あやしい謎の叙情画家
今日も生きてます。
今日はこの本を斜め読みしてました。
西洋絵画(キリスト教)の説明の本はたくさんありますが、仏教&神道の絵画のことを分かりやすく説明してくれている本ってあまり見ない…
ゆるい絵ですが情報量多いです。
さて、今日も「あやしい美人画」(東京美術 松嶋雅人著)を読んでいます。
今日の作品↓
小林かいちの「絵葉書 灰色のカーテン」です。
小林かいち(1896-1968)は京都生まれの木版絵師、図案家です。
初めは着物の図案家として活動していましたが、後に版元兼土産屋「さくら丼屋」で、西洋的なモチーフを、アール・デコ風にした絵葉書や絵封筒をデザインして人気になりました。
↑の絵は現代的版画抒情絵葉書シリーズのうちの一枚です。
ピンク色のカーテンの前に十字架を持った女性が描かれています。
個人的に抒情画は好きで調べていた時期があり、小林かいちのこの絵も知っていましたが、本当にロマンチックで素敵で上品な作品ですよね。
カーテンの柄が目にパッと入ってきたあとに女性が十字架を持っていることや布を体に巻き付けていることがわかります。
画面したの方にこの印象的なピンクが布であることをわかるようにカーテンのひだが表現されていますね。
この女性はなぜ十字架を持っているのか…悲しんでうつむいているのか、陶酔しているのか…わからないけれど、装飾的な絵の中の空間がすごくイイです。
こばやしかいちは近年まで謎の叙情版画家と称されていたそうです。
2007年、保科美術館で国内初の小林かいち常設展示室が開始されました。
その2か月後12月10日、小林かいちの次男が名乗り出て、本名や性別、生没年などは解明されたそうです!
次男は「父と一緒に遊んだ記憶はほとんどないが、夜中に、机に向かって御所車などの模様を描いていたのを覚えている。あの父が謎の画家のかいちだったとは本当に驚きました」と話しをしています。
仕事一筋の人だったんですね。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。