リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

源頼頼光と最強の仲間たち

今日も生きてます。

 

台風の被害が各地に…

 

自然災害が年々多く、そして被害が大きくなっているように感じます。

 

いつ何が起こるかわかりませんね…

 

秋田にいた頃あまり台風を意識したことはありませんでした。

(直撃することがあまりない)

今回の台風では倒木や停電があったようです。

 

自分の住んでいる身の回りの地域について詳しく知っておくことや、災害に備えることの重要性を感じる今日この頃です。

 

 

さて、「漫画でわかる日本絵画のテーマ」(監修矢嶋新)を読んでます。

 

昨日は酒呑童子の話でした。

酒呑童子ー酒は飲んでも…ー - リアル絵描き日記

 

 

退治した源頼光ですが、退治するときには仲間たちと一緒でした。

 

仲間たちの名前は坂田金時渡辺綱碓井貞光卜部季武です。

 

彼らは四天王(してんのう)と呼ばれ、頼光と一緒に様々な伝説のなかで活躍します。

 

今日は、そんな伝説を描いた絵で、頼光と一緒に描かれる四天王がどんな人なのか? についてみていきます。

 

 

 

 

 

 

坂田金時(さかたきんとき)


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月岡芳年画:『金時山の月』

 

 

まさかりかついだ金太郎の大人の姿。

 

一説によると人間と赤い竜とのハーフ。

 

山で熊と相撲をとるなどして元気に育ちます。

 

ある日京都に帰る途中の源頼光に出会い、大変気に入られ、スカウトされます。

 

頼光の仲間になった金太郎は、坂田金時と名乗るようになり、四天王として大活躍します。

 


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↑は喜多川歌麿画:『山姥と金太郎 頰ずり』 歌麿は同じ画題を50点ほど残しているそうです。

需要があったのか、金太郎が好きだったのか…

 

しかし、おかんに頬擦りされている金太郎の表情が絶妙すぎる笑

 

金太郎

「別におかんに撫でられても嬉しくないし…(のフリ)」

 

 

 

 

 

渡辺綱(わたなべのつな)


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↑「一條戻り橋の邉にて髭切丸の太刀を以茨鬼童子の腕を斬」(歌川国芳・画、江戸時代)

 

平安時代中期の武将。

 

美男子。

先祖には、イケメンとして誉れ高い光源氏のモデルがいる。しっかりその遺伝子を受け継いでいた模様。

 

源頼光に仕え、四天王となる。

 

逸話には鬼の頭領・酒呑童子退治の話の他に、その家来であった鬼の茨木童子の腕を切り落としたというものも有名です。


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月岡芳年画『新形三十六怪撰』より「老婆鬼腕を持去る図」。

 

渡辺綱の伯母に化けて切り落とされた自分の片腕を奪い返した茨木童子の場面が描かれてます。

 

 

 

 

碓井貞光(うすい さだみつ)

 

同じく平安時代中期の武将です。

 

金太郎の童話の中で、強い人材を探している中で金太郎を見つけ、源頼光のもとへ連れていったとされています。

 

碓井貞光も他の四天王と同じく、頼光に仕えるのですが、特異な逸話としては「四万温泉」の話があります。

 

 


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ある日、野宿する事になった貞光が読経をしているとお告げを受けます。

 

「汝が読経の誠心に感じて四万の病悩を治する霊泉を授ける。我はこの山の神霊なり」

 

そこで貞光が周囲を調べたところ温泉を見つけて「御夢想の湯」と呼び、これが四万温泉の由来になった、というものです。

(由来は諸説あり)

 

英雄らしく大蛇を菩薩の力を借りて倒したという話もあります。

 

 

 

卜部季武(うらべ の すえたけ)


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葛飾北斎画『和漢絵本魁』より「卜部季武 姑獲鳥(産女)を懲す」

 

同じく平安時代中期の武将です。

 

四天王として源頼光に仕えます。

源頼光が活躍すると酒呑童子退治や、土蜘蛛、子持山姥、滝夜叉姫の話に登場します。

糸で釣り下げた針を射ることができる弓の名人です。

 

 

卜部季武のエピソードとしては、「今昔物語」に産女に会ったという話があります。


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↑佐脇嵩之『百怪図巻』より「うぶめ」

 

産女というのは死んだ妊婦をそのまま埋葬するとなると言われた妖怪です。

 

血に染まった衣を着て子供を抱いているとされています。

 

 

 

ある日、暗夜に平季武が馬で川を渡っていると、川の中程に産女がいて「これを抱け」と言って赤子を渡してきます。

 

季武は赤子を受け取り、岸へ向います。

 

産女は「子を返せ」と言って追ってきます。

 

季武は取り合わずに陸へ上がり、館へ帰って見ると、赤子は木の葉になっていました。
 
 
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月岡芳年「和漢百物語」より「主馬之介卜部季武

 

 

産女は一体なにがしたいんだろう?

日本の妖怪って気持ち悪い以外に害のないヤツたまにいません?(気のせいかしら…)

 

 

 

 

それぞれ神楽のネタになったり歌舞伎のネタになったりしています。

もちろん浮世絵もたくさん残されています。

知ってるとより楽しく鑑賞できますね。

 

 

きょうはここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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酒呑童子ー酒は飲んでも…ー

今日も生きてます。

 

台風が通りすぎました。

 

皆様のところは大丈夫でしたか?

 

風が強かったり、水害があったり…まだ気を抜かずに過ごしたいと思います。

 

 


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↑は歌川芳艶の「大江山酒呑退治

 

画面真ん中の赤い顔は鬼の酒呑童子(しゅてんどうじ)

今日は鬼退治した英雄の話です。

 

 

 

酒天童子ざっくりあらすじ~

 

 

出典

 

15世紀初頭の現存最古の絵巻とされる「大江山絵詞」(おおえやまえことば)が酒呑童子の原型です。

 

そこから様々な作品がつくられます。

 

 

舞台

 

物語の舞台は平安時代の京都です。

 

 

 

主要登場人物

 

酒呑童子(しゅてんどうじ)

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京都の山(大江山、または大枝)に住んでいたと伝わる鬼の頭領。

 

酒が好きだったことから、手下たちからこの名で呼ばれていました。

 

京の都から人をさらい、悪事を働いていました。

 

 

源頼光

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平安時代中期の武将。

 

父が形成した源氏武士団を継承し、自らは摂関家の警護なども務めました。

 

また、藤原家に仕えます。

 

頼光に近い武士像の話が頼光の伝説として語り継がれました。

 

 

源頼光の部下四人

 

渡辺綱

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碓井貞光

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卜部季武

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坂田金時

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ざっくりあらすじ

 

京の若者や姫君が次々と神隠しに遭います。

 

そこで帝は源頼光らを征伐に向わせます。

 

頼光らは山伏を装い鬼の居城を訪ねます。

 

警戒していた酒呑童子ですが、酒を酌み交わしているうちに身の上話などを語りはじめます。

 

そこで、頼光は酒呑童子に神から与えられた「神変奇特酒」(神便鬼毒酒)という酒を飲ませます。

 

「神変奇特酒」(神便鬼毒酒)は、人間が飲めば薬になるが、鬼には毒になるというものでした。

 

頼光たちは眠った酒呑童子を襲い、首をはねます。

 

生首はなお頼光の兜を噛みつきにかかったましたが、仲間の兜も重ねかぶって難を逃れました。

 

 

 


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大江山絵巻(絵詞)』—逸翁美術館所蔵

 


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美女をはべらす酒呑童子

 

 


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歌川国芳

酒盛り最中の酒呑童子

 

 


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歌川国芳大江山酒呑童子を退治する頼光と四天王」

酒呑童子の寝込みを襲う頼光ら。

酒呑童子の顔が人間から鬼の形相に変わっていっています。

 


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鳥山石燕『今昔画図続百鬼』より「酒顚童子

 

 

日本の悪者は基本的に鬼なんですね。西洋では悪魔なのかなあ。

 

前回の大蛇の話と同様に酒に酔ったところを襲うという退治方法です。少し卑怯な感じが否めないのは私だけでしょうか?

 

酒呑童子の出生については各地に諸説あるようで、ヤマタノオロチと血が繋がってる説もあるようです。

 

そうなると酒は飲んでも飲まれるなは家訓になりますな。

 

個人的に面白いと思ったのは、絶世の美少年であったため多くの女性に恋文をもらったが、読みもせず全て焼いていた。

 

想いを伝えられなかった女性の恋心が煙となって、彼の周りを取り囲み、その怨念によって鬼になったという…というもの。

 

女の怨念凄まじいし、酒呑童子がクールな美少年であったというの物語的にも絵的にも面白いです。

 

 

 

 

頼光と一緒に討伐した仲間たちのことも取り上げたいと思います。

 

 

きょうはここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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浅茅ヶ原の鬼婆ー怖いみたい不思議ー

 

今日も生きてます。

 

お店のパンが全くなくなってました。

皆さんもしもに備えてますね。

 

 

さて、どんな天気でも「漫画でわかる日本絵画のテーマ」(監修矢嶋新)を読んでます。

 


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↑は歌川国芳の『観世音霊験一ツ家の旧事』です。

 

真ん中の包丁を持った老婆が怖いです。


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もっと腰曲げて老婆感出してもいいような気がしなくもないですが、印象的ですね。

(老婆にしては姿勢と体格が良すぎる…)

 

 

この作品は浅茅ヶ原の鬼婆の伝説をもとに描かれています。

 

 

 

 

 

~浅茅ヶ原の鬼婆の伝説のざっくりあらすじ~

 

舞台

 

浅茅ヶ原の鬼婆の伝説の舞台は、飛鳥時代東京都台東区花川戸です。

 

今も伝説の跡地である花川戸公園には、伝説の石碑や看板があります。


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主要登場人物

 

 

人殺し婆さん


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一軒家に娘と二人暮らし。

訪ねてきた旅人を殺害し、物品を奪って生計を立てる。

 

 

若くて美しい娘


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人殺し婆さんの娘。

お婆さんの行いを諫めていた。

 

 

稚児の旅人/浅草寺観音菩薩


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お婆さんの家へ訪ねてくる子供の旅人。

実はお婆さんを改心させるために来た浅草寺観音菩薩の化身であった。

 

 

 

あらすじ

 

用明天皇の時代、武蔵国花川戸に浅茅ヶ原と呼ばれる原野がありました。

 

宿泊できる場所がない荒地で、旅人たちは唯一の人家であるあばら家に宿を借りていました。

 

この家は老婆と娘の二人暮らし。

 

老婆は旅人の寝床を襲って石枕で頭を叩き割って殺害し、奪った金品で生計を立てている非道な鬼婆でした。

 

ある日、老婆の家に稚児の旅人が訪れます。

 

老婆は躊躇することなく、寝床についた稚児の頭を石で叩き割りましまた。

 

しかし旅人だと思ったそれは老婆の娘でした。

 

娘は稚児に変装して身代わりとなり、老婆の行いを咎めようとしたのでした。

 

老婆が自分の行いを悔いていたところ、家を訪れていた稚児が現れます。

 

実は稚児は浅草寺観音菩薩の化身だったのです。

 

老婆に人道を説くために稚児の姿で家を訪れたのでした。

 

その後、老婆は今まで殺害してきた旅人の亡骸を捨てていた池へ身を投げました。

(結末に関しては諸説あります。)

 

 

 

この伝説の絵馬で有名なのは歌川国芳「一ツ家」


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浅草寺に奉納された絵馬です。

老婆の恐ろしい描写は人々の話題となりました。

 

ちなみにこの絵馬は吉原の遊郭である岡本楼の依頼で制作されました。

 

お礼に泊まっていくように言われた歌川国芳はこれを断り帰宅します。

 

そのお陰でその後安政の大地震によって倒壊した岡本楼の被害に巻き込まれずにすみました。

 


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↑は尾形月耕の「月耕随筆 浅茅ヶ原の一ツ家」

 


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↑は月岡芳年「月百姿」のうち「孤家月」

 

老婆が旅人のようすをうかがっている場面。

 

一説で老婆は天井から吊るしたロープに岩を繋ぎ、それを落として旅人を殺害していたというものがあります。

 

画面を横切るロープは岩の存在を示しています。

 

個人的にはこれが一番老婆らしい。

 

 

 

 

 

目をひんむいて娘の首根っこをつかむお婆さんの迫力すごいですね。


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お婆さんの痩せこけた身体、そしてその老婆が非道な行い…

 

こわい。しかもひどい話。

 

しかし不思議にもその恐ろしい描写は見たくなる!

 

怖いもの見たさという言葉もあるように怖いものってみたいんですよね。

 

国芳の絵馬をもとに生人形が作られ、見世物興行も行われたそうです。

 

家には飾りたくないけど、定期的にみたくなりそう。


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何でかなあ。

もしかして私だけでしょうか。

 

 

不思議を抱えて今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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ヤマタノオロチー日本神話のモンスターー

今日も生きてます。

 

台風が来るそうですね。

私は一応水の備蓄を買い足しました。

何が起こるかわからないからなあ。

 

皆様もお気をつけてお過ごしくださいませ。

 

さて、昨日に引き続き日本神話の画題を見ていきます。


今日はスサノオヤマタノオロチ退治の話です。

 

ヤマタノオロチは頭が八つの竜?ぐらいの認識でしたが、実際はとても大きな怪物です。

 



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↑歌川国輝「本町英雄伝」のうち「牛頭天皇 稲田姫

牛頭天皇ヤマタノオロチを退治している浮世絵。牛頭天皇スサノオと同一視されていたことを示します。

 

~ざっくりスサノオヤマタノオロチ退治~

 

舞台

ヤマタノオロチ退治の舞台となるのは出雲国の肥河

現在の島根県斐伊川です。


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主要な登場人物


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スサノオ
暴れん坊&怪力の日本神話の神様。

天岩戸伝説の後、神々の住む高天原を追放され下界の出雲の国へ。


(天岩戸伝説について→天岩戸伝説ー絵心を刺激!ー - リアル絵描き日記)

 

 



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ヤマタノオロチ
日本神話のモンスター
八つの山に渡る大きさで、体には檜や杉が生えていて、お腹はいつも血でにじんでいる。
八つの頭と尾を持ち、目は真っ赤。

 

本当にいたら悪夢…

 

 

アシナヅチテナヅチ
スサノオが降り立った出雲国の肥の川の上流に住んでいた夫婦の神様。8人の娘がいたが、毎年ヤマタノオロチに食べられていた。

 


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クシナダヒメ
アシナヅチテナヅチの娘。
八人姉妹の末娘だが、唯一ヤマタノオロチの被害を免れる。

 

 

 


ざっくりあらすじ

 

なんやかんやで神々の住む高天原を追放された暴れん坊スサノオ

 

出雲国の肥河に降り立ちます。

 

川を上っていくと、年に一度ヤマタノオロチに娘を食べられ、困っているアシナヅチテナヅチ夫婦に出会います。

 

生き残っているのは末娘のクシナダヒメだけ。

 

話を聞いたスサノオは、クシナダヒメとの結婚を条件にヤマタノオロチ退治を請け負います。

 

スサノオは神通力でクシナダヒメを櫛に変えて、自分の髪に挿しました。

 

そして、アシナヅチテナヅチに強い酒を準備させ、ヤマタノオロチに飲ませました。

 

ヤマタノオロチが酔って寝てしまうと、スサノオヤマタノオロチを退治しました。

 

 


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↑は「八岐大蛇退治」

お酒に夢中になるヤマタノオロチスサノオが剣を振り上げています。

この話が描かれた絵馬は多く、武芸の上達を祈ったとも言われています。

 

 


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『日本略史 素戔嗚尊』に描かれたヤマタノオロチ月岡芳年・画)

 

ちなみにスサノオヤマタノオロチを退治したときに大蛇の尾から出てきた剣が後に三種の神器のひとつになります。

 

また、スサノオクシナダヒメと結婚した後に新居の場所で、

 

八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」

 

という和歌を詠みましたが、これが日本最古の和歌と言われています。

 

 

 

 

昨日と今日とスサノオの話でしたが、スサノオはトラブルを引き起こすだけではなく、解決することもあったのですね。

 

かっこよくヤマタノオロチを退治する浮世絵をみて、ヤマタノオロチに戦って勝っていたのかと思っていましたが、お酒に酔って泥酔していた状態を襲ったのですね…。

 

ヤマタノオロチ側からみると、

酒は飲んでも飲まれるな!

というような話ですね。

 

 

 

きょうはここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました

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天岩戸伝説ー絵心を刺激!ー

今日も生きてます。

 

今日も「漫画でわかる日本絵画のテーマ」(監修矢嶋新)を読んでます。

 

今日から日本神話に入ります。

 

 


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↑岩戸神楽ノ起顕(三代豊国)

 

日本の教科書って日本神話の内容は入ってないですよね。

 

ゲームや漫画などのキャラクターとしてネタになることはあるものの古事記日本書紀を読む機会は普通無いですね。

 

そもそも原文は難しい!深読みせずに読むと内容が荒唐無稽に感じられます。

 

しかし浮世絵には神話をモチーフにしたものが残っているので(浮世絵=江戸の大衆芸術)昔は身近な存在だったのでしょうか。

 

 

今日は日本神話の中のエピソードとしても有名な天岩戸伝説について取り上げます。


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下絵「天の岩戸」川村清雄

 

 

⚫ざっくり天岩戸伝説

 

天岩戸伝説の主要な登場人物

 

 

アマテラスオオミカミ

    (天照大神天照大御神)

 

女神。日本神話の神様の中でもリーダー的存在。太陽神。


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スサノオ

(建速須佐之男命、速須佐之男命、須佐之男命、素戔男尊素戔嗚尊等、須佐乃袁尊、神須佐能袁命、須佐能乎命…など、表記いろいろ)

 

天照大神の弟。

暴れん坊&怪力。なんやかんやでヤマタノオロチを倒す。

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アメノウズメ

(天宇受賣命、天鈿女命)

芸能の女神&日本最古の踊り子。


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舞台は日本神話で神々が暮らしているという「高天原」です。

 

高天原天照大神は中心となる神様です。

 

その高天原に暴れん坊兼怪力の弟・スサノオがなんやかんやあり、住み着くようになります。

 

スサノオは田んぼを破壊したり、神殿に嫌がらせしたりと、高天原に住む他の神々は困ってアマテラスオオミカミに苦情を言います。

 

最初の内はまあまあとなだめていたアマテラスオオミカミですが、ある日スサノオの乱暴が原因で死人が出てしまいます。

 

そのことを知ったアマテラスオオミカミは天岩戸に引きこもってしまいます。

 

すると世界は暗闇に覆われてしまい、あらゆる災いが発生してしまいました。

 

困った神々は集まり、引きこもっている岩の前でアメノウズメに躍りを踊らせ、みんなで大笑いをします。

 

 

騒がしいなあーと外の様子を見ようと岩戸を少し開けたアマテラスオオミカミを外に引き出します。

 

そして世界に光が再び戻りました。

 


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歌川国貞「岩戸神楽之起顕」

 


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堤等川「天岩戸」

土支田八幡宮の絵馬のテーマとしてこの天岩戸伝説はよく用いられました。

 


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↑は葛飾北斎の「しんはんくみあけとふろふゑ 天岩戸神 かぐらの図」

 

江戸時代のペーパークラフト。切り取って組み立てると天岩戸伝説の場面を再現できます。

 

江戸時代にもこういうものがあったんですね。

 

 

 

 

岩の中に隠れていたアマテラスオオミカミが後光をもって出てくる姿は描きたいとおもわせるものがあります。

アメノウズメが艶やかに踊っている姿も想像広がりますし…

 

描きどころがたくさんある物語ですね

 

 

きょうはここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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描かれた百人一首

今日も生きてます。

 

今日の画題は百人一首と歌仙絵です。

 

 

 

 

百人一首

 

 


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↑伝藤原信実藤原定家

 

百人一首は、カルタなどで有名ですね。

藤原定家(ふじわらていか)が、古今の歌人百人から和歌を選んだものです。

 

藤原定家が京都・小倉山の山荘で選んだとされるので小倉百人一首とも呼ばれます。

 

江戸時代には寺子屋のテキストやカルタになりました。


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歌川国芳百人一首之内天智天皇


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歌川国芳「小倉疑百人一首」より


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葛飾北斎百人一首柿本人麻呂

 

実はこの他にも百人一首があるのです。

(↓一部例)

 

『源氏百人一首天保10年(1839年)刊。

黒沢翁満編。『源氏物語』に登場する人物の和歌を採録している。

 

『英雄百人一首天保15年(1844年)刊。

緑亭川柳撰。神代から室町期までの武人の和歌を採録

 

『烈女百人一首弘化4年(1847年)刊。緑亭川柳撰。英雄百人一首に対し、著名な女性の和歌を採録

 

英雄とか熱い和歌が集まってそうですよね。

 

 

一番メジャーなものは小倉百人一首だと思います。

 

江戸時代には安価なおもちゃとして双六が人気でしたが、百人一首をモチーフにしたすごろくも作られました。↓


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百人一首双六」

 

また、百人一首の絵入りの解説書「賢容絵入歌之顕図 百人一首讃抄」も出版されました。


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歌仙絵

 

歌仙とは、優れた歌人のこと。

 


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菊池容斎前賢故実』より、藤原公任

 

 

以前ブログのどこかで取り上げましたが、平安時代には藤原公任(ふじわらのきんとう)三十六歌仙をまとめました。


柿本人麻呂山部赤人大伴家持猿丸大夫僧正遍昭在原業平小野小町藤原兼輔紀貫之凡河内躬恒紀友則壬生忠岑、伊勢、藤原興風藤原敏行源公忠源宗于素性法師大中臣頼基坂上是則源重之藤原朝忠藤原敦忠藤原元真源信明斎宮女御藤原清正藤原高光小大君、中務、藤原仲文清原元輔大中臣能宣、源順、壬生忠見平兼盛

 

 

三十六歌仙を一人一人描き、歌を添えたものはあったのですが尾形光琳はなんと36人大集合した絵を描いています。


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尾形光琳三十六歌仙図』

 

なんだかヒヨコの群れを見ている気持ちになるのは私だけ?

 


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ずらりと並ぶ六歌仙

西広貞「風流六歌仙」、中判6枚揃錦絵

 

 

 

歌人の絵ってたくさん残ってるんですね。

現代と和歌に対する熱さが全然違う。

 

Twitterが流行ったので短い言葉で表現することに対する需要はあるのかなあと思いますが、和歌は読み解くのに教養が必要だから敷居高いですね。

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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菅原道真ーさまざまなお姿ー

今日も生きてます。

 

少し涼しいですね。

日曜日の朝は掃除しています。

 

さて、今日も「漫画でわかる日本絵画のテーマ」(監修矢嶋新)を読んでます。

 

今日はこのお方です。

 


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↑は浮世絵師・小林清親の「教導立志基」(きょうどうりっしのもとい)より 菅原道真公』です。

 

教導立志基(きょうどうりっしのもとい)とは教訓絵のシリーズで、日本の偉人が取り上げられています。他にも月岡芳年、水野年方、井上安治等も手掛けました。

 

絵のなかに描かれているおじ様、菅原道真(すがわらみちざね)が今日の主役です。

 

 

 

 

菅原道真ってどんなヒト?

 

菅原道真平安時代の貴族です。歌も上手で百人一首にも和歌が選ばれています。

 

最初の浮世絵の中で道真が持っている紙には、百人一首に選ばれた和歌が書かれています。

 

菅原道真は子供の頃から才能を発揮し、5歳で和歌を詠んだそうです。

 

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月岡芳年

 

そしてすくすく成長し、学者として最高位の文章博士(もんじゅはかせ)になります。

弓の腕前も相当のもので、文武両道でした。

 

そして朝廷で仕えるようになると、異例の出世を重ね、右大臣へ。

 

しかし、左大臣であった藤原時平の策略のため失脚し、太宰府に左遷されてしまいます。

子供たちも流刑に…。

このことは昌泰の変と呼ばれます。

 

その後は自分無実を天に訴えていましたが、左遷先で亡くなりました。

 


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↑緒方月光「天拜山」

 

山で激しく祈っている様子の絵です。

 

 

死後起こる奇怪な現象


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月岡芳年「皇國二十四功」より 『贈正一位菅原道真公』※雷を呼ぶ菅原道真

 

 

話はこのままでは終わりません。

道真の死後、都では奇怪な現象が続きます。

 

・道真の政敵藤原時平が病死

 

・道真失脚の首謀者の一人とされる右大臣源光が溺死

 

後醍醐天皇の皇子で東宮保明親王と、その息子で皇太孫となった慶頼王、次々に病死。

 

・清涼殿落雷事件

清涼殿が落雷を受け、昌泰の変に関与したとされる大納言藤原清貫をはじめ朝廷要人に多くの死傷者が出ます。

 

・それを目撃した醍醐天皇も3ヶ月後に崩御

 

これらを道真の祟りだと恐れた朝廷は、道真の罪を赦し、子供たちの流罪を解きます。

 

 

そして神へ

 

清涼殿落雷の事件から道真の怨霊は雷神と結びつけられるようになります。

 

朝廷は北野天満宮を建立し、太宰府では安楽寺の廟を安楽寺天満宮に改修して道真の祟りを鎮めようとしました。

 


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北野天満宮

もともとは火雷神が祀られていた。

 


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安楽寺天満宮

 

それから大災害が起きるたびに道真の祟りとされました。

 

「天神様」として信仰する天神信仰が全国に広まります。

 


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鳥居清長「天神(菅原道真)」

社殿の中に平安時代の宮廷服姿の道真が描かれています。

 

北野天神縁起絵巻

やがて安楽寺天満宮ができるまでいきさつが絵巻になります。

 


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他にも菅原道真が歌舞伎のモチーフになりました。

 

 

様々なお姿になる菅原道真

色々な姿で描かれる道真ですが、大まかに三パターンです。

 

・「束帯天神」

遣唐使姿、宮廷服姿で描かれる道真

 

・「綱敷天神」

左遷されたときの怒りの表情の道真

 

・「渡唐天神」

道服姿の道真

 

 


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↑は仙崖「天満宮 渡唐天神図」

かわゆい道真だ…

 


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↑は雪舟の天神さま

 


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↑は小林永濯の「道真天拝山祈祷の図」

 

 

 


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宮廷服姿の場合、道真が梅を愛好していたことから絵のなかに梅が書き加えられることが多いです。

 

 

 

 

やがてもともと道真が学問に優れていたヒトであったことから学問や文筆の神として天神信仰が高まりました。

 

 

 

 

 

 

きょうはここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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