ひょうたんナマズって何?ー鯰絵の変遷ー
今日も生きてます。
どちらかというと早起き人間なので夜九時以降は若干電池切れです。
ということで今日も「マンガでわかる日本絵画のテーマ」(誠光堂新光社 監修矢島 新)を読んでます。
突然ですが、ひょうたんでナマズを捕るにはどうしたらいいでしょうか?
まずAmazonでとにかく大きいひょうたんを買って琵琶湖へ向かうところからだな…新幹線のチケット買わなきゃ…!
というのが私の答え。
「瓢箪で鯰を押さえる」というのは、とらえどころのないようすを意味します。
実は由来はひょうたんでナマズを捕るには…?という最初の問いからできた言葉です。
この問いを絵にしたものが残っています。
↑は室町時代に如拙(じょせつ)という画家が描いた水墨画「瓢鮎図」の部分です。国宝です。
ひょうたんを持つ男
その先にナマズ
まさしく「瓢箪で鯰を押さえる」図です。
禅宗に悟りに近づくための修行のひとつで、師匠と弟子の間で交わされる問答があります。
その問いを「公案」といいます。
ひょうたんでナマズも公安のひとつ。
禅宗に理解のあった足利義持は、この問答を描くように依頼しました。
ちなみにこの問いは、中国に古くから伝わることわざ「鯰が竹に上る」(不可能なこと、あるいは不可能なことが実現するという意味)に、瓢箪を加えた公安です。
それを察した画家・如拙は絵の中に竹を描き込んでいます。
この絵は部分ですが、この絵の上には絵が描かれた経緯と、禅僧のエライ人々がこの問いに対する思いや答えを表現した31の賛詩が載っています。
その中には
ひょうたんの中にナマズを入れることができても、できなくても結局同じ世界にいるのだ。
追いかけても無駄だから竹の上に上ってくるのを待て。
などなど…
ユーモア溢れる回答が並びます。
しかも、この公案を受けて、絵をみて、前の人の賛詩を読んで…からの答えという感じで、連作のようになっています。
教養のある高僧と将軍がふふふと知的な遊びを楽しんでいる様子が目に浮かぶようです。
高僧たちのユーモア溢れる答えを知ったあとに自分の最初の問いに対する答えを思い出すと恥ずかしくなります。
ナマズの話しは次につづきます。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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