スペイン最古のヌード画のモデルは誰?&画家の死後、自画像に浮かび上がった十字架の都市伝説。
お久しぶりになってしまいましたが、今日も生きてます。
Amazonプライムで視聴できるアニメ「無能なナナ」にはまっています。
超人的な能力を持って生まれた人間たちを、普通の人間である主人公がばれないように始末していくというストーリー。
はらはら展開なので心臓に悪いですが、Amazonプライム会員の方はぜひ視聴してほしいです。
一緒にはらはらしましょう。
さて、久々に今日はベラスケスについて取り上げます。
ベラスケスとは誰か?
ディエゴ・ベラスケス画「自画像」
ベラスケス( 1599ー1660)はスペイン生まれで、17世紀に活躍した宮廷画家です。
西洋美術史の中では、「バロック様式」の代表的な画家とされています。
「バロック様式」とは、ヨーロッパで17世紀に広がった美術表現で、躍動感があふれ、明暗の対比がはっきりとし、描かれている人物たちの動きは流動的なのが特徴です。
ベラスケスの一生
1599年、スペインのセビリアで、貴族の血筋を持つ家庭に生まれます。(※諸説あり)
何をやってもそつなくこなす優等生だったらしい。
ベラスケスの10代
絵に熱心だったベラスケス少年は12歳から6年間画家のパチェーコに師事します。
有力画家であったフランシスコ・パチェーコ
ベラスケスが描いたとされる肖像画
18歳で修行を終えたベラスケス青年は独立します。
そして翌年パチェーコの娘ファナと結婚します。
ベラスケス19歳、ファナ16歳でした。
ベラスケスがファナをモデルに描いたとされる肖像画。
ベラスケスの20代
マドリードに出てきたベラスケス。
フェリペ四世の肖像を依頼されます。
それが王様に気に入られ、王付きの宮廷画家として寵愛を受けます。よほど気に入られたのか、王様の部屋の取次係など、王様に関する他の仕事までやっていたようだ。
そんな王様の雑務もてきぱきこなし、どんどん宮廷の中で要職に就くようになります。
29歳の時に外交官としてスペインに来ていたルーベンスに影響され、イタリア旅行を決意します。
ベラスケスの30代
一年間のイタリア旅行をします。
国の経済は火の車だったようですが、芸術を愛したフェリペ4世は湯水のごとくお金を使いました。
ディエゴ・ベラスケス画「フェリペ4世の肖像」
出典:Felipe IV de España - Wikimedia Commons
ディエゴ・ベラスケス画「道化師ディエゴ・デ・アセド」1645年。
ベラスケスの40代
40代の最後に二度目のイタリア旅行に行きます。
旅行というよりもフェリペ4世の公的な任務を受けた使節としてなので、出張でしょうか。
この頃ベラスケスの名声は高まり、イタリアでも有名人であったとか。
ベラスケスの50代
ローマ滞在中に教皇インノケンティウス10世の肖像画を描いています。
(ベーコンのオマージュ作品が有名かもかも)
ディエゴ・ベラスケス画「教皇インノケンティウス10世」1650年
王様から帰国要請があったため、後ろ髪をひかれつつスペインに戻ります。
そして王室配室長に任命されます。
有名な作品「ラス・メニーナス」は57歳の頃の作品です。
ベラスケスの60代
かねてから憧れていた「騎士の称号」を授かります。
(根回しもしたとか。)
しかしその8か月後に過労死で倒れて亡くなってしまいました。
61歳でした。
スペイン最古のヌード画
ディエゴ・ベラスケス画「鏡の前のヴィーナス」
以前、ゴヤを取り上げたブログの中でも書いたのですが、当時厳格なカトリック教の国であったスペインでは自国の画家がヌードを描くことを許していなかったようです。
それを一番最初に破ったのがベラスケス。
しかし題名が「鏡の前のヴィーナス」なので、一応神話の体裁をとっています。
&ローマ出張中に描いた作品なのでセーフということなのかな?
しかしこのヌードのモデルはだれなのでしょうか?
実はベラスケスが二度目にイタリアに出張しに行ったときにできた愛人であると伝えられています。
ベラスケスの一生を見ていただくとわかると思いますが、ベラスケスはとても優秀な人材で、宮廷の中で品行方正でありました。なので上の立場の人から信頼されたのでしょう。
そんな生真面目ベラスケス50歳。
イタリアで愛人をつくってしまうんですね。
フェリペ4世からの帰国要請があったにもかかわらず、スペインに帰るのが遅れちゃったのは愛人との生活に後ろ髪をひかれたためと思います。
「わたしのヴィーナス…」と思いながらこの絵を描いていたのかな?
ベラスケスと愛人との間には子供ができますが、その子の顔をみる前にベラスケスはスペインに戻ることになってしまいます。
ベラスケスの都市伝説
ベラスケスの名画「ラス・メニーナス」の中には、絵を描くベラスケス本人が描きこまれています。
ベラスケスの服には何やら十字のマークが浮かび上がっています。
これはベラスケスが授かった騎士団の称号を示していると思われます。
しかし、ベラスケスがこのラス・メニーナスを制作していた時にまだ騎士団の称号は手にしていませんでした。
なのになぜ…
悲願していた称号を授かった8か月後に亡くなったベラスケス、その執念が絵の中に浮かび上がったのか?
また、死の直前のベラスケスが画中にも描かれているドン・ニコラスに頼んで描かせたという説もあります。
どちらにしても執念ですな。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。