雅!蘭亭曲水図
今日も生きてます。
庭園のなかに色鮮やかな着物を着た人々が転々と座っています。
これは何をしている様子かというと、「曲水の宴」と呼ばれるものです。
曲水とは曲がりくねって流れる小川のこと。
宴はパーティーですね。
その宴の内容とは、
庭の小川の淵に参加者たちが座り、上流から流されてくる酒杯が、自分の前を通過しないうちに詩歌を作って杯を取って飲み、次の人へと順に流していくというもの。
後に別堂で催される宴にて各人の作品を読みあげます。
どうですか?
写真の様子と宴の内容を聞いただけで、超雅な感じがしますでしょ。
実際に3月頃になると国内の神社や庭園で行われています。
この曲水の宴はもともとは古代中国で行われていた禊の儀式でした。
書画界の有名人で、書聖と呼ばれる・王羲之(おうぎし)の傑作「蘭亭序」は、この曲水の宴のことを書いたものです。
王羲之↑
『蘭亭序』(神龍半印本、部分)
この宴は日本にも奈良時代には伝わり、平安時代には貴族の年中行事となります。
そして絵の画題「蘭亭曲水」として、描かれるようになります。
人物がコロンとしたシルエットのせいか、川の回りに人形を置いているような気分になります。
私だけかな。
御常御殿の襖絵に描かれた曲水の宴(京都御所)
先輩画家の蘭亭曲水の絵を手本に、後の画家が蘭亭曲水を描く…
ということが繰り返されるうちに庭の小川ではなく、本物の小川になったりと、もとの逸話の風景からは離れていきました。
↑は与謝蕪村の「蘭亭曲水図屏風」
庭園というより大自然のなかに人々が座っています。
かかれた文章は王羲之の「蘭亭序」です。
お酒も詩も嗜まない(無教養涙)私からすると雲の上の宴です。
お酒の代わりいろはすでいいから参加してみたい。
きょうはここまで。
最後まで読んでいただきますが。
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