リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

私の両親は花



 

f:id:akashiaya:20180304042254j:plain





 

私が家族として最初に思い浮かぶのは母です。私の母は花道を習っていたようで、家の玄関や仏間、キッチンにはいつも季節の花が美しく生けられていました。

母はその時代の女性としては背が高く
(結婚する前はそれが悩みだったそうです。)私は母のすらっとした立ち姿に茎の長い花のイメージを重ねます。
色が白いので花の種類としては百合かなあと思いましたが、なんとなく百合は花の大きさと美しさの主張が激しいように感じます。

常に周りに気を配り、父を立て、家族を支えてくれる母は奥ゆかしい性格です。気が小さいのかなーと思うこともありました。そんな母は百合よりも長く伸びた茎に小さな花をうつ向いて咲かせる鈴蘭の方がしっくりきます。


母が鈴蘭としたら父は…と考えます。
私の父はすらっとした母に比べて背が低くずんぐりした体型です。家ではあまり口を開かず、居間にずでーんと座り、母が運ぶ料理を食べながら芋焼酎を飲んでいる姿が脳裏にすぐ浮かびます。
しかし家族のためにずーっと働いて支えてくれました。仕事の愚痴等は聞いたことがありません。怒られたこともありません。父が私にする助言はいつも正しいことでした。

私は花の種類に詳しくありませんが、父は薔薇のイメージを持ちます。下の方に咲いていて落ち着いた赤色のぼってりとした重そうな薔薇。なんとなく図々しく、そして頼りになる存在です。


そして鈴蘭と薔薇のハイブリットである私はどんな花かなあと考えましたが、不思議なもので自分となると全く見当がつきません。

というよりもまだ咲いていないとすら思います。25歳にもなって自分をつぼみはないだろうとも思いますが。もしいつか私が子供を産んだらわかるのかもしれません。


おばあちゃんは胡蝶蘭でおじさんはサボテンでおじいちゃんは…と、家系図を眺めながら変なことをいろいろ考えていると、いつもの生活の中ではすっかり忘れていますが、自分の身体の中に脈々と血が受け継がれている当たり前のことを不思議に思います。


だからそういう絵を描こう。

という話でした。

 

 

akashiaya.jimdo.com