北斎スタイルを学ぼうー「北斎漫画早指南」-
今日も生きてます。
前回は文字ゑについて取り上げました。
今日は文字で絵を描く方法を指南した「北斎漫画早指南」を取り上げます。
葛飾北斎は弟子がたくさんいたらしく、その弟子たちのために絵の描き方を描いた本を出版しています。
この中には文字で絵を表現するものや、図形から絵を表現した例など、絵を描いていくコツが掲載されています。
画像は国立国会図書館デジタルコレクションより引用しています。
人気のある本だったようで、初版は江戸時代ですが、画像の物は明治時代につくられたものです。
少し見てみましょう。
前回の文字ゑとは全く異なる趣です。
左端の歌にある文字をもとに図が表現されています。
使用されているパーツや順番は上に書かれています。
み、みても描けなさそうだな…
他にも掲載されています。
現代にある子供が歌って描けるような絵描き歌ではなく、プロ用絵描き歌というような感じで、難解です。
しかし北斎がこのように絵を分解し、構成するような考えも持っていたことを知られていい資料です。
この絵描き歌以外にも図形の組み合わせで絵を構築する方法も「北斎漫画早指南」には掲載されています。
こちらの方がわかりやすいかもしれません。
個人的には↑の「ほえ?」と振り返るお兄さんがかわいらしくて好きです。
現代でも人体のスケッチをするときに図形を描いてバランスを見たりする手法ありますよね。
北斎は絵の構図を考えるときも図形を活用していたのでは?というような文章もよく見ます。
富士のシリーズの絵に図形を重ねると絵の要所と図形の各箇所が重なったりするんですよね。
構図は奥が深いです。
私はそのように幾何学的に構図を構築する方法を用いませんが、このような指南書をみると刺激されます。
図形を使うとなんだか絵の中にリズムをつけやすいようにみえます。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。