リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

太公望ー釣りキチ三平ー

今日も生きてます。

 


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↑は尾形光琳が描いた「太公望」です。

 

装飾的な絵の中で、老人が物思いに耽りながら足の裏をポリポリ掻いてます。

 

老人は人呼んで太公望(たいこうぼう)。

中国の偉人です。

 

 

時は紀元前11世紀頃、今の中国には殷という国がありました。

国王である紂王(ちゅうおう)は、民に重税をかける一方で、愛人の妲己に望むものを与え、酒池肉林の贅沢三昧をしていました。

 

黄河の支流のひとつ・渭水(いすい)では、80歳も近い白髪の老人が、釣糸の先にまっすぐな針を垂らし釣りをしていました。


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そこに狩りにでかけていた姫昌(きしょう)が通りかかります。

実は狩りに出る前の占いで、獣ではなく人材を得るとでていました。

 

二人は語り合い、姫昌は「吾が太公(=祖父)が待ち望んでいた人物だ。(占いのやつだ!)」と喜びます。

 

そして姫昌はその老人を太公望と呼び、軍師として迎えました。

 


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その後太公望は軍師として活躍し、殷は滅びます。

功績が認められた太公望は、斉(国)の統治をし、強国に育てます。

 

 

この逸話から太公望は釣りをしている姿で絵画に登場します。

 

 

ちなみに太公望がもととなっている言葉で今の日本でも使われているものがあります。

 

 

「覆水盆に返らず」

※一度起きてしまったことは二度と戻らない

↓↓

太公望が姫昌に出会う前に別れた妻が、軍師として活躍した後に復縁したいと申し出てきたときに、太公望は盆の水をこぼして「この水を元に戻せたら復縁に応じよう」と言った事が由来。

 

 

「虎の巻」

※教科書等の参考書や、芸事や兵法などの秘伝書

↓↓

太公望が著した兵法書六韜」(りくとう)の中に有名な「虎の巻(虎韜)」があり、慣用句にもなった。

 

 

 

太公望というと日本では釣り好きの人の代名詞としても使われます。

 

秋田のバスで釣りキチ三平が描かれている三平バスなるものがあります。

 

正直釣りキチ三平を読んだことはないのですがダイナミックにバスの車体に描かれた三平が印象的でよく覚えていました。

 

あのバスまだ走ってるんだろか…?

 

 

きょうはここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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