光線画とは何か?ー小林清親が描く光の風景ー
今日も生きてます。
最近モニターの拡張を覚えました。
複製機能しか知らなかったけど、拡張するととても便利ですね。 機械疎いタイプなのですが、少しづつ色々覚えてできること増やしていきたいです。
このPCを買ってから押してないキーボードのボタンたくさんあるので、とりあえず今月の目標は、よくわからんけどキーボードのボタン全部押しちゃうことにしようかな。
壊れることはありませんよね???
さて、「傑作浮世絵コレクション 小林清親ー光と影をあやつる最後の浮世絵師ー」(発行者小野寺優、解説濱田信義、川出書房新社、2017年。)を読んでます。
前回は小林清親の年表を見ました。
武士として戦にも参戦したことのある小林清親ですが、後に東京で浮世絵師として活躍します。
今日は小林清親が人気の浮世絵師となるきっかけとなった「光線画」(コウセンガ)について取り上げます。
明治維新と共に、西洋の様々なものが日本に入ってきます。洋装の人々や、洋風建築物、蒸気機関車やガス灯など、文明開化の事象や風俗を取り上げた浮世絵も多く制作されました。
それらの作品は「開化絵」と呼ばれます。主にカラフルな赤い染料が用いられたため、「赤絵」とも呼ばれました。
当時のハイカラな雰囲気が浮世絵にまで表されているようですね。
↑の二枚は三代目歌川広重の作品ですが、このような表現をしている絵師は多かったようです。
さて、このような表現が主流の中、小林清親が刊行した東京の風景を見てみましょう。
出典:「傑作浮世絵コレクション 小林清親ー光と影をあやつる最後の浮世絵師ー」(発行者小野寺優、解説濱田信義、川出書房新社、2017年。)
カラフルさが強烈な開化絵とは違い、輪郭線が抑えられ、色調は落ち着いています。そして風景の中の「光と影」に注目して描かれています。
小林清親(とプロデューサーでもある版元)は、このような表現の浮世絵を「光線画」として売り出しました。これが好評を博します。
眺め入りたくなるような風景で、なかなか素敵な作品ですよね。
たたらを踏み、吹子を使って風を送る町工場の手仕事の風景。
四隻の軍艦が川崎の海に浮かび、空砲かと思われる閃光が輝いている。
ガス灯とわずかな家の明かりによって夜の風景が浮かび上がっています。モノトーンでおしゃれな雰囲気の作品ですね。
小林清親の作品には雪の風景も多く描かれています。ガス灯に照らされた粉雪が印象的です。
一瞬の花火の光に照らされて浮かび上がった尾形船と、花火を楽しむ人々が描き出されています。水平線まで真っすぐ見えるのが気持ちよい。
上野不忍池で花火を鑑賞する人々がシルエットで描かれています。
出典:「傑作浮世絵コレクション 小林清親ー光と影をあやつる最後の浮世絵師ー」(発行者小野寺優、解説濱田信義、川出書房新社、2017年。)
小林清親の「光線画」には後継者がいます。
井上安治(いのうえやすじ)
清親に直接師事した愛弟子。
清親の弟子になったきっかけは、綾瀬川の土手でスケッチしていた清親の様子を二時間余りもじっと見守り続け、その熱心さに清親から声をかけたことだそうです。
出典:Category:Inoue Yasuji - Wikimedia Commons
鉄橋がかっこよい作品ですね。
個人的に船+水面+月のモチーフ好きです。
小倉柳村(おぐらりゅうそん)
明治時代に活躍した版画家です。小林清親の光線画に影響されたと思われる「東京名所絵」が知られています。
実際に川崎浮世絵ギャラリーにて小林清親の作品を鑑賞しましたが、重厚な表現の中の様々な光が、絵を見る私たちにいろいろな想像をさせてくれて、みていて楽しかったです。
小林清親以前の浮世絵は何を描くかということに焦点があっていて、小林清親の作品はどのような絵画空間を表現するかという点に重点が置いてあり、両者同じ浮世絵というジャンルですが、表現の目的が全く違うと思いました。
次回に続きます。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。