リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

みんな美女におきかえよう!―浮世絵「見立て」の世界―

今日も生きてます。

 

さて、今日も昨日に引き続き「江戸の男装と女装」(渡邉晃著、太田記念美術館監修、青幻舎)を読んでます。

 

前回、前々回もこの本から取り上げました。

 

江戸で女装・男装の人物を描いた浮世絵というと、やはり歌舞伎の女形が多くあるようです。本中のほとんどが歌舞伎の作品という印象でした。

 

ですが歌舞伎の教養に欠ける私としては、歌舞伎役者の顔がクローズアップされた浮世絵は全て同じように見える…

 

ということで男装・女装とは少し違うかもしれませんが、今日は「見立て」の作品についてみていきたいと思います。

 

「見立て」とは、他のものに例えて表現すること

見立ての表現が浮世絵の中には多くあります。

 

 

その見立ての作品のほとんどが元の登場人物を美女にしたもの。

やっぱりみんな美女がいいんですね。

 

という事で今日は見立て作品を見ていきたいと思います。

 

 

〇費長房仙人

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洪自誠 - Xianfo Qizong, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=63147743による

 

 

向かって右の人物が費長房。

 

費長房は後漢で不老長寿を求めて修行した人物。

 

費長房はもともと市場の監視役人を務めていました。

そして監視中に、売薬店の店主が日が暮れ店先に吊した壺に跳び入る姿を目撃します。

なんてこったとその店主「壺公」を訪れると、壺の中に招かれます。

そしてそこに建つ荘厳な御殿で宴会を楽しみます。

 

聞くと壺公はもう人間界を去るということ。費長房は自分も仙道を学びたいと思い、壺公のもとで修業します。

 

修行内容は省きますが、とても人間が耐えられるものではなく、仙人になることを断念します。仙人の壺公から力のある護符を授かって人間界に帰郷します。

 

帰郷後は修行で得た力と、護符をフル活用して社会のために尽くします。

 

日本で費長房は鶴に乗って移動するイメージがあり、費長房の見立ては鶴に乗っている女性で表現されることが多々ありました。

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↑は鈴木春信「やつし費長房」

 

費長房が若い娘に置き換えられています。

元のイメージどこに行ったという感じですが、なかなか素敵ですね。

 

 

 

琴高仙人

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鬼瓦 琴高仙人図

古鉄 - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=25509355により引用

 

琴高仙人は周代 の仙人です。

琴が上手なのでその名前が付いたそうです。

ある日竜の子を捕らえてくるから待っててねんと弟子たちに言うと水の中に入り、戻ってきたときには鯉に乗っていました。

 

なので鯉に乗った姿で表現されます。

 

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西村重長「やつし琴高」

上の作品は琴高仙人が女性に置き換えられて表現されています。

仙人ってどんな姿か詳細が定かでない場合もあるので置き換えた方が表現しやすい場合もあったのかな

 

 

 

寒山拾得

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尾竹国観「寒山拾得図」(部分)

尾竹国観(1880-1945) - yuichi's file, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=12373768による

 

寒山拾得は唐の禅僧です。

天台山国清寺の豊干禅師の弟子でした。よく禅画の画題になり、多くの絵師が描いています。森鴎外の小説にも寒山拾得についての話があります。

 

そして二人とも奇行が多かったと言われています。

寒山は痩せこけて樺皮の冠をつけ、破れた服を着て大きな木の靴を引きづっていたそうです。拾得は寺の護伽藍神廟のお供えが鳥に荒らされるのを見て、食べ物さえ守れないお前に伽藍が守れるかと神像を殴り倒すという奇行をして僧たちをビビらせました。

絵としては二人が一緒に描かれることが多く、詩が得意だった寒山は巻紙を持ち、寺の掃除などをしていた拾得は箒などを持って描かれます。

 

二人とも乱れた髪に童顔で異形の異相で描かれることが多いです。絵師的にはおそらく寒山拾得の気持ち悪さをどう表現するかが腕の振るわせどころの画題です。

 

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鳥居清長「やつし寒山拾得

 

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↑は寒山拾得を若い男女に置き換えて表現した絵。

もはや普通の風景ですね。

 

 

 

他の作家の遊女バージョンも発見しました。

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 寒山拾得の異形の顔の作品を部屋に飾るのもいいですが、上の作品のように遊女でありつつ寒山拾得の見立ての絵だと、お洒落で上品で知的な感じがしなくもない。

 

 

 

 

 「見立て」は元の画題の作品も見飽きたぜという文化人が、こういうのもいいと楽しんでいたのかなと思います。

 

次回に続きます。

 

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この人何してるの?浮世絵の中の謎行動を解き明かそう!

今日も生きてます。

 

つぼマッサージをするぼつぼつした物体を手に入れました。

(正式名称は謎)

 

つねににぎにぎさせていただいています。大変気持ちがいいです。

 

とても気に入ったので今後名前を付けて大事に使用したいと思います。

 

さて、今日も昨日に引き続き「江戸の男装と女装」(渡邉晃著、太田記念美術館監修、青幻舎)を読んでます。

 

この本の中に掲載されている浮世絵の中に、「な、なにを描いたところなんだ…!?」と思うものがありましたので、それを今日は取り上げていこうと思います。

 

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上の作品は歌川国芳「祭礼行列」です。

 

なんの行列?

よく見てみると…

大津絵の画題の一つである「鬼の念仏」の仮装や

「大原女の黒木売り」の衣装を着た者、

※大原女の黒木売り…京の大原の女性が黒木を担いで京の町でよく商売をしていた。

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奥の女性は仮装かわわかりませんが、手前の富士を持つ女性は大津絵の画題の一つである「藤娘」の仮装だと思われる。

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そして謎が深まるのは珊瑚の仮装(?)をしている者

その前には伊達女の仮装をしている人がいますね。

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そしてさらに謎が深まるのはコマの仮装をしている人(?)

前が見えるのでしょうか…?

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この作品は歌川国芳天保15年の山王祭を取材して描かれたもののようです。山王祭(さんのうまつり)は東京の日枝神社のお祭りのことです。東京に住んでいますが知らなかった…。このお祭りの中で仮装して練り歩く行列があり、それが国芳によって描かれたという事ですね。

絵だけでもこれだけ楽しいので、おそらく本物の行列も愉快なものだったのでしょう。

 

 

 

 

 

 

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上の作品は歌川国貞&広重の「双筆五十三次 神奈川」です。

 

違和感ですね。

特に奥の赤い札を下げた槍を肩にかけた腰に帯刀している人物。

女性ものの髷を結っているのに口の周りに青髭が…しかも団子を頬張る様が何とも勇ましいです。

 

これはどういう様子なのかというと、まずこの作品は連作の一枚で、東海道の宿場と、そこから連想される人物が描かれています。後ろの風景が宿場の様子ですね。

 

この作品は神奈川を描いています。

神奈川宿に近い戸塚には、島田髷を結って女装した男性がお札をまくという「お札まき」という奇祭があります。今も行われています。

絵の中の男性はこのお祭り関係の人を描いているという事ですね。

 

今思うと青髭を表現した浮世絵ってこの作品以外見たことないかも…髭は美しいと思われてなかったんですね。

 

 

 

 

 

 

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上の作品も歌川国貞&広重の連作の一枚で「双筆五十三次 荒井」です。

 

、何を見せてるの?そしてなぜそんなよく見ようとしてるの?

謎が謎を呼ぶ作品です。

 

これは荒井で出女の取り締まりがあったということを描いています。

江戸に人質として置かれた大名の妻で、領国に逃げようとした者を「出女」と呼びました。

中には、男装して関所を突破しようとした者もいたらしく、関所では↑の作品のように「改め婆」が着物の前を開けさせ厳しく性別を確かめていたそうです。

 

 

 

 

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上の作品は石川豊信の「若衆三幅対」です。

 

艶っぽい三人の女性かなあと思いますが、これは題名に若衆とあるように、少年が女装したものです。帯刀もしてますね。

 

若衆という言葉は元服前の前髪を残した少年や、色を売る陰間のことを意味しました。作品の中に描かれているのはおそらく陰間ではないかと思われます。

陰間は客と外出先で会うときは、髷が崩れない様に手で編笠を支えていたそうです。ちなみに陰間のお客様は僧が多く、他に女性も通うことがありました。

陰間がいる陰間茶屋は芝居小屋のある街に多く集まり、歌舞伎役者がしていることもあったそうです。

ちなみに遊女と遊ぶか、それよりも高い金額が必要でした。

身体を使う職業はきついものだったと推測します。

 

 

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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江戸の男装文化「俄(にわか)」

今日も生きてます。

 

この本を読んでます。

 

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「江戸の男装と女装」渡邉晃著、太田記念美術館監修、青幻舎を読んでます。

 

 

女装・男装した人を描いた浮世絵を取り上げている本です。

 

浮世絵ってそもそも男性と女性を明確に描き分けようとして表現されてない気がします…。

 


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奥村政信「足袋の紐」

 

「男女の性差<美しさ」という感じで、皆美しいお顔立ちです。

18世紀半ばから後半にかけて、浮世絵では中性的な男性の表現が好まれたそうです。

 ちなみに↑の作品で男性は手前で足袋の紐を結んでいる人物です。立っているのは女性。

女性の足袋の紐を結んであげるなんて、紳士的な男の子ですね。

 

さて、今日は吉原で行われていたとされる俄(にわか)について取り上げたいと思います。

 

まず「俄(にわか」とは、江戸時代から明治時代にかけて流行した即興の芝居のことです。江戸・京・大阪から全国へ広がりました。

 

仁輪加、仁和歌、二和加などとも表記されるようです。

 

具体的に何をしていたのかというと、寸劇や歌舞伎や仮装など…場所により内容は様々でした。

 

 

特に吉原の俄では芸者が男装していました。

その様子が浮世絵に残っていますので、見ていきましょう。

 

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菊川英山「青楼仁和嘉全盛遊」

 

𠮷原で俄は八月に行われていました。

上の浮世絵の中では獅子舞をしている女芸者たちが描かれています。

 

それぞれ獅子と書かれた提灯や、俄と書かれた扇を持っています。題名の横に書かれているのは女芸者の名前です。それぞれにモデルがいたことがわかりますね。

 

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落合芳幾「新吉原角街稲本桜ヨリ仲之街仁和賀一覧之図」明治二年

 

上の作品は江戸ではなく明治の作品。

𠮷原の俄の様子が描かれています。

 

手前の左側には遊女たちが祭りの様子を楽しそうに眺めています。

 

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その目線の先には移動式の踊屋台の上で狂言や獅子舞があります。

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遊女や芸者の名前は必ず書く決まりなのか、名前も記されています。

 

 

 

 

 

 

 

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 喜多川秀麿「青楼仁和嘉 助六所縁の江戸桜」

上の作品で描かれているのは「助六所縁の江戸桜」を演じる女芸者二人です。絵の中に「だい」「ほん」という名前もかかれています。

 

 

 

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歌川豊清「新吉原仁和歌 女作浪花湊 つるや のふ」

市松模様が目を引くこの女性は刀と尺八を背にさしています。解説に「女伊達」の姿であるとあります。女伊達がわからなかったので調べてみると、強きを挫き、弱気を助ける渡世人(ばくち打ち)のことらしいです。女伊達、かっこよいです。

漫画のキャラクターとかにもいそうですね。

 

 

 

 

 

 

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↑は月岡芳年「風俗三十二相 にあいさう 弘化年間廓の芸者風俗」

闇夜に輝く月を背景につややかな芸者が描かれています。男装の麗人というような感じで艶やかで魅力的です。

これは月岡芳年が描いた美人画の32枚の連作のうちの一枚です。

題名の「にあうさう」は、男装が様になってるという事のようです。

個人的にも好きな一枚です。

 

 

 

 

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↑は歌川国芳「見立廿四孝 大舜」

一見すると状況がわかりにくい作品ですが、中国の伝承をもとにした劇を絵にしたものです。

 

親族に何度も殺されそうになったのに孝をつくした男が、奇跡を起こして象や鳥たちが畑仕事を手伝うようになった…というような内容だそうで、象が人物と描きこまれているのが個人的に新鮮です。

 

芝居の様子が描かれているため、象の足の下から演者の足がちらりと見えます。

 

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浮世絵の中で俄の文字を見つけたら、絵の中の人物が男装している可能性ありますね。

 

この俄の祭りは現在でも残っている場所があるようです。(※男装の文化ではない)

近年ハロウィンの仮装とかよく注目されますし、この男装のイベントあったら流行りそうですね。

 

そして個人的な意見ですが、美しい造形の顔ってあんまり性別関係ない気がします。

 

 

ということで次回も続きます。

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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この人何している人?浮世絵の中の人を読む。

今日も生きてます。

 

 

自宅から最寄り駅のすぐ近くにある立ち食いソバ。

いつも目にするせいか、どんなものなのか食べてみたくなってきます。

 

しかし、早く食べて早く立ち去らねばならない飲食店(ラーメン、牛丼など)は個人的に敷居が高く…店を眺め通り過ぎる日々です。

 

明日蕎麦ゆでようかな~。

 

 

さて、今日は「アート・ビギナーズ・コレクション もっと知りたい浮世絵」(田辺晶子著、東京美術)を読んでます。

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浮世絵は当時の江戸の風俗が描かれているものが多いです。なので現代の私たちがみても絵の中の登場人物が何をしているかわからないものもありますよね。

 

本中で気になった作品を取り上げて、その作品の中の登場人物が何をしているのか見ていきたいと思います。

 

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喜多川歌麿「江戸名物錦画耕作・絵師・版木師・礬水引」

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喜多川歌麿「江戸名物錦画耕作・摺工田植の図・新板くばり」

 ↑は比較的何をしているのかわかりやすい錦絵ですね。

まさしく浮世絵を制作している場面が描かれています。

 

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 浮世絵の下絵を考える版元や浮世絵師

 

 

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版木に彫刻刀で彫っている彫刻師。

一番手前の人は彫刻刀を研いでいます。

 

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礬水引きをしているのはこの三方。

紙に下塗りをするイメージで、和紙などに描く場合はにじみ止めなどお理由で礬水を引きます。

 

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こちらは木版から紙に摺りをしている様子です。

 

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たくさんの錦絵が売られているこちらは店頭ですね。

 

 

実際このような江戸美人が作業していたわけではなく、喜多川歌麿の演出です。

 

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西村重長「風流大和絵師」

同じ絵を売っている絵でもこちらは少し違いますね。

扱っている絵は版画ではなくて手書きのやまと絵。

 

お店でパフォーマンスのように絵師が即興で絵を描いています。

 

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掲げられている看板には「風流大和絵師御あつらえ御金次第」と記されています。

注文も値段によって受けていたことがわかります。

 

 

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鳥居清満「大名行列遊び」

江戸時代の浮世絵には武家の風俗を描いたものも多かったようです。

上の絵は何をしているところかというと、題名にもあるようにみんなが列をなして大名行列のまねごとをしているところです。

 

 

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鳥居清広「子供の芝居ごっこ

上の作品も子供を描いたもので、何の遊びをしているかというと芝居のまねごとです。

 

舞台を模していると思われるおもちゃ(?)は結構立派です。

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浮世絵は多くの人に指示される絵柄を考えて制作されています。

子供の絵が残されているという事は、江戸の人々が子供のことをかわいらしいと捉えていたことがわかります。

錦絵の中に登場する子供はみな楽しそうにのびのびとしていて、江戸の子供たちって楽しく遊んで暮らしていたのかなーと感じます。

 

 

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歌川国政「炬燵で猫と遊ぶ娘」

最近兎の動画ばかり視聴している私ですが、とにかくもふもふの動物は癒されます。

江戸時代の人々にとってもそれは同じようで、絵の中の女性はこたつの上の白い猫を見ながら遊んでいます。

なんか癒される一枚ですね。

 

江戸の人々も現代の私たちのように動物に対して赤ちゃん言葉になってしまったりしていたのでしょうか。

 

 

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喜多川歌麿「青楼絵本年中行事」より「初会之図」

広い座敷の隅で、何やら男たちがそわそわしています。

これはこれから花魁と初めて会う様子が描かれています。花魁は最初の一回は口もきかず、二回目は「裏を返す」と呼ばれ、三回目までお客は大金を払わされ、花魁に気に入られれば三々九度の盃をし、仮夫婦の契りを交わします。

 

個人的にはなぜこんな大金をはたいて面倒な遊びをするかはわかりません。芸能人と深い中になるためだったら大金払います。という感覚なのかな?(違う?)

 

ちなみに浮世絵は花魁が描かれているものもたくさんあります。これは吉原のお店が宣伝になると考え、錦絵制作一部を出しているという考え方もあるようです。

 

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喜多川歌麿「青楼仁和嘉女芸者部 大万度 荻江 おいよ 竹次」

こちらは一体何をしているのか?

登場人物は吉原の芸者です。

髪は少しほつれて、服をたくさん羽織っているようです。

 

吉原には俄(にわか)祭りというものがあり、芸者たちが趣向を凝らして道を練り歩いたそうです。

おいよさんと竹次さんさんの二人が男装をして踊ったこともありました。絵の中ではその二人が衣装合わせをして準備をしています。

 

衣装が豪華。

この細やかな線一本一本彫られたものというのがすごい

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浮世絵は江戸の日常の幸せが描かれているものもあり、みていると楽しいですね。

江戸の人々も同じような気持ちで浮世絵を楽しんでいたのでしょう。

 

ちなみに以前にもブログに書きましたが、浮世絵の価格は蕎麦一杯程度の値段であったそうです。

 

…あ、蕎麦。

 

悩ましい立ち食い蕎麦。

 

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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有卦絵で縁起を担ぎます。

今日も生きてます。

 

「有卦に入る(うけにいる)」

 

この言葉って一般的なのでしょうか?

個人的にはあまり使用しない言葉です。

 

ありそうもない幸運が続いたり、すべてがうまくいったりすることを意味します。


陰陽道の中で吉凶の判断の一つになっている「有卦」「無掛」が元になっています。

人は幸運が7年続き、これを「有卦」といいます。その後凶年が5年続き、これを「無卦」と呼ぶそうです。 

 

有卦に入った人が有卦絵(うけえ)を飾ったり、幸運に巡り合った人に有卦絵を送ったりする習慣が江戸時代末期に流行しました。

 

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廣重 筆「霜月二五日火性之人有卦ニ入」

はじめは絵ではなく福に通じる「ふ」のついたものを飾っていました。

やがて「富士山」「福助」「福寿草」「藤」「筆」「文」「二股大根」「ふくら雀」「船」「房」「鮒」などなど…が付くものを浮世絵の中に描き、それを飾るようになりました。

 

どんな組み合わせで「ふ」のつくもの描くかは浮世絵師のセンスにかかっています。

 

今日はそんな縁起のいい有卦絵を見ていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

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一鵬齋芳藤 画「木性の人 酉の年酉八の月上の酉の五日酉の剋有卦に入ル」

 

叶福助は有卦絵の中でもよく登場します。

 

福助って見たことあるけど由来は知らないと思って調べてみましたが、モデルは各地に諸説あるようです。

 

Wikipediaによくできた一説があったので引用します。

一説に、享和2年8月(1802年9月)に長寿で死去した摂津国西成郡安部里の佐太郎がモデルである。

 

もともと身長2尺足らずの大頭の身体障害者であったが、近所の笑いものになることを憂いて他行を志し、東海道を下る途中、小田原で香具師にさそわれ、生活の途を得て、鎌倉雪の下で見せ物に出たところ、評判が良く、江戸両国の見せ物にだされた。

 

江戸でも大評判で、不具助をもじった福助の名前を佐太郎に命じたところ、名前が福々しくて縁起がよいと見物は盛況であった。見物人のなかに旗本某の子がいて、両親に遊び相手に福助をとせがんで、旗本某は金30両で香具師から譲り受け、召し抱えた。

 

それから旗本の家は幸運つづきであるのでおおいに寵愛され、旗本の世話で女中の「りさ」と結婚し、永井町で深草焼をはじめ、自分の容姿に模した像をこしらえ売りにだし、その人形が福助の死後に流行したという。

 

福助人形 - Wikipedia

 

 

叶福助は文化時代頃から江戸時代に流行し始め、最初はお店の神棚にまつられました。そして一般の家庭でも飾られるようになったようです。

 

 

 

 

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廣重 筆「当ル卯ノ二月十日有卦入」

 

 

 

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「花ふゝきてふてふと舞うやきのふけふ : 火性之人有卦ニ入る」

 

おたふくも良く有卦絵に描かれました。

 

そういえばおたふくも具体的には何なのか知らなかったので調べてみたところ、おかめとお多福は同じなんですね。

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おかめの面

+-, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=65962996による

 

おかめの面の由来は、日本神話の日本最古の踊り子であるアメノウズメがモデルだそうです。

狂言では醜女、姫鬼、福女の役に使われる面です。

 

もともと美人の象徴として作られていたのかもしれませんが、時代とともに変わり、現代ではおかめ・お多福は女性にとっては侮蔑の意味の方が強いので使われないかなあ。

 

 

 

 

 

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芳年 祝筆 「来ル二月一日金性ノ人有卦入ル」

 

 

 

 

この福助とお多福は有卦絵の中には夫婦のように描かれているものもあります。

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楊斎延一 筆「土水性有卦ニ入ル : 五月四日午ノ時有卦ニ入」

 

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廣重 筆「土水性有卦入 : 五月四日午ノ刻」

 

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芳藤 画「八月七日午後六時木性ノ人有卦ニ入」

 

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光齋生 画 「明治六癸酉九月三十日木姓之人有卦に為留」

 

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延一 画「明治三十三年十一月十一日子ノ十二時火性の人有卦に入る 」

 

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廣重 戯筆「当ル二月十日有卦入 」

 

お多福と藤娘のミックスとお多福ですね。

藤娘は大津絵の画題の一つです。

愛嬌と良縁などの意味があります。

藤娘については以前取り上げました↓

大津絵ってなに? - リアル絵描き日記

 

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一藝齋芳富 画「辛酉八月五日木性人有卦ニ入 」

 

お多福と福禄寿が描かれています。

 

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房種 画「金性の人卯ノ年二月十日有卦ニ入」

 

画像は国立国会図書館デジタルコレクションより引用してます。

 

他にも七福神が描かれているものがあります。

 

この有卦絵の風習はいつからなくなったんでしょうね。

縁起を担ぐ風習って江戸時代には盛んだったようです。

現代ではあまりないですね。

 

個人的に有卦絵を飾るなら、ふ、ふ、布団で眠るフクロウかな。

 

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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癒されるゆるさ。鳥羽絵をみよう!

今日も生きてます。

 

一昔前にゆるキャラブームがありましたね。

ゆるキャラが乱立しすぎてゆるキャラ戦国時代って印象でした…。

ふなっしーくまモンと遷都君が際立ってましたね。

個人的には遷都君が好きです。

 

ふるさと秋田県ゆるキャラ調べましたが、ピンとくるものないですね。

個人的にはガチのなまはげに秋田犬を連れさせれば一発だと思います。(何が?)

 

 

ゆるいものに心癒されるのは昔の人も同じであったようです。

 

今日はそんなゆるーい魅力の「鳥羽絵(とばえ)」について取り上げます。

 

 

〇鳥羽絵とは何か?

江戸時代中期に大阪で流行した滑稽な絵のことを鳥羽絵(とばえ)と呼びます。その後鳥羽絵は全国に広がり、浮世絵にも影響を与えました。

 

なぜ「鳥羽絵」という名前なのかというと、「鳥獣人物戯画」の作者であると伝来されていた「鳥羽僧正覚猷」(とばそうじょうかくゆう)に由来すると言われています。

 

 

 

〇大岡 春卜の鳥羽絵

大岡 春卜(おおおか しゅんぼく)は江戸時代中期の大坂で活躍した狩野派の絵師です。

伊藤若冲は春卜の絵手本から学んでおり、春卜の弟子だったとも言われるそうです。

 

大岡 春卜「鳥羽絵三国志

京・江戸・大阪を舞台に、様々な人が描かれています。

 

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(画像は国立国会図書館デジタルコレクションより引用)

 

 

 

 

 

 

 

〇竹原春朝斎の鳥羽絵

竹原春朝斎(たけはらしゅんちょうさい)は江戸時代中期から後期の大坂の浮世絵師です。竹原春朝斎は風景画も描いていますが、鳥羽絵も描きました。

 

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竹原春朝斎「男伊達」

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竹原春朝斎「歩き書き」

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竹原春朝斎「大酒」

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竹原春朝斎「松茸狩り」

松茸狩りに出かけたら突然の雨。

雨宿りに近くの木に集まった。巨大な松茸だとは皆気が付かない。

 

 

 

 

〇耳鳥斎の鳥羽絵
耳鳥斎(にちょうさい)は江戸時代の大坂の浮世絵師、戯画作者。

平賀源内は耳鳥斎の熱烈な愛好家であったとか。

 

 

 

耳鳥斎「絵本水や空」

大阪、京、江戸で演じられた歌舞伎役者の姿をデフォルメして描かれている。

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(画像は国立国会図書館デジタルコレクションより引用)

 

 

 

 

耳鳥斎「畫本古鳥圖賀比」(えほんことりつがい)

祝儀と不祝儀、養生と不養生、頑丈と不頑丈などなど…世の中の正反対の物を集めて比較を愉快に描いた作品。

 

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(画像は国立国会図書館デジタルコレクションより引用)

 

 

 

 

なんだか見ていると癒されますね。

江戸時代の人々は愉快に生活していたのかなあと思っていしまいます。

 

 

 

 

今日はここまで最後まで読んでいただきありがとうございました。

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七福神、何やってるの?縁起が良くて楽しい浮世絵

今日も生きてます。

 

強風でどこかの隣家の洗濯物が紛れ込んできました。

 

今まで自分の洗濯物は何枚も洗濯物を風に流してきましたが(笑)、他からおいでになられたことは初めてです。

 

持ち主様、探しております。

 

 

 

 

 

今日は七福神について取り上げます。

最近浮世絵の奥深さを感じております。

浮世絵って美人画や風景だけではなく、いろいろな画題の作品があるんですよね。

楽しいです。

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私が思う七福神って宝船にのっているものしかなかったのですが、江戸時代には七福神のキャラクターたちに様々なことをさせている絵がたくさんあり、面白いです。

 

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渓斎英泉 歌川国貞 歌川国芳 「宝船七福神

 

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豊原国原「今様七福神宝遊狂」(いまようしちふくじんあそび)

上の作品はわかりづらいですが、画面中央の衝立より左側が人間、右側が七福神です。

 

人間たちは衝立の絵を鑑賞していて、その人間たちを衝立の後ろの七福神たちが驚かしています。

 

恵比寿は鯛を差し出し、福禄寿は頭にお面をつけて驚かしていますね。

布袋和尚は小判をばらまいていますし、なんだかみんなチャーミング。

 

 

 

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歌川芳虎「七福神宝の参宮」

この作品は七福神伊勢神宮を参詣している様子です。

神様も参詣するんだなあ。

七福神は籠に乗って運ばれていますが、運んでいるのが鼠人間(?)鼠男(?)なのが面白いです。

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龍人間と鯛人間もいます。

金の生る木を運んでいます。(欲すぃ)

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次の作品は七福神が馬車に乗っています。

なんと先頭には福助が走っています。

富士山も描きこまれ、縁起の良さマックス。

 

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歌川広重七福神馬車の乗込」

 

 

七福神の皆様が協力して「壽」という字をつくっています。

室町から江戸時代にかけて「字作りの図」という画題が流行したようです。

普通では大工が漢字を組み立てているもので、下の作品は七福神バージョンです。

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歌川豊国「七福神壽柱建之図」

 

 

次の作品は七福神の宴会の席です。

中央で羽目を外して踊っているのが恵比寿様。

大黒天は太鼓を鳴らしています。

後ろの方では各々リラックスしてお酒の席を楽しんでいます。

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河鍋焼翠「卯歳七福神豊年踊」

 

 

七福神の一員である福禄寿は頭が長く描かれ、その長い頭をネタにした絵が多いような気がします。

 

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歌川国芳「福ろく寿あたまのたはむれ」

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神様になんてことを…でも面白い。

 

福禄寿ではありませんが、頭が大きくして表現される福助もそれをネタにされた作品があります。

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歌川国芳「おもふこと叶ふくすけ」

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歌川国芳「思ふこと可福助

 

 

 

 

 

 

今よりも七福神が身近であったんだなあ。

こういう作品はみんな楽しめるし、傷つく人が居ないからすごくいいと思います。

 

 

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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