リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

祝2021年♪ 日本を愛した巨匠 横山大観の描いた富士山をみて今年の運気を上げましょう!

今日も生きています。

 

新年明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

 

2021年ですね。

 

今日は縁起の良いと言われている「富士山」を紹介して、このブログを見に来てくださった方々と一緒に今年の運気を上げていきたいと思います。

 

富士山をモチーフにした画家(特に日本画家)はたくさんいますが、今日は横山大観の富士山を見ていきながら、大観あれこれも紹介していきたいと思います。

 

 

 

 

 

 横山大観とは

 

横山大観は、19世紀ー20世紀に日本で活躍した日本画家です。

富士山の作品もたくさん制作しています。

 

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出典:横山大観 - Wikipedia

 

横山大観のこの写真すごく好きだあ。(笑顔♪)

 

お酒好きで有名だった横山大観

宴会の席ではこのような楽しそうな雰囲気であったのでしょか?

 

 

 

 

 

横山大観画 「不盡之高嶺」(ふじのたかね)

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出典:「アート・ビギナーズ・コレクション もっと知りたい横山大観 生涯と作品」(監修著者 吉田亮 著者 鶴見香織 勝山滋 株式会社東京美術)

 

 横山大観が富士山に取り組み始めた頃の初期の作品。

題名の「不盡之高嶺」(ふじのたかね)は、万葉集にある富士を詠んだ詩を意識していると言われています。

 

その詩とは、奈良時代歌人山部赤人(やまべのあかひと)の『富士山を望む歌』です。

 

山部宿祢赤人望不尽山歌一首 并短歌


天地之 分時従 神左備手 高貴寸 駿河有 布士能高嶺乎
天原 振放見者 度日之 陰毛隠比 照月乃 光毛不見 白雲母 伊去波伐加利
時自久曽 雪者落家留 語告 言継将往 不尽能高嶺者

 

〇大体の意味〇

 

世界が天と地と別れた時から神々しく、高く貴い駿河静岡県)の富士の高嶺を遙か遠くから振り仰いで見ると、空を渡る太陽も隠れ、照る月の光も見えない。

 

白雲も行く手を阻まれ、季節の区別なく雪は降り続いている。

この富士の高嶺を後世に語り継ぎ 言ひ継いで行こうではないか。

 

 

 

 

「群青富士」

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出典:「アート・ビギナーズ・コレクション もっと知りたい横山大観 生涯と作品」(監修著者 吉田亮 著者 鶴見香織 勝山滋 株式会社東京美術)

どことなく琳派風の屏風です。

 

 

芥川龍之介横山大観

 

横山大観は作家の芥川龍之介と交流がありました。

 

芥川龍之介は自画像の代わりに「河童」を描いたことで有名です。

 

その絵を見たからかはわかりませんが、大観は芥川に対して「絵をやれ」「みっちり三年間仕込んでやるがやる気はないか」口説いていたそうです。

 

弟子はとらない主義の大観が芥川を誘っていたとは驚きですね。

 

 

 

 

「霊蜂十趣・山」

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出典:「アート・ビギナーズ・コレクション もっと知りたい横山大観 生涯と作品」(監修著者 吉田亮 著者 鶴見香織 勝山滋 株式会社東京美術)

「霊蜂十趣・夜」

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出典:「アート・ビギナーズ・コレクション もっと知りたい横山大観 生涯と作品」(監修著者 吉田亮 著者 鶴見香織 勝山滋 株式会社東京美術)

 

「霊峰十趣」は、それぞれ季節や時間帯によって変化する富士を10枚描き分けた連作です。

雰囲気はやまと絵風です。

 

 

〇レオナール藤田と横山大観。〇

 

レオナール藤田が横山大観と会ったときのことを書いた資料が残っています。

 

大観は私のことを藤田さんと呼ぶ 

私は大観先生と答へる。

 

大観さんに葡萄とレモン水馳走になった、

画はいい物丈残ると言ふ事を言はれ

 

にせは増えても真物は少なくと言ふ

 

(藤田嗣治資料FT00510,東京芸術大学蔵)

 藤田はエッセイ「日本画私観」の中で、横山大観について触れており、「娑婆気の多い政党人のような所」のせいで「本当の天才の境地に達することは出来ないように私には考えられる」と、少し厳しめの見方をしています。

 

横山大観氏の東洋精神主義という言葉をしばしば見聞する。無論日本画は西洋流の真似をしなくってもいい。然しそれと共に日本の伝統だといって、時代にさかろうてまで、旧臭い風習を固定しなくてもいいだろう

 

 日本の画壇の権力争いなどとは関係ないからこそ自由に横山大観の批判をできたんだろうなあ。

 

 

 

 

 

「朝陽霊蜂」(ちょうようれいほう)

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出典:「アート・ビギナーズ・コレクション もっと知りたい横山大観 生涯と作品」(監修著者 吉田亮 著者 鶴見香織 勝山滋 株式会社東京美術)

 

宮内省から明治宮殿豊明殿を飾る作品を描くように依頼されて描いた作品です。

 

皇室への初めての献上作品です。

金色に輝く富士山と日輪は、「日本」のイメージそのものですね。

 

 

 

 

「山に因む十題・龍踊る」

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出典:「アート・ビギナーズ・コレクション もっと知りたい横山大観 生涯と作品」(監修著者 吉田亮 著者 鶴見香織 勝山滋 株式会社東京美術)

龍が雲のすきまから見えています。

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「山に因む十題・霊峰四趣 春」

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出典:「アート・ビギナーズ・コレクション もっと知りたい横山大観 生涯と作品」(監修著者 吉田亮 著者 鶴見香織 勝山滋 株式会社東京美術)

横山大観の富士山観〇

 

横山大観の富士山に対する思いを「私の富士観」から知ることができます。

 

富士を描くということは、つまり己を描くことである。

己が貧しければ、そこに描かれた富士も貧しい。

富士を描くには理想をもって描かねばならぬ。

私の富士も決して名画とは思わぬが、しかし描く限り、全身全霊をうちこんで描いている。

 

 

 

 

「正気放光」(せいきほうこう)

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出典:「アート・ビギナーズ・コレクション もっと知りたい横山大観 生涯と作品」(監修著者 吉田亮 著者 鶴見香織 勝山滋 株式会社東京美術)

かっこよい題名は、江戸時代末期の水戸藩士であり、学者の藤田東湖がつくった詩「正気の歌」が由来と考えられます。

 

横山大観も水戸生まれなので詳しかったのかも知れませんね。

「正気の歌」は皇室を護っていくぜい!という気合いに満ちた詩ですが、それをもとに富士山を描いた大観のこの作品には、愛国心が込められているのかなあと思います。

 

 

 

 

 

「日出処日本」(ひいずるところのにほん)

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出典:「アート・ビギナーズ・コレクション もっと知りたい横山大観 生涯と作品」(監修著者 吉田亮 著者 鶴見香織 勝山滋 株式会社東京美術)

 この作品は横幅4メートル50センチという驚く大きさです。

紀元二千六百年奉祝展に出品されました。

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

日本を愛した横山大観の富士山はご利益がありそうです。

 

皆様にとって新しい年が良い年であることを祈っております。

 

 

 

 

 

 

 葛飾北斎の富士山はこちらで見られます。

akashiaya.hatenadiary.jp

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

akashiaya.jimdofree.com

 

 

 

参考

「アート・ビギナーズ・コレクション もっと知りたい横山大観 生涯と作品」(監修著者 吉田亮 著者 鶴見香織 勝山滋 株式会社東京美術)