冥界の絵でぞわりとしよう!
今日も生きてます。
いい天気ですね。
気分を盛り上げるために(?)怪談を聞きながら作業しています。
前回は幽霊の絵を見てきましたが、今日は骸骨や冥界の作品を見ていきましょう。
前回↓
〇堀田正民「骸骨図」
シャープな表現が気持ちいい骸骨の作品です。
描いた人は近江宮川藩第六代藩主の堀田正民(ほったまさたみ)です。
絵と科学が好きなお殿様であったそうです。
にやりとした表情でこちらを見つめる骸骨。
お前もすぐわたしと同じような姿になるのだぞ…と鑑賞者を嘲笑しているかのようです。
〇南遠斎玉常「幽霊図」
上を向いて転がっている骸骨が、生前の華やかな自分の姿を思い出しているような絵です。
江戸後期に描かれた作品で南遠斎玉常(なんえんさいぎょくじょう)という作家が描きました。
かっこいい名前ですね。
どんな絵師であったか詳細は謎のようです。
西洋でも東洋でも、骸骨は死や無常観を象徴するモチーフでもあります。
骸骨の対称として描かれるものが美しくあればあるほど無常観がみるものに伝わります。
この作品では自分を飾り立てた高級遊女です。
骸骨が自分の生前の姿を思い出すアイデアと構図がいいなと感じました。
〇筆者不詳「骸骨の酒盛り」
骸骨がユーモアたっぷりに描かれた絵って好きです。
この絵もそんな作品の一つ。
骸骨同士が楽しそうに酒盛りをしています。
個人的面白いなあと思うのは真ん中に魚の骸骨が描かれていること。
これは仲間なのか…それとも食べた後なのか…(箸あるから…)
地獄か天国かもわかりませんが、楽しそうで良かった良かった。
さらりと描かれているのもいいですね。
次は地獄絵を紹介します。
作品というよりも、地獄の図解というような趣です。
〇地獄極楽絵図 宝歴前期頃
この絵は将軍綱吉・吉宗の養女竹姫の眼病平癒にともなって奉納されたものです。
作者は不詳です。
針山や奪衣婆があったり、子供たちが両親供養のために石積みをしていたり、「地獄」のイメージそのものです。
このような世界の様子を俯瞰的に描いた作品は、鑑賞するときの視線の動かし方が難しいと感じます。この作品は視線の誘導を考えながら構図が練られているので鑑賞しやすいですね。
おそらく地獄はどういうものか説明する目的もあったのかなと思われます。
〇地獄絵 江戸末期ー明治時代ごろ 浄安寺蔵
獄卒になぶられる死者も、菩薩と楽しそうにする子供たちも、淡々と同じ調子で描かれているところが気になった作品です。
残酷な描写を拡大して申し訳ありませんが、淡白な描き味が逆に怖いです。
地獄の恐ろしい情景が描かれていて、そこは怖いのですが、それよりも描き手がそこになんの感情ものせずに描いているのがこわい。
作者は不詳ですが、おそらくこの作家はどんなひどいものも淡々と絵にするんだろうな。
「冥界」は個人的には気になるモチーフです。
でも残酷すぎるのでいろいろ気後れするんですよね。(表現に)
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考引用