リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

色立体

今日も生きてます。

今日は出品作品などを確認していました。新作も出品しますが、過去の作品も少し出そうかと考え中です。見に来てくれた方々が少しでも楽しめる展覧会にしたいです。

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個展詳細はこちらでどうぞ

明石 恵 Aya Akashi website - 明石 恵 Aya Akashi website




今日は昨日に引き続き色のはなしです。お付き合いよろしくお願い致します。

以前ブログでRGBの話をしました。すべての色は三原色で表現されているというようなことを書きました。

これを発見した人は誰でしょうか?誰なのかというと、色と深く関わる芸術家ではなく、数学者が見つけたそうです。

科学者のグラースマンが全ての色は三原色で表現できる法則を発見しました。私は数学苦手ですが、色は全て数字で表現出来るそうです。

というか数学は世界の全てを数式で表すのでそう考えると当たり前かもしれません。
数学って奥深いですよね。社会では発見された法則の恩恵を様々な場面で受けますが、もととなる数式を理解してる人は少ないんだろうなと思います。私は理解してません。


脱線してしまいました。戻ります。

 

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画像はマンセル色立体というものです。なんじゃこりゃというような感じですね。

数学者や物理学者らが理論的な意見から色の集合体は立体で表すことが正しいと明らかにしました。

アメリカの画家で美術教師のアルバート・H・マンセルが1905年にそういった理論を元につくったのがマンセル色立体です。

このマンセル色立体は 色の三属性「色相」「明度」「彩度」を示しています。


色を正確に伝えるために規則的な色の表記方法が必要になります。この色の表示体系をカラー・オーダー・システム(表色系)といいます。マンセル表色系、オストワルト表色系、PCCS(日本色研配色体系)などが有名です。

パレットに絵の具で色を出すときは横一列です。
私のパレット。(まな板)

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なので色は階段みたいに並んでいくイメージがありますが実際には立体的な広がりがあるんですね。

高校生のデザインの授業のときに実物の色立体を先生に見せてもらいましたが今でもあれが何に役立っているか全くわかりません。(誰か教えてください。)なので今日の内容は無意味かも。笑

何だか長くなってしまいましたね。とりあえず、色って本気を出すと立体になるんだなと言うことをわかっていただければ幸いです。

明日に続きます!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

色の魔術師

今日も生きてます。

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今日はプリンセスシリーズにニスを塗ってました。

画像はニス塗り中のつるつるの絵。

 

そろそろ塗らないと展示に間に合わない笑
本当はもっと手をいれたい気持ちを押さえつつ断腸の思いでこの作品はもう終わり!としていることが多いです。たぶん完成と自分が思うまで描いたら描きすぎになっているんだろうと思います。展覧会の度にもっと余裕を持って進めたかったと後悔しております。まだ展示まで少し日数があるので最後まで全力で走りたいと思います。

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さて、今日は色の話です。お付き合いよろしくお願い致します。

 

絵にはたくさんの色が使われていますが、それを見る目は優先順位をつけてものを見ています。必要だと選択されれば見え、必要とされなければ例え目の前にあっても永久に見えません。

それを踏まえて人間は色を今までどのように使われてきたか見ていきましょう。

「色」は訴えるものとして使われてきました。例えば赤色は土の色であり血の色、一番目に訴える色です。その働きは戦士時代から始まり、現代もサインとして残り続けています。

色は感情世界と深く結び付きます。

まずは呪いや祝いや進行に役立つものとして使われました。次に違いの目印として使われました。そして区別をしたり差をつける意図で神仏の象徴で位階の制度に使われるようになりました。現代社会では分類整理の目印に使われコミュニケーションの重要な手段になっています。
そして現在は社会生活を豊かにするものとして使われています。

色の効用というものを人類は認識していたんですね、

 

それを利用した色彩療法というものがあるそうです。
色は心の働きをかげから支えていて、色によって心や体の治療ができると考える人たちがいるそうです。この療法では描く色に役目を見出だしているそうです。

●マゼンタ
古い感情からの解放、成長する変化と自由を目指す色。

●赤
活力を与え元気づける色
解放された広い心のいろ

●黄
神経的な不安定こだわり、過剰反応を和らげるいろ

●緑
感情のバランスがなく、落ち着きを失ったときに使ういろ

●青緑
自己主張を強め、他人に影響される自分を改善するいろ

●青
忙しすぎて自分を失っているときに安心を与えるいろ。

 

参考にした絵画の教科書には注意書きに「これは原則的内容で頼り過ぎてはいけません」とありました。

 

本当に治療として色彩に効果があるかわかりませんが、青で食欲減退したり、赤い絵がオークションで高値がつくということを聞いたりするので、色彩には私たちの心に確実に働きかける力はあるのだと思います。生活に少し取り入れるのもいいですね。絵を描く身としては色の力を考えながら色を選びたいです。色の魔術師になろう。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

絵画のみかたと黄袋の理由

今日も生きてます。

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母が黄袋を送ってくれました。ありがとうございます。百貨店などで販売されている絵は額縁に入っていて黄袋(黄色の布の袋)と差し箱に入っています。私の作品の黄袋は母が毎回縫ってくれています。ありがとうございます。合掌。

 

しかも内側にはその展覧会のイメージをした布が貼られています。今回はこのような感じです。かわいいです。

 

よく聞く話ですが、黄袋がなぜ黄色なのかというと、昔はその染料にウコンが使われてたためです。黄袋の役割は防虫でした。Wikipediaにはほかにも色褪せ具合から保存状態を知るための目安にもなるということが書かれていました。今は黄色という形式だけが残っています。

 

百貨店で絵画を販売するまで知りませんでしたが、色々な決まりがあるんですね。西洋では黄袋使われているんでしょうか…気になる。

 

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さて、今日は絵はどうやって見ればいいの?について絵画の教科書の中で書かれたページがあったのでそこから抜粋したいと思います。

 

お付き合いよろしくお願いいたします。

 

私は自分で絵を描きますが、たくさんの作品を鑑賞してきたわけではないので、絵のみかたはまだまだだなあと思っています。もちろん鑑賞するのは大好きです。

 

絵のみかたには5段階あると絵画の教科書には書かれています。

 

第一段階

好きなように見る。勝手にいろいろな思い入れを込めてみる。

 

第二段階

質や美しさを比較してみる

 

第三段階

対象が「本物」であるかみようとする。作者は誰か、表現されている内容をみようとします。

 

第四段階

他の作品と意図的に比較し、様式や形象をよく見ようとします。

地域様式、時代様式、工房様式、そして個人様式まで考えるようになります。

 

第五段階

古今東西の美術作品を視野に入れながら、その表現力の高さや作者の題材理解の深さを獲得し、差の作品の価値を認識します。

 

第五段階に行っても、全員が意見を同じくするわけではないそうです。

 

皆様はどんなふうに絵を鑑賞しておられますか?私は第五段階まで行ってないな。まずは古今東西の作品を実際に鑑賞する必要がありそうです。美術館に行こう。

 

 

今日はここまで。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

エンブレムブックと掲載情報

こんにちは
今日も生きてます。

秋田と埼玉のフリーペーパーの応募者プレゼントに8月の個展で出品される作品の絵はがきセットが紹介されています。地元に住んでる方々ぜひご応募していただけると嬉しいです。

埼玉『たまログ』

 

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秋田『マリマリ

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雑誌も読んでみたんですが地域情報が満載で面白いです。

たまログにさいたま市大宮盆栽美術館のイベント情報が載っていました。そんな美術館あるなんて知らなかったものですから、驚きました。盆栽って銘があるんですね。白糸の滝とかかっこいい名前ばかりです。HPを覗くと盆栽の見所やギャラリーがあり、今まで興味全くありませんでしたが少し行ってみたくなりました。

8月の30日まで浴衣や甚平で行くと閲覧料が無料で楽しめるそうです。

個展の帰りに寄ってみたい気持ちもありますが、16時半閉館だと難しいなあ…

個展詳細はこちら

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さて、私の今回の個展は童話や民話をテーマにしています。なので『絵画の教科書』p172ー173の絵画と文学というページで気になったエンブレムブックについてです。

お付き合いよろしくお願い致します。

 

前6、5世紀のシモニデスは詩と絵画の相関について有名な言葉を残しています。

 

『絵は黙せる詩、詩は語る絵』


何だかかっこいいですね。使いたくなります。去り際にぽつんと意味ありげに言ってみたいです。漫画とかなら絶対物語の展開に影響を与える台詞になりそうです。皆さんがそう思ったように(私だけでしょうか?)この言葉は18世紀まで様々な批評家たちに引用されたそうです。

16,17世紀にはエンブレム・ブック(寓意画集)というものがヨーロッパで登場します。詩と絵画を姉妹芸術と見なす考えを如実に表したもので16世紀から18世紀にかけて3000以上が出版されました。絵とテキストとの類似性を解き明かすようなパズルのような楽しさが盛り込まれていたそうです。


鳥取大学附属図書館のサイトでスキャンされたデータをみることができます。

エンブレム・大型コレクション | 鳥取大学附属図書館

 

文字は読めませんが、何かを揶揄しているんだろうなあと思える絵が描かれています。当時の人々はこれはあのことを表しているふふふと思いながらエンブレムブックを読んでいたんでしょうね。

 

主題は自然現象や歴史や神話政治的事件や道徳など。

Wikipediaから画像を拝借しました。↓

 

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ジョージ・ウィザー『Book of Emblems』(1635年、ロンドン)から -

知恵のエンブレム

 

顔が描かれた…地球儀に…本を持った人が立ってます。

知恵のエンブレムということは知恵を表している絵ですね。知識で地球を制覇したよということ表しているのかなあ。

 

絵画にはそれぞれのモチーフに意味を込めるメタファー(暗喩)というものがあるので、それをわかるともっと読解できるかもしれません。その勉強もしていきたいです。

 

 

今日はここまで。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

 

うちわ

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今日も生きてます。
もう7月も終わってしまいましたね。

1年で一番いい月・8月がはじまりました!嬉しいです。


毎年夏はあっという間に過ぎてしまうような感じがしますが、大事に生きていきたいです。

先日うちわが家に届きました。今度の8月の個展で25日に私自身が25歳になることから先着25名様の似顔絵をうちわに描いてプレゼントするというイベントがあります。そのための物です。

思ったより多いぞ焦
どうなるかなー不安ですが、楽しみでもあります。

個展詳細はこちらからどうぞ

akashiaya.jimdo.com

DMはこのような感じであります。

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今日は遠近法最後の会です。
お付き合いよろしくお願い致します。

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画像は「絵画の教科書」p74から。
アルブレヒト・デューラーの裸体を描く画家です。

これは対象の大きさや位置を固定し正確に対象を画面に写しだしている姿です。なんにも知らないと変な嗜好のなにかかな?と思ってしまいますが違います。

 

なんだか面白い図ですよね。

明治期に遠近法で描かれた箱をはじめてみた人がひどくひん曲がった箱だというエピソードがあるそうです。今私たちが線遠近法で描かれた風景を見てもさほど変とは思いません。遠近法による対象の見方は学習のよって獲得されたものと見なされるそうです。

 


線遠近法による表現は余分な情報を削りおとして成立しています。なので遠近法の技法を使った風景や街並みは客観的で見やすいのですが、絵画を作る身としての絵画空間は客観的でいいのかどうなのかは考えどころです。


昨日まで結構長く遠近法について触れてきました。絵画空間の考え方についてこれからの制作のヒントになりそうな内容でした。

お付き合いして読んでくれた方々本当にありがとうございました。

 

 

明日からも続きますのでよろしくお願いいたします。

東洋の遠近法

今日も生きてます。

 


この前の絵画教室のことを木蓮さんがブログに書いてくれました。
こちらからどうぞ

blogs.yahoo.co.jp


そして通りがかりの本編とは全く関係ない猫。こんにちは。

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今日は額縁の裏や箱にはる名札のデザインを考えていました。絵の題名とサインを描いた紙を額と箱に貼っています。その時々で作るのでその時で違うでサインです。統一した方がいいんでしょうか…?今回は童話をモチーフにしているから本のかたちにしようかなあ。絵以外で作るものは絵の世界観が広がるようにと思って作っています。


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さて、今まで見てきた表現は西洋においての奥行き表現、遠近法です。空間の捉え方が地域によって違うように奥行きの表現も東洋と西洋では違うようです。
今日は東洋の奥行き表現について見ていきたいと思います。

お付き合いよろしくお願い致します。


日本や中国では遠近を表す言葉に「三遠」というものがあるそうです。「三遠」とはなんぞやというと、北宋の時代の山水画家・「郭煕(かくき)」という人の考えを弟子がまとめた本「林泉高致集(りんせんこうちしゅう)」の中で書かれている考えです。

 

ダヴィンチも手稿を弟子が本にしていましたが、先生の考えを広めたいという思いがそうさせるんでしょうか。ま、これは置いておいて。


三遠が何を示すかというと、

「高遠は高く仰いで見ること、深淵は向こう側を見通すこと、平遠は水平に広がった方向を見ること」

参考にしている絵画の教科書では、上下左右前後の空間的な拡がりを描こうとする態度とも受け取れます。と書かれています。

 

でも正直…つまり何?となりますね。

構図法として

下から山の頂上を見上げる構図の高遠,

前の山から後ろの山を眺望する構図の平遠,

山の前方から背後をのぞきこむ構図の深遠

というものらしいです。

 

山水画は上下遠近法が使われています。眼の位置はかなり上に設定されています。そこから下の方には近景が俯瞰的に描かれ、上の方には山の遠景が描かれています。その上にはさらに仰ぎ見るように山頂や雲が描かれます。

 

三遠を提唱した郭煕の傑作に「早春図」という山水画があります。中国山水画の傑作の一つと言われています。

(「早春図」で調べるとでてきます。貼れずにすみません。)

それを見ると上の方に山頂らしきものがあり、下には近景があります。色が黒一色なのでちょびっとわかりづらいですが。

前回まで西洋の奥行表現を見てきましたが、比べるとだいぶ捉え方が違うことがわかります。東洋では幾何学的、数学的な奥行の表現は近代まで用いられなかったそうです。面白いですね。絵画の教科書には東洋人が視覚だけではなく、触覚や体性感覚などの知覚、記憶などを重視しているからではないかと書いてあります。

 

 

他の国々ではどんなふうに遠近を表現しているか気になりました。遠近をどう表現するかは奥行だけではなく、どういう風に世界を捉えているかと関係しているようです。わたしはどうなのか…もっと意識して今後の制作に取り組みます。

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。