リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

オスカー・ロイテルスバルド

今日も生きてます。

 

ほぼ毎日ブログがほぼ毎日?ブログになりつつありますが、気長ににお付き合いくださいませ。

 

 

☆展示告知☆

秋田のギャラリー杉(さん)にてチャリテイー展に参加します。
 
「チャリテイー展」
売り上げの一部が災害遺児愛護活動に寄付されます。
会場 ギャラリー杉(さん)
会期 11/23-12/5
 
 
地元での開催ですが私も何日か在廊を予定しております!

 

 

さて、今日も…いや、久しぶりに作家を紹介したいと思います。

(「視覚芸術の巨匠たちー世界のだまし絵作家20人の傑作集ー」創元社アルセッケル著より)

 

オスカー・ロイテルスバルド(1915-2001)

 

f:id:akashiaya:20171012161351j:plain

f:id:akashiaya:20171012161358j:plain

 

写真からなんかカリスマ感はただよってますね。

オスカー・ロイテルスバルドは1915年ストックホルムで生まれました。芸術好きの家族から大きな励ましを受けて育ったそうです。

 

f:id:akashiaya:20171011055142j:plain

f:id:akashiaya:20171011055151j:plain

f:id:akashiaya:20171011055135j:plain

f:id:akashiaya:20171011055129j:plain

f:id:akashiaya:20171011055121j:plain

現実的には不可能な図形を描き続けていたオスカー・ロイテルスバルドですが、きっかけは授業中にラテン語の文法ノートに落書きだったそうです。

 

立方体を円形につないで六つの角のある星形を生み出そうと試みていたときに、立方体が奇妙で不可能な構造をつくることに発見しました。

 

その後様々な不可能なデザインの実験をし始めました。

エッシャーの存在や、ペンローズの論文が不可能な図形の研究を続けることに対して信頼性を与えてくれました。

 

 

1963年にストックホルムの有名な画廊で最初の個展を開きました。

 

しかし美術批評家たちは無関心と軽蔑を持って反応しました。ロイテルスバルドショック!

さらに抽象画家であった妻からもなんの励ましもありませんでした。妻は夫のロイテルスバルドの素描が嫌いで、ばかげたことに時間を費やしていると考えていたそうです。私だったら耐えられません。涙

 

f:id:akashiaya:20171011055104j:plain

f:id:akashiaya:20171011055054j:plain

f:id:akashiaya:20171011055059j:plain

f:id:akashiaya:20171011055102j:plain

f:id:akashiaya:20171011055051j:plain

ロイテルスバルドはエッシャーに大きな称賛を表明した手紙を二通書きましたが、返事はありませんでした。

しかしマルセルデュシャンと会ったとき、デュシャンは不可能な図形を描き、ロイテルスバルド自身に作品を発表するように励ましました。

 

↑このことを知ったとき私はデュシャンのこと好きになりました。

 

そしてロイテルスバルドが自分の作品が認められそうにない事実を受け入れるようになりました。ルンドの王立大学でずっと権威のある美術史の教授職を受け入れ、17年以上そこで教えました。

f:id:akashiaya:20171011055047j:plain

f:id:akashiaya:20171011055044j:plain

f:id:akashiaya:20171011055042j:plain

f:id:akashiaya:20171011055037j:plain

f:id:akashiaya:20171011055036j:plain

f:id:akashiaya:20171011055031j:plain

f:id:akashiaya:20171011055023j:plain

そんなロイテルスバルドの作品が後続者たちを魅了し始めたのは1960年代後半になってからでした。

 

彼の作品が収録された本が出版されると、展覧会が八か国で企画されました。(おめでとう!)

 

1980年スウェーデン政府は彼の功績を讃えてロイテルスバルドのの作品を切手にし、約二年間発行されました。

 

 

私の画家の一生のイメージがロイテルスバルドの人生です。サクセスストーリーは心が温まります。教授職受け入れたとき、挫折や屈辱を感じたんだろうなあ。

 

彼の作品は和紙かスウェーデンのリンネ紙に墨で描くことを好みました。写真の中に日本画のような印が押されていますが、どこかで日本画山水画から影響をうけたのかもしれませんね。

 

 

今日はここまで。

最後まで読んで頂きありがとうございました

akashiaya.jimdo.com

 

 

盆栽美術館

今日も生きてます。

 

だいぶ前に浦和付近に盆栽美術館なるものがあると書きました。

(エンブレムブックと掲載情報 - リアル絵描き日記)

 

 

行きました。

 

 

想像以上に面白かったです。よかったら知って頂きたいと思い今日はレポートです。

 

 

盆栽美術館は埼玉の土呂駅から歩いて5分です。駅はローカル感満載のかわいいつくりでしたが美術館に向かう途中からすでに盆栽感が出てました。

f:id:akashiaya:20171007232259j:plain

なぜか道路の歩道のアスファルトに盆栽のタイルが埋め込まれてました。盆栽感でてる。

f:id:akashiaya:20171007232252j:plain

f:id:akashiaya:20171007232505j:plain

しかもおんなじのばかりではなくバリエーションがあり、サービス精神を感じました。

f:id:akashiaya:20171007232459j:plain

 

盆栽村です。わくわくさんですね。

f:id:akashiaya:20171007232453j:plain

美術館外観はこのような感じでした。美術館って前衛的なデザインでコンクリートなイメージ(決して特定の建築家を想定しているわけではありませんよ)ですが、日本風の建物落ち着きますよね。

 

中は広くてきれいでした。撮影できないので簡単に説明すると、盆栽の見方や歴史が丁寧にまとめられていて、初心者や外国人でも楽しめるようになっていました。盆栽の見所ポイントやどのように家の中で飾るかなども説明がありました。中には実際に畳の部屋に盆栽が飾られている展示があり、盆栽の楽しみ方を見て学べます。

 

個人的な感想としてはイメージしていた盆栽よりどれも立派で大きかったです。畳の部屋に盆栽が飾られている展示をみましたが盆栽の存在感が大きすぎて、この部屋でリラックスはできないなと思いました。(なんかラスボスっぽかった)

 

盆栽美術館の中庭に様々な種類の盆栽が置かれていて、撮影可のスペースもあったので推し盆栽を紹介。

f:id:akashiaya:20171007232444j:plain

f:id:akashiaya:20171007232424j:plain

ジン、シャリ

歳月を経た松や真柏では、幹や枝の一部が枯れて、そのままの形を残すことがあります。こうした幹は白い肌を見せることで、緑色の葉と美しいコントラストを生み出します。枝先のものを「ジン(神)」、幹の一部が枯れたものを「シャリ(舎利)」と呼びます。

 

 (さいたま市大宮盆栽美術館websiteよりさいたま市大宮盆栽美術館)

 

f:id:akashiaya:20171007232430j:plain

少し逆光気味ですが。

 

こういうジン、シャリも見所ポイントの一つです。質感が全く枯れてるところは違います。これが共存しているのが不思議でした。

f:id:akashiaya:20171007232418j:plain

f:id:akashiaya:20171007232358j:plain

盆栽のは銘がついているものあり、これは轟ですが、「鶴の舞」や「白糸の滝」や「早春の譜」、「青嵐」、「青龍」など…かっこいいものばかりでした。獅子の舞もあったかな。銘を見た後に盆栽のかたちをみるとんーなるほどと思います。(感覚の世界です。)

f:id:akashiaya:20171007232418j:plain

f:id:akashiaya:20171007232406j:plain

そしてこの子はこんな空洞空いているのによく大きく育ったなー

f:id:akashiaya:20171007232307j:plain

敷地内に建物があり、企画展が開催してました。歌舞伎と植木屋の関係資料が展示されていました。浮世絵が主でしたが、盆栽が売り買いされている風景や歌舞伎役者を盆栽に見立てて描かれたものなど、今までとは違った視点で絵をみられて楽しかったです。なかなか盆栽や植木に注目して絵をみたりすることありませんよね。

 

 

うまく良さを文章にできないのが歯がゆいですが盆栽知識ゼロでも十分楽しめる美術館でした。あと外人さん多かった。

 

盆栽美術館のお土産にもありましたが、一瞬何売っているのかな?って思っちゃうのぼり。

f:id:akashiaya:20171007232351j:plain

 

数秒後にあ、サイダーか。と気づきました。盆栽だ―!

 

 

 

今日はここまで。日付変わっちゃった。

最後まで読んで頂きありがとうございました

akashiaya.jimdo.com

ディック・タームズ

今日も生きてます。

 

来月秋田のギャラリー杉(さん)にてチャリテイー展に参加します。

 

「チャリテイー展」

売り上げの一部が災害遺児愛護活動に寄付されます。

会場 ギャラリー杉(さん)

会期 11/23-12/5

 

 

地元での開催ですが私も何日か在廊を予定しております。地元の方はぜひいらしてください~何の作品を出品するかは考え中です。

 

 

さて、今日も「視覚芸術の巨匠たちー世界のだまし絵作家20人の傑作集ー」創元社アルセッケル著から気になる作家さんを紹介したいと思います。

 

お付き合いよろしくお願いいたします。

 

f:id:akashiaya:20171006060933j:plain

ディック・タームズ DICK TERMES

今日はディック・タームズさんという作家さんです。1941年にカリフォルニア州サンディエゴ生まれです。父親は戦時協力で造船所で働いていたそうです。タームズさんはブラックヒルズ州立大学で美術の学士号を受け、ワイオミング大学から博士号、ロサンゼルスのオーティスアートセンターからデザインの修士号を受けました。優秀な方なんですね。

 

遠近法の研究を進めていく中で球体絵画のアイディアが浮かんだそうです。

f:id:akashiaya:20171006061000j:plain

f:id:akashiaya:20171006060954j:plain

f:id:akashiaya:20171006060950j:plain

f:id:akashiaya:20171006060950j:plain

f:id:akashiaya:20171006060943j:plain

f:id:akashiaya:20171006060943j:plain

f:id:akashiaya:20171006060928j:plain

f:id:akashiaya:20171006060922j:plain

f:id:akashiaya:20171006060917j:plain

f:id:akashiaya:20171006060912j:plain

 

画集だとわかりませんが、実際展示されている風景は天井につるされモーターで回転しているそうです。どこの面から見ても整合性が取れているということですね。すごい。

 

「建築、なかでも大建築の内部は、美術史では無視されてきたように思います。私はこれらの内部が素晴らしく、私の六点遠近法の大きな主題になることを発見しました。ただ、これらのリアルで完全な建築内部で球体の表面を包み込むことは私の行う最も難しいことの一つです。失敗の余地はありません。もしある面で間違いが見つかると、それは裏側に回ったときに整合性がとれなくなるでしょう。」

 

↑は作家さんのお言葉です。

 

前に遠近法について触れましたが、二点飛び越えて六点遠近法を使って描かれているんですね。どういうものなのか想像がつきません。

 

エッシャーの球体を持つ自分を描いた作品を球体に描いている作品が私は好きです。面白い。自分が内側にいるのか外側にいるのかずっとみていたらわからなくなってしまいそうな作品です。

 

 

 

 

今日はここまで。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました

akashiaya.jimdo.com

 

 

 

ジョン・ピュー

今日も生きてます。

 

朝晩が冷え込みます。風邪をひかないように!

 

 

さて、今日も「視覚芸術の巨匠たちー世界のだまし絵作家20人の傑作集ー」創元社アルセッケル著から気になる作家さんを紹介したいと思います。

 

お付き合いよろしくお願いいたします。

 

f:id:akashiaya:20171005060017j:plain

ジョン・ピューさん

1957年イリノイ州で生まれ、のちにカリフォルニア州に移りました。両親は美術愛好家で創造的関心と才能を励ましました。そしてカリフォルニア州立大学の一学期に大工として働くため休暇をとった後に美術への情熱がよみがえり、美術の研究を再開しました。

 

小さな壁画のいくつかの成功からテイラーホールの仕事の依頼が舞い込み、この壁画が国際的に認知されました。1978年以降、ピューは200以上の壁画を完成しています。

 

f:id:akashiaya:20171005055955j:plain

f:id:akashiaya:20171005055953j:plain

f:id:akashiaya:20171005055909j:plain

f:id:akashiaya:20171005055905j:plain

f:id:akashiaya:20171005055901j:plain

f:id:akashiaya:20171005055855j:plain

f:id:akashiaya:20171005055850j:plain

f:id:akashiaya:20171005055844j:plain

 

f:id:akashiaya:20171005055805j:plain

f:id:akashiaya:20171005055759j:plain

 

 

私の想像するトリックアートそのものです。パブリックアートは変な彫刻(ごめんなさい)が街中にボンと置かれているよりも、こういう壁画の方が楽しいしいいなあと思います。多分私この壁みても絵だと気づかないかも。

f:id:akashiaya:20171005055754j:plain

f:id:akashiaya:20171005055720j:plain

f:id:akashiaya:20171005055839j:plain

f:id:akashiaya:20171005055715j:plain

 

描かれている内容に美術品が入っているのが面白いです。ジョンピューさんはコミュニティーと互いにまじりあいながら、多様な視点に基づいたコンセプトをまとめることが大切です。と言っています。技術もすばらしいですが、やっぱり公共の中に何を描くかが大事なところなのかなと思います。

 

高尾にトリックアート美術館があります。行ったことありますが、一緒に行ったおばあちゃんでも楽しめる美術館でした。楽しそうにしているおばあちゃんを見て年性別関係なくだまされて楽しいアートはいいよね。と心がほっこりしました。

 

 

 

今日はここまで。

最後まで読んで頂きありがとうございました

akashiaya.jimdo.com

イシュトバンオロス

今日も生きています。

 

朝夕が冷え込むようになりましたね。半袖もそろそろ卒業かなと思い、秋冬物の服を出しました。東北の寒さに比べると東京だと冬も秋物でいいんじゃないかなと思っていましたが最近は東京の冬も普通に寒いと思うようになりました。秋田に冬に帰ると寒いというより冷たいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今日も「視覚芸術の巨匠たちー世界のだまし絵作家20人の傑作集ー」創元社アルセッケル著から気になる作家さんを紹介したいと思います。

 

お付き合いよろしくお願いいたします。

 

  

f:id:akashiaya:20171004053126j:plain

「自己内省的な洒落:1979年の自作のポスター展用ポスターを架けるオロスの肖像」

 

イシュトバン・オロスは1951年ハンガリーのケチュケメートケメート生まれ。ブダペスト応用美術アカデミーではグラフィックデザイナーの教育を受け、パンノニア映画スタジオでアニメの技法を学ぶ。劇場の舞台デザインの仕事をし、ポスターも手掛けるようになる。

 

f:id:akashiaya:20171004054248j:plain

f:id:akashiaya:20171004054309j:plain

 

アナモルフォーシスのことをいつかのブログに書きましたが、イシュトバンオロスさんは緻密で計算されたアナモルフォーシスの作品をたくさん作られています。神業。

 

だまし絵の歴史 - リアル絵描き日記

だまし絵の用語 - リアル絵描き日記

福田繫雄のアナモルフォーシス - リアル絵描き日記

 

f:id:akashiaya:20171003061136j:plain

 

f:id:akashiaya:20171003061145j:plain

f:id:akashiaya:20171003061152j:plain

f:id:akashiaya:20171003061202j:plain

 

f:id:akashiaya:20171004053149j:plain

 

 

f:id:akashiaya:20171003061210j:plain

f:id:akashiaya:20171003061205j:plain

 

伝統的なアナモルフォーシスの作品は筒形の鏡を絵のどこかに置くと隠れていたイメージが鏡面に現れるというものです。

その鏡を三角にしたり宙に浮かしてみたり、発想が柔らかいなあと思っていました。発想がいいかたちで作品になっていてかっこいいです。鏡に映ったときにイメージが現れるように絵の構想を練っていくことって難しいですよね。正直何かカラクリがあるだまし絵ってどこかに違和感がありますが、この人の作品はそれがないのがすごいです。

 

f:id:akashiaya:20171004055913j:plain

f:id:akashiaya:20171004055920j:plain

f:id:akashiaya:20171004055925j:plain

 

キャンバスと筒形の鏡を組み合わせた作品も面白いです。だまし絵ってなんか古いイメージを持っていたのですが、そこを継承して発展させることもできたら見たことのない作品が生まれますね。

 

 

しかし個人的には三角の鏡を使った作品がかっこいいです。

 

 

今日はここまで。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました

akashiaya.jimdo.com

北岡明佳さんの作品

今日も生きてます。

 

先日友人の個展に行ったときにポストカードとシールを買いました。シールはどこに貼ろうか考え中です。かわいくないですか?

f:id:akashiaya:20171002135431j:plain

f:id:akashiaya:20171002135438j:plain

 

友達から自作のものを頂いたり、美術館で購入しているとすごい量になります。かといって送るあてもありません(笑)ひたすら貯蔵しております。

 

 

さて、今日も「視覚芸術の巨匠たちー世界のだまし絵作家20人の傑作集ー」創元社アルセッケル著から気になる作家さんを紹介したいと思います。

 

北岡明佳さん(1961-)

高知県生まれ、視覚科学者で立命館大学の教授です。錯視を利用してたくさんの面白い作品を生み出されています。

 

北岡さんのHPみるのがいちばんいいかなと思います。今日は3作品紹介させて頂きます。

f:id:akashiaya:20171002140500j:plain

サクラソウの畑」

 

f:id:akashiaya:20171002140504j:plain

 「ふくらみの錯視」

 

 

f:id:akashiaya:20171002140509g:plain

「蛇の回転」

 

 

メディアの露出があるので見たことある人多いかもしれません。北岡さんのHPには科学的なディスカッションをすることを条件に3つまでなら掲載してもいいです。とかかれていたので画像は北岡さんのHPから拝借しました。

 

ちなみにたまにSNSでこの画像が動いて見える人はストレス度が高いというような記事が出回っていたりしますが、北岡さんの作品が根拠もなくつかわれていたことがあるそうです。北岡さんのHP内ではそういったことも含めて錯視に関して丁寧に説明されていて面白いです。

 

この作品小さな画像で見ると意外に錯視が効かないと思います。眼の構造的に対象が大きくなると錯視が起こりやすくなるのでしょうか。謎です。

 

f:id:akashiaya:20171002140509g:plain

f:id:akashiaya:20171002140500j:plain

f:id:akashiaya:20171002140504j:plain

今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

akashiaya.jimdo.com