猫好きのための東海道?歌川国芳の猫飼好五十三疋(みゃうかいこうごじゅうさんひき)を見る
今日も生きてます。
天使にラブソングをが地上波で放映されていました。
小さなころ見たことがあったのですが、久々に鑑賞しました。
1992年の映画という事で、私が生まれた年に公開された映画なんですね。
今の時代まで愛されてるとは…名作ですね。
最初しなびたカジノのステージで歌い、聞く人もおらず拍手もまばらという状況の主人公が、ラストのシーンでは大勢のお客さんと法王の前で拍手喝采を浴びているというコントラストは気持ちがいいです。
面白いのは歌っている曲が同じことですよね。
シスターが歌うと意味合い変わるのがね。言葉って不思議。
映画って全ての選択を無駄なく意図的に(&自然に)仕掛けなければならない厳しさありますね。
続編は見てないのでみてみたいなあ。
今日も自宅に引きこもり「マンガでわかる『日本絵画』の見かたー美術展がもっと愉しくなる!」監修矢島新を読んでいます。
「其のまま地口猫飼好五十三疋」
(そのままじぐちみゃうかいこうごじゅうさんひき)
を取り上げます。
Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5246675
題名にある「地口」(じぐち)というのは江戸時代の頃流行した語呂合わせや洒落のことです。
具体例としては…
・敵もさる(猿)ものひっかくもの
・なんだ神田の大明神
・いらぬお世話の焼き豆腐
などなど。
このような自作の地口を行灯に書いてお祭りの際に道に立てたり、軒先にかけたりしていたようです。
Tak1701d - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7365765による
たまにこういう言い回し聞きますが、なんで不必要な言葉を語尾にくっつけるのか少し不思議でした。(冗談が効かないタイプなので。)
江戸の文化なんですね。
そして 「其のまま地口猫飼好五十三疋」の作品では、東海道の地名を、地口と猫で表現しています。
歌川国芳の経歴についてもとり上げたいところですが、とりあえず今日は国芳が地名ををどのような地口と猫で描いたか一つ一つみて楽しみたいと思います。
⚫日本橋(にほんばし)
二本だし
(かつお節二本)
⚫品川(しながわ)
白かを
(白猫の顔)
⚫川崎(かわさき)
かばやき
(岡持ちに入った蒲焼)
⚫ 神奈川(かながわ)
かぐかハ
(竹の皮の匂いをかぐ)
⚫ 程ヶ谷(ほどがや)
のどかい
(のどがかゆい)
⚫ 戸塚(とつか)
はつか
(ハツカネズミを見つける)
⚫ 藤沢(ふじさわ)
ぶちさば
(サバをくわえるブチ猫)
⚫ 平塚(ひらつか)
そだつか
(子猫が元気に育つか?)
⚫ 大磯(おおいそ)
おもいぞ
(大ダコを引きずって重いぞ!)
⚫ 小田原(おだわら)
むだどら
(ネズミを逃がして無駄足のドラ、むだどら)
⚫ 箱根(はこね)
へこね
(ネズミにエサを取られてへこ寝)
⚫ 三島(みしま)
三毛ま
(三毛が猫又という魔物に)
⚫ 沼津(ぬまづ)
なまづ
(ナマズと向き合って)
⚫ 原(はら)
どら
(ドラ猫が叫ぶ)
⚫ 吉原(よしわら)
ぶちはら
(腹の模様がブチ)
⚫ 蒲原(かんばら)
てんぷら
(目の前のものはテンプラ)
⚫ 由井(ゆい)
たい
(大きなタイをくわえる)
⚫ 興津(おきつ)
おきず
(起きない!)
⚫ 江尻(えじり)
かじり
(かつお節を丸かじり)
⚫府中(ふちゅう)
むちゅう
(ネズミに夢中)
⚫鞠子(まりこ)
はりこ
(猫の張り子)
⚫ 岡部(おかべ)
あかげ
(赤毛の猫)
⚫藤枝(ふじえだ)
ぶちへた
(ブチ猫はネズミ捕りが下手)
⚫嶋田(しまだ)
なまだ
(この魚、生焼けだにゃ)
⚫金谷(かなや)
たまや
(玉のように太ったタマや)
⚫ 日坂(にっさか)
くったか
(舌なめずり猫に対してたくさん食ったか)
⚫ 掛川(かけがわ)
ばけがを
(化け猫の顔)
⚫袋井(ふくろい)
ふくろい
(猫の頭に袋)
⚫ 見附(みつけ)
ねつき
(寝つきのいい猫)
⚫ 浜松(はままつ)
はなあつ
(鼻が熱い)
⚫ 舞阪(まいさか)
だいたか
(子猫を抱いたか?)
⚫ 荒井(あらい)
あらい
(猫の顔洗い)
⚫白須賀(しらすか)
じゃらすか
(子猫でもじゃらすか)
⚫二川(ふたがわ)
あてがふ
(母猫が子猫にあてがう)
⚫吉田(よしだ)
おきた
(起きたにゃ。)
⚫ 御油(ごゆ)
こい
(恋)
⚫ 赤坂(あかさか)
あたまか
(めざしの頭か…)
⚫ 藤川(ふじかわ)
ぶちかご
(かごの中のブチ猫)
⚫岡崎(おかざき)
おがさけ
(尾が二つに裂けて猫又に変身)
⚫ 池鯉鮒(ちりゅう)
きりゃう
(器量よし)
⚫ 鳴海(なるみ)
かるミ
(軽い身のこなし)
⚫ 宮(みや)
おや
(親猫と子猫)
⚫ 桑名(くわな)
くふな
(まだ食うな)
⚫ 四日市(よっかいち)
よったぶち
(寄り添うブチ猫ズ)
⚫石薬師(いしやくし)
いちやァつき
(いちゃつく猫)
⚫庄野(しょうの)
かふの
(今日からこの猫を飼うの)
⚫ 亀山(かめやま)
ばけあま
(化けた尼さん)
⚫関(せき)
かき
(好物のカキ!)
⚫坂の下(さかのした)
あかのした
(赤い舌)
⚫ 土山(つちやま)
ぶちじゃま
(ブチが邪魔にゃん)
⚫ 水口(みなぐち)
ミなぶち
(体中みなブチ模様)
⚫石部(いしべ)
ミじめ
(やせこけてみじめな体)
⚫ 草津(くさつ)
こたつ
(コタツ)
⚫大津(おおつ)
じゃうず
(ネズミの投げ方が上手)
⚫京(きょう)
ぎゃう
(ネズミは渡さないギャウ!)
ちょっと無理を感じられる洒落もありましたが、全て猫で東海道を表現していましたね。
歌川国芳は猫好きだったようです。
他の作品でも猫が登場する作品があります。
以前も国芳についてはブログで取り上げましたが、また取り上げたいな。
自分が好きなモチーフで東海道を作るの楽しそうですね。
行ったことがない地域の方が多いので、妄想東海道五十三次になってしまいます。
意外にそちらの方が面白そうです。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
https://akashiaya.jimdofree.com/