リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

桃源郷

今日も生きてます。

 

風が強いです。

 

 

 

さて、今日も「漫画でわかる日本絵画のテーマ」(監修矢嶋新)を読んでます。

 


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↑の図は富岡鉄斎の、「武陵桃源・蓬莱仙境図屏風」です。

 

絵の内容は風景で、田園が広がっていて癒し系(?)な絵ですね。

 

上の作品は武陵桃源(ぶりょうとうげん)

 

下の作品は蓬莱山(ほうらいさん)

 

が描かれています。

 

蓬莱山は中国で仙人たちが住んでいたとされる秘境です。

 

武陵桃源は、古代中国の詩人・陶淵明(とうえんめい)の作品「桃花源記」の中に出てくる異境です。

 


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陶淵明

 

「桃花源記」のあらすじは、中国の武陵に住む漁師が舟にのり、川で迷うところからはじまります。

 

漁師はいつの間にか桃の木だけの林にたどり着き、水源に山を見つけ舟を降ります。

 

山に人が通れるほどの穴があり、そこを入っていくと美しい村にでました。

 

整備された田畑があり、そこで住んでいる人に聞くと、秦の時代に戦乱を避けて逃げてきて、それ以来ここを出ていないと言います。

 

丁重なもてなしを受けて漁師は村を出ますが、その後探してもその村へいくことはできませんでした。

 

 

 

日本語の「桃源郷」の由来にもなっています。

 

戦乱から解放されて、自由な人々の暮らしが桃源郷だったのですね。

 

私が持っていた桃源郷という言葉のイメージとは少し違うようです。

(ピンク色の綿菓子の雲、とカラフルなお菓子の家々の間をパステルブルーの光るユニコーンが闊歩しているイメージ)

 

 

中国では文人画の画題として、日本では南画の画題として描かれました。

 


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明の仇英の桃源仙境図

 

 


シャングリ・ラとかユートピアとか桃源郷とか、異境を示す言葉ってたくさんありますが、それぞれどんなものかは違うんですよね。

 

しかし、なぜかそのすべてに心踊る自分がいます。

 

逃げたいのかな…

 

 

 

きょうはここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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