伊勢物語
今日も生きてます。
「漫画でわかる日本絵画のテーマ」(監修矢嶋新)を読んでます。
今日から浮世絵や巻物の画題になっている日本の古典を取り上げていきます。
今日は伊勢物語です。
↑は菱川諸信(見返り美人描いた絵師)が挿し絵を担当した「伊勢物語頭書抄」(いせものがたりとうしょしょう)。
~伊勢物語ざっくりあらすじ~
伊勢物語は、平安初期の歌物語です。
たくさんの写本が出回っており、平安末期にはすでに歌人の間では研究されていました。
現在残っている写本で一番古いものは江戸時代のもの。平安時代からずっと教養として愛され続けているお話です。
作者は不詳です。
⚫舞台と登場人物
伊勢物語の舞台は題名の通り伊勢の国
現在の三重県の辺り
赤いところ=伊勢
数行の仮名の文と歌で作られた章125段で成り立っています。
多くの章の冒頭は、「昔、男…(ありけり)」と始まります。
主人公の「男」の、成人から亡くなるまでを描いています。
内容の中心は男女の恋愛関係から様々な人間模様に及びます。
ちなみに伊勢物語の主人公である「男」にはモデルがいます。
(歌仙について→描かれた百人一首 - リアル絵描き日記)
在原業平は日本の歴史書「日本三代実録」の中に、「体貌閑麗、放縦不拘、略無才学、善作倭歌」と記されています。
見目麗しく、自由奔放で、学はないけれど、和歌の才能がある…という人であったということです。
平安時代の和歌が上手いということは、モテる!ということでもあります。
そのうえイケメンであったならなおさら…!
⚫絵の中の伊勢物語
この作品のモチーフになっている伊勢物語の六段の話は「芥川」という話です。
内容は、男が高貴な女のところに通いつめ、駆け落ちしようと連れ出します。
芥川まで来たとき夜が更けたため男は女を蔵の中で休ませ見張りますが、女は鬼に食べられてしまいます。
男が女を背負って連れ出すシーンが絵にはよく描かれます。
↑は勝川春章の「風流錦絵伊勢物語「り」筒井筒」
です。
この作品のモチーフになっている話は、幼馴染みの男女が夫婦になり、やがて男性が浮気をするも、自分の身を案じて歌を詠む妻の姿を見て浮気をやめる物語。
幼い二人が井戸の中を覗くのが定番の表現となっています。
↑は尾形光琳の八橋図
根津美術館にある尾形光琳の『燕子花図』は有名ですが、こちらは後に描かれた別バージョンです。
この作品は、伊勢物語の第9段「東下り」をもとに表現されています。
物語の中で自分を無用に感じた主人公の男は、都を離れて東国にくだろうとした男が、燕子花の名所・八橋で、「かきつばた」の五文字を頭文字に歌を詠みます。
↑住吉定慶
↑歌川国貞
伊勢物語のパロディとして、『仁勢物語』『江勢物語』などがあったり、神楽や能のモチーフにもなっています。
教養としてだいぶ浸透していたんだろうなあということがうかがえます。
それぞれ短いとはいえ章が125段か…読めるかな…
人間模様に興味が無いせいか、正直少し読んだところ「?」という感じになりました。
浮世絵などのヴィジュアルから入ろうかな。
きょうはここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
明石 恵 Aya Akashi website - 明石 恵 Aya Akashi website