リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

これなんだろう?沖縄の芸術作品を楽しもう!

今日も生きてます。

 

沖縄に一度行ったことがあります。

 

雪国生まれのせいか、あたたかい地方の景色って風景が全く違うのがとても新鮮でした。

 

生えてる植物の趣が全然違う!

 

おんなじ日本でもここまで違うのか…たのすい。

 

ソーキそばも大好きです。

 

(食堂ででてくる料理の量の多さにはビビりました。)

 

 

旅行は苦手だけど沖縄にはまた行きたいです。

 

 

 

ということで今日は、「すぐわかる沖縄の美術」(監修宮城篤正、株式会社東京美術,

2007年。)を参考に、沖縄の美術作品を見ていきたいと思います。

 

 

 

 

★御後絵(おごえ/うぐい)

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程順則像(ていじゅんそくぞう)18世紀 個人蔵

出典:「すぐわかる沖縄の美術」監修宮城篤正、株式会社東京美術、2007年。



 

政治家で儒者でもあった程順則(ていじゅんそく)の肖像画です。

 

服の中央は保管したときに傷んでしまったのかだいぶ剥がれてしまっていますね。

 

個人的にはそれが顔の写実的な描写と対照的な表現になっていていい感じ

 

今は日本の沖縄ですが、1429ー1879には琉球王国があり王族も存在していました。

 

上の画像は王族ではありませんが、琉球の王には肖像画を残す習慣があったそうです。

 

王が亡くなると絵師がその顔を描き、盆や命日に仏壇の横にかかげられました。

 

だいたい様式は決まっており、椅子に座り正面を向いた姿で描かれます。

 

その絵を「御後絵」(おごえ)と呼びました。王族以外の肖像画にもこの様式は広がりました。

 

 

 

 

 

 

★壺屋焼(つぼややき)

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金城次郎 壺屋焼 線堀魚文大皿 1960年代 

出典:「すぐわかる沖縄の美術」監修宮城篤正、株式会社東京美術、2007年。

 

沖縄では、海に関係する職業の方を海人(うみんちゅ)、島に住んでいる人々を島人(しまんちゅ)と呼ぶそうですね。

 

壺焼きする人のことは壺屋人(ちぶやんちゅ)と呼ぶそうです。

 

…絵描きはなんて呼ぶのでしょうか。

 

上の画像は沖縄県で初めて人間国宝に指定された壺屋人「金城次郎(きんじょうじろう)」の作品です。

 

線彫り魚紋が有名らしい。

 

素朴で親しみやすい魚の模様に癒されます。

私の沖縄のイメージに合う。

なんくるないさ~)

 

批評家には「治郎の魚は笑っている」と言われたそうです。

 

確かに楽しそうな表情です。

 

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 出典:「すぐわかる沖縄の美術」監修宮城篤正、株式会社東京美術、2007年。

 

 

 

 

 ★房指輪(ふさゆびわ

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房指輪 18-19世紀

出典:「すぐわかる沖縄の美術」監修宮城篤正、株式会社東京美術、2007年。

 

↑の画像は琉球で使われていた女性用の指輪です。

 

知恵の輪ではありません。

(だとしたら難しそうですね)

 

結婚式の花嫁や舞踏の踊り子の指にはめられていたものらしいです。

 

それぞれの輪っかには魚や芭蕉、蝶などのチャームがついています。吉祥文がモチーフになっています。

 

普通の指輪と違って手の上でキラキラしていいですね。

 

にしても一体どの穴が指用なのでしょうか…

 

 

 

 

 

★玉御冠(たまのおかんむり)

 

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玉御冠(たまのおかんむり)付簪 18-19世紀 国宝

出典:「すぐわかる沖縄の美術」監修宮城篤正、株式会社東京美術、2007年。

 


あまり見たことがないデザインの被り物ですね。

 

琉球王国の国王が国家行事のときに被ったものだそうです。

 

国王の肖像「御後絵」では、おそらくこれを被った姿が描かれています。

 

事前情報ナシで画像を見るとなかなか帽子に結びつかないかもしれません。

 

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尚育王御後絵:しょういくおうおごえ(消失) 19世紀

 出典:「すぐわかる沖縄の美術」監修宮城篤正、株式会社東京美術、2007年。

 

 

 

 

 

 

★ボンボン入

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朱黒漆 帯切込球型 ボンボン入 1930年代

出典:「すぐわかる沖縄の美術」監修宮城篤正、株式会社東京美術、2007年。

 

 

これは何でしょうか?

 

病気になったモンスターボール…?

新種の悪魔の実…?

 

とかではありません

 

とっても目を引く斬新なデザインですね。

 

題名は「朱黒漆帯切込球型ボンボン入」です。

 

…題名を読んでもわからん!

 

ので少し調べてみました。

 

まずボンボン入れの「ボンボン」とは、もともとは特定の砂糖菓子の名称でした。

 

そして後にはボンボンは広く菓子のことを指すようになり、ボンボン入れとはお菓子入れを指すようになります。

 

ヨーロッパではお祝いの際に子供に砂糖菓子を送る習慣があったそうです。

 

その器も装飾性が高いものになっていき、砂糖菓子の容器のことを「ボンボニエール」と呼ぶそうです。

 

とにかく画像の球体はお菓子入れということです。

 

シゲキックス入ってそう。

 

 

 

 

 

 

★朱漆木の葉型盛器

(しゅうるしこのはがたせいき)

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朱漆木葉型盛器 柏崎栄助デザイン 1932年ー33年

出典:「すぐわかる沖縄の美術」監修宮城篤正、株式会社東京美術、2007年。



これもまたおしゃんな器ですね。

 

葉っぱを模していることはわかりますが、少し穴が開いていますね。

これは虫食い穴を表現しているそうです。

 

虫に食われた様子を作品のデザインに取り入れてしまうなんて…おしゃんですね。

 

個人的な見解ですが、工芸の作家さんっておしゃれだし、清潔ですよね。

 

デザインや絵画彫刻の人のおしゃれはおしゃれというよりむき出しの個性です。

それに対して工芸を学ばれた方ってな感じします。

 

偏見です!

 

 

 

 

 

★蒔絵煙草セット

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朱漆トランプ蒔絵煙草セット 浅田漆器店製 20世紀前半

出典:「すぐわかる沖縄の美術」監修宮城篤正、株式会社東京美術、2007年。

これもまたおしゃんです。

遊び心が炸裂している作品ですね。

 

モチーフのトランプのハートやスペードが器の形にあしらわれています。

 

…描かれている模様がキングや3、4なのにも何か意味があるのかな。

 

たばこのセットということなので、たばこを吸いながらお座敷でポーカーとかする時にいいんじゃないですかね。

イカラ♪

 

近代の作家さんなのでモダンなデザインです。

 

 

 

 

 

 


★黒漆米軍戦車堆錦アルバム表紙

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紅房デザイン 黒漆米軍戦車堆錦アルバム表紙 1960ー75年 

出典:「すぐわかる沖縄の美術」監修宮城篤正、株式会社東京美術、2007年。

 


これもまたかっこいい漆の作品です。

 

アルバムの表紙ということですが、CDのアルバムではないですよね?写真のアルバム?漆が表紙に使われるなんてどれだけ立派な写真が中にしまわれているんだろうか…

 

琉球漆器の老舗「紅房(べんぼう)」(2000年閉店)の作品です。

 

沖縄戦後のアメリカ統治時代の米軍向けの土産品などは漆が人気であったそうです。

 

 

 

 

 

漆の作品がかっこいいですね。

漆自体は昔からある技術ですが、どんなデザインでどのようなものを作るかで本当に新鮮に感じられますよね。

 

 

 

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

akashiaya.jimdofree.com