飲中八仙ーのんべえ伝説ー
今日も生きてます。
絵巻物の見方の本を読んでます。
「賢学草紙絵巻」が紹介されているのですが、結構怖い…
最終的に捕獲されてるし…
物語がわからなくても十分女性の怨念系だということがわかるし、怖い…
でも癖になる、そんな感じです。
ということで今日も「マンガでわかる日本絵画のテーマ」(誠光堂新光社 監修矢島 新)を読んでます。
日本に縁起の良い神様の集まり「七福神」があるように、中国には代表的な仙人の集まり「八仙」(はっせん)があります。
縁起の良いモチーフとしてお皿の絵柄や掛け軸に使われました。
そしてその八仙のパロディとして、唐の詩人・杜 甫(とほ)が「飲中八仙歌」という詩を残しました。
飲中八仙歌
知章騎馬似乗船
眼花落井水底眠
汝陽三斗始朝天
道逢麹車口流涎
恨不移封向酒泉
左相日興費万銭
飲如長鯨吸百川
銜杯楽聖称避賢
宗之瀟洒美少年
挙觴白眼望青天
皎如玉樹臨風前
蘇晋長斎繍仏前
醉中往往愛逃禪
李白一斗詩百篇
長安市上酒家眠
天子呼来不上船
自称臣是酒中仙
張旭三杯草聖伝
脱帽露頂王公前
揮毫落紙如雲煙
焦遂五斗方卓然
高談雄弁驚四筵
(飲中八仙 - Wikipedia)より
内容はというと、杜甫が生きていた当時、大酒飲みだと名高かった8人の飲みっぷりを表現してます。
書のモチーフとしても良く書かれたそうですが、室町時代からは画題としても用いられるようになります。
↑は海北友松(かいほう ゆうしょう)の「飲中八仙図屏風」二枚一組の作品ですが、右側が失くなってしまい、八仙のうち四人の姿しかありません。
⚫描かれた8人
絵によって8人を描き分けているものもあれば、そうでないものもあります。
賀知章(がちしょう)
皇太子の家庭教師、図書を管理する役場の長官などとして働きました。
詩をよくつくり、李白と交友がありました。
そして無類の酒客!
酔って馬に乗る姿は揺れる船に乗るかのようで、井戸に落ちてもそのまま眠り続けたそうな。
汝陽王李璡(じょおうりしん)
譲皇帝・李憲の長男。
汝陽という地方の王でした。
弓と鞨鼓(かっこ・打楽器)が得意。
そして無類の酒好き!
毎朝出勤の前に三斗の酒を飲み(一斗=約十八リットル。「三斗」は量の多いこと)、道で酒を積んだ車に出会えばヨダレを流したそうな。
李適之(りてきし)
左大臣として働きました。
毎日、大鯨が百の川の水を吸い込むがごとき飲みっぷりで、清酒は飲むが濁酒は飲まなかったそうな。
崔宗之(ちょそうし)
侍御史(監察、弾劾の官)など、国に仕えて働きました。
美少年で、杯を手に青空を見上げる姿は、美しい木が風に揺られるかのように輝いていたそうな。
蘇晋(そしん)
玄宗の公文書の草稿などをつくる仕事をしていました。
仏像の前で肉食せず、しかし酔えば座禅などしていられない言ったそうな。
李白(りはく)
1斗の酒を飲めば百篇の詩を生み出す詩仙。
酒場で眠り、天子の召し出しがあっても「自分は酒飲み仙人」だとうそぶいたそうな。
張旭(ちょうきょく)
酔いながら草書を書きまった書の達人。
焦遂(しょうすい)
五斗の酒で意気上がり、気炎を吐いては周囲を驚かせたそうな。
お酒を愛する人々にとってはいい画題ですね。
私はそんなお酒得意ではないので(ほろ酔い一杯で真っ赤に!)お酒にロマンと憧れを持っております。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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