リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

日本の幽霊絵

今日も生きてます。

 

秋田に住んでいる皆様へ

 

広面にある文具店「いせまつ」が店じまいするため、セール中らしいです。

(家族情報)

 

秋田では画材を購入できるところ少なかったのでたまにいせまつで買い物していました。

 

どんどん街並みも変わって行くんだろうなあ。

(しんみり)

 

 

 

さて、今日は幽霊の絵について取り上げます。

 

幽霊画が多く描かれたのは江戸時代から明治時代にかけてです。

 

幽霊の絵って需要あるの?と思いますが、怪談が流行したということが関係しているそうです。

 

幽霊画を集めたコレクターもいたと思いますが、怪談をするときに幽霊画を飾ることがあったそうです。

怪談気分が高まりますね。

 

よく幽霊絵の話で出てくるのは、足のない幽霊を最初に描いたのは円山応挙で、応挙の夢の中に出てきた亡き妻の足がなかったためというものです。

 

この話は有名なため、個人的には何度か違う人間から同じ話をされて若干うんざりしていましたが、Wikipediaではこの話は伝説であり、事実は違うという説が紹介されていました。

 

 実際には、応挙が生まれる60年前の延宝元年(1673年)に同じ京都で刊行された井上播磨掾[* 4]の浄瑠璃本『花山院后諍(かざんのいん きさきあらそひ)』(別名:花山院きさきあらそひ)に、足の無い幽霊の挿絵が掲載されており、この時代の、少なくとも京都にはすでに、「幽霊には足が無いもの」という概念があったようである。

引用幽霊 - Wikipedia

 

井上播磨掾の花山院后諍を確認できなかったので、実際どうなのかはわかりませんが、会話が円山応挙の幽霊伝説に入ったらこの話をしてみるのもいいかもしれませんね。

 

しかし、円山応挙の幽霊図が多くの絵師に影響を与えたのは本当です。

 

 

 

 

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円山応挙 - http://eee.uci.edu/clients/sbklein/GHOSTS/html/edoghosts/pages/oyuki.html, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=9172709による

円山応挙画「幽霊図」

腰から下が消えていて、顔に薄く青い色が塗られています。

 

 

 

 

 

 

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月岡芳年 - ウォルターズ美術館: Home page Info about artwork, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=18820880による

月岡芳年画「応挙の幽霊」

円山応挙の幽霊図は有名でした。

月岡芳年円山応挙の幽霊をモチーフにした絵を残しています。

描いていた応挙自身が、今まさに紙から抜け出して迫り来る女の幽霊に気付くや、腰を抜かさんばかりに吃驚仰天しています。

 

 

 


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河鍋暁斎画「幽霊図」

男の幽霊が生首をくわえています。こわい。

河鍋暁斎は八歳の頃川の氾濫時に生首を拾ってきて写生したそうです。

 

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Sawaki Suushi (佐脇嵩之, Japanese, *1707, †1772) - scanned from ISBN 4-3360-4187-3., パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5510196による

佐脇嵩之画『百怪図巻』より「ゆふれゐ (幽霊)」

 

 

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Yasuda Beisai (安田米斎, Japanese, *1848 - †1888) - "Ikai mangekyō" (『異界万華鏡』, Japanese book), パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=14816005による

安田米斎画「子育て幽霊図」

 

子育て幽霊という怪談があるそうです。

 

ある夜、店じまいした飴屋の雨戸をたたく音がするので主人が出てみると、青白い顔をして髪をボサボサに乱した若い女が「飴を下さい」と一文銭を差し出した。主人は怪しんだが、女がいかにも悲しそうな小声で頼むので飴を売った。
翌晩、また女がやってきて「飴を下さい」と一文銭を差し出す。主人はまた飴を売るが、女は「どこに住んでいるのか」という主人の問いには答えず消えた。その翌晩も翌々晩も同じように女は飴を買いに来たが、とうとう7日目の晩に「もうお金がないので、これで飴を売ってほしい」と女物の羽織を差し出した。主人は女を気の毒に思ったので、羽織と引き換えに飴を渡した。
翌日、女が置いていった羽織を店先に干しておくと、通りがかりのお大尽が店に入ってきて「この羽織は先日亡くなった自分の娘の棺桶に入れたものだが、どこで手に入れたのか」と聞くので、主人は女が飴を買いにきたいきさつを話した。お大尽は大いに驚いて娘を葬った墓地へ行くと、新しい土饅頭の中から赤ん坊の泣き声が聞こえた。掘り起こしてみると娘の亡骸が生まれたばかりの赤ん坊を抱いており、娘の手に持たせた三途川渡し代の六文銭は無くなっていて、赤ん坊は主人が売った飴を食べていた。
お大尽は、「娘は墓の中で生まれた子を育てるために幽霊となったのだろう」と「この子はお前のかわりに必ず立派に育てる」と話しかけると、娘の亡骸は頷くように頭をがっくりと落とした。この子供は後に菩提寺に引き取られて高徳の名僧になったという。

子育て幽霊 - Wikipedia

 

 

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鍋田玉英 (Nabeta Tamahide) - [1], パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=56971806による

鍋田玉英画「額隠し」

 

 

 

霊感ない私ですが、お化け屋敷など素直に怖がるタイプです。(小さいころからビビり)

 

いるいない関係なく、怪談話を楽しむ心の余裕があった方が豊かな人生が送れそうです。

 

死ぬまでには一度はやりたい!百物語!でも霊感ないから話せる手持ちのネタがない…ご先祖様カモン。

 

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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