶像崇拝を禁止しているのでは…?と疑問になりますよね。
以前何かにも書きましたが、識字率が低い時代は聖書を読めと言っても無理な話でしたので、絵や像は必要なものでした。
そしてプロテスタントができたことによってカトリック側は美術作品によって布教を進めようとします。
パウルス三世がイタリアのトレントで会議をし、宗教美術自体は崇敬の対象ではないため偶像ではないとされました。そして表現には、誰でも一目見れば理解できる「わかりやすさ」と「高尚さ」を求めるよう決められたそうです。
またカトリックはプロテスタントが否定する「聖人の称揚・聖母マリアへの崇敬」などを推し進める方針をとりました。企業の経営戦略のようですね。
なのでマリア様と聖人の像や絵が増えていきました。この決定が無かったら生まれなかった傑作がたくさんありますね。
下は無原罪の御宿りという題名ですが、マリア自身が神の意志によって生まれたという考え方です。聖書にはそのようなことは書かれていなかったのですが1661年にこの考えは異端ではないという決定を教会が下します。
キリスト教の作品はカトリックの思惑によって制作されていたんですね。
今だったらテレビやラジオ、SNSをフル活用というような感じでしょうか。
今カトリックの信者の方が多いらしいので、カトリックの戦略はだいぶ効いてるんですね。学ばせられます。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
〇展示のおしらせ〇