かっこいい!私が燃える錦絵の戦争画と歴史画②
今日も生きてます。
私は今日、とんでもないことに気が付いてしまいました。
もう、今年はもう一か月しかありません!
10月過ぎたあたりで気が付くことを今気が付いてしまいました。
そういえば街中がクリスマスっぽくなっていましたものね…。
(サンタさん、時間をください。)
時間の進む速さに震えます。
心残りはありますが、終わりよければすべてよしという言葉を信頼して今月だけでもよく生きたいと思います。
皆様もいろいろあると思いますが、今月はとりあえず生き抜いて来年を迎えましょう。
さて、引き続き 「傑作浮世絵コレクション 小林清親ー光と影をあやつる最後の浮世絵師ー」(発行者小野寺優、解説濱田信義、川出書房新社、2017年。)を読んでます。
ブログでは、小林清親について何回か取り上げてきました。
今までの小林清親のブログ
①清親の年表と人生について
②清親の光線画について
③清親とポンチ絵について
ポンチ絵とは何か?「ポンチ」の由来は?清親のポンチ絵を見てみよう!
④清親の花鳥動物画について
⑤清親の歴史画について
今回で清親を取り上げるのは最後です。
前回は歴史画を取り上げましたが、今日は戦争画を見ていきます。
1882年頃から経費の掛かる錦絵よりも、石版画や活版刷が重宝されるようになります。清親も仕事で錦絵を描く機会が減っていました。
しかし日清戦争があり、戦争報道画や風刺画によって錦絵はよみがえります。個人的に風刺画よりも戦争報道画に燃えたので清親の戦争報道画を見ていきましょう。
ちなみに清親は戦勝を祝う錦絵を一年足らずで80点以上制作したとか…すごいです。
(わがかんたいこうかいにおいてしんかんをうちしずめるのず)
出典:「傑作浮世絵コレクション 小林清親ー光と影をあやつる最後の浮世絵師ー」(発行者小野寺優、解説濱田信義、川出書房新社、2017年。)
海上と海中を同時に構図の中に入れ、沈む清の戦艦を描いた作品。
これはカメラではとらえられない図ですよね。
海上では激しい闘いが繰り広げられている一方、負けたものはゆっくり暗くて静かな
海底へ沈んでいく。海底にはそういったものが積み上がっていく…。
そんなもの悲しさも感じました。
(こうかいにおけるわがぐんのたいしょう だいにず)
出典:「傑作浮世絵コレクション 小林清親ー光と影をあやつる最後の浮世絵師ー」(発行者小野寺優、解説濱田信義、川出書房新社、2017年。)
小林清親画「海洋島沖西京丸奮戦之図」
(かいようとうにおいてさいきょうまるふんせんのず)
出典:「傑作浮世絵コレクション 小林清親ー光と影をあやつる最後の浮世絵師ー」(発行者小野寺優、解説濱田信義、川出書房新社、2017年。)
(こうかいにおけるわがぐんのたいしょう だいよんず)
出典:「傑作浮世絵コレクション 小林清親ー光と影をあやつる最後の浮世絵師ー」(発行者小野寺優、解説濱田信義、川出書房新社、2017年。)
3点とも戦闘の激しさが伝わる作品です。
絵画を占めるほとんどが煙や爆発です。そして波打つ海。
清親はこのような作品を新聞の報道を頼りに描いています。戦地に行ってないのに伝聞だけでこのような臨場感あふれる場面を描けるのはすごいです。
他の作品に、水爆実験の様子や、戦艦、火事などを取材して描いた作品もあるので、それらの経験が生かされているのかもしれません。
小林清親画「雨中砲撃図」
(うちゅうほうげきず)
出典:「傑作浮世絵コレクション 小林清親ー光と影をあやつる最後の浮世絵師ー」(発行者小野寺優、解説濱田信義、川出書房新社、2017年。)
小林清親画「冒営口厳寒我軍張露営之図」
(えいこうのげんかんをおかしてわがぐんろえいをはるのず)
出典:「傑作浮世絵コレクション 小林清親ー光と影をあやつる最後の浮世絵師ー」(発行者小野寺優、解説濱田信義、川出書房新社、2017年。)
激しい海戦の様子だけではなく、陸で作戦を進めている様子や、野外で日本軍が露営を張る様子の描いています。
「雨中砲撃図」で雨は黒で表現されることの多かったところを白抜きで表現しています。戦地がどのようなものであったか想像できる作品です。
何回かブログで小林清親をとりあげました。取り組んだ画題によって様々な作品をつくりだす、いろんな面のある作家ですよね。
中でも印象的なのは、今までの浮世絵には無い西洋画から学んだ奥行のある絵画空間や、光と影の表現です。木版画の世界にこのような考えを取り入れてものにしたのは清親が最初なのではないのかなあと思います。
鑑賞者の想像の幅を広げてくれる光の表現って素敵ですね。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。