王舎城の悲劇 超あらすじー当麻曼陀羅ー
今日も生きてます。
あいちトリエンナーレから、まだいろいろと考えてます。
昔は何で政治的な内容の作品を表現する必要があるのか、私には全く理解できてませんでした。
表現するよりも、政治家になって法律をつくる方が理に適っていると思っていたからです。
(政治的な主張を絵にしたところで法律は変わりません。)
しかし実際過去のいろいろな作品を見てみると、純粋に作品の表現のためだけにつくられた作品もありますが、一つの作品が作られる動機には、宗教や政治的な主張を持ってつくられたものも数多くあります。
政治的な運動のひとつとしてアートを使っているわけですね。(プロパガンダ)
表現より他の目的があります。
この人はなんのために作っているのか…というのは作品を鑑賞するときの一助になりますね。
ところで話は変わりますが、「マンガでわかる日本絵画のテーマ」(誠光堂新光社 監修矢島 新)を買いました。
カバーは剥きます。
(表紙の装丁をされている方、すみません。)
本に限らず、包装紙やカバーがついたままだと自分のものになったような気がしないので、家の中に入ったら全部とってしまいます。
(趣味のあうカバーの場合は剥きません。)
自分のものになったぜ!というような感覚です。
ということで早速今日も読んでいきます。
曼陀羅についての話が続いてます。
一夜で編まれた?!極楽往生の世界ー当曼陀羅ー - リアル絵描き日記
中将姫が一夜にして編み、浄土の世界が表現された当麻曼陀羅。
その当麻曼陀羅で何が描かれているか見てきました。
(↓は転写本です。)
昨日は中央に阿弥陀如来と菩薩を中心とした極楽浄土が描かれています。
下のコマに九品往生という往生のランクが描かれています。
今日は画面両端のコマの部分について見ていきます。
向かって左側
向かって右側
この両端のコマには仏教の経典である「観無量寿経」(かんむりょうじゅきょう)に記されている一つの物語が表現されています。
その物語は「王舎城の悲劇」と呼ばれるものです。
向かって左側のコマにはその「王舎城の悲劇」の内容が下から上に向かって11の場面に分けて描かれています。
⚫王舎城の悲劇 超ざっくりあらすじ
今から2,600年前、お釈迦様が生きていた頃古代インドにマガダ国という国がありました。
そのマガダ国の王であったビンバシャラ王と、その妃イダイケ夫人は子供がいないという悩みがありました。
イダイケ夫人は不安になり、占い師を頼ります。
占い師
「山奥のある修行者の命が尽き次第子が宿 りますわ。」
ということで重臣たちは止める中、イダイケの説得された王は修行者を殺害してしまいます。
修行者
「この恨み晴らしてやる…!」
やがてイダイケ夫人は身ごもります。
しかし修行者の幻影に不安になったイダイケ夫人はまた占い師に頼ります。
占い師
「太子は恨みをもってます。成長したらきっと親を殺されるお方になりますわ。」
ということでイダイケ夫人はまた王を説得して子供を殺そうとしますが、元気に生まれ、生き延びます。
産声を聞き殺意失せた2人は、その子をアジャセと名づけ可愛がって育てます。
アジャセ王子は成長すると異常な凶暴性をあらわにしていきます。
困り果てた王と妃は、釈尊のご説法に耳を傾けるようになります。そして釈迦教団のの支援をするようになります。
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さて、釈尊教団を乗っ取ろうとしている提婆達多(だいばだった)は釈尊を殺そうとしていました。
何度かトライするものの、失敗に終わります。
そして、釈迦の支援者の息子アジャセ王子へ目を向けます。
そしてダイダバッタはアジャセ王子と仲良くなりアジャセ王子出生時の秘密を暴露します。
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そして超ショック&激怒のアジャセ王子はビンバシャラ王を牢屋にいれてしまいます。
イダイケ夫人はこっそり食べ物を牢屋へ持っていき、ビンバシャラ王は命を繋ぎます。
これを知ったアジャセ王子はは激怒し、イダイケ夫人も牢屋にいれてしまいます。
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牢獄で苦しむイダイケ夫人。
お釈迦様はイダイケ夫人の悲痛な心の叫びをキャッチし、救済しに向かいます。
愚痴りまくるイダイケ夫人に、釈尊は慈眼を向けられます。
そして定善十三観と散善三観の教えを説かれました。
教えを実行して地獄しか行き場のない者と知らされたイダイケ夫人は苦しみます。
お釈迦様
「イダイケ、今よりその苦しみを除く教えを説こう」
するとお釈迦様の姿が消え、空中に金色輝く阿弥陀如来のお姿が現れます。
阿弥陀如来を見たイダイケ夫人の苦悩は晴れわたり、歓喜が胸に満ちます。
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イダイケ夫人の様子に驚き、アジャセ王子は母を牢から出します。
やがて、アジャセも真実の仏法を聞くようになりました。
というお話でした。
ちなみに王は牢の中で自害してます。
イダイケ夫人はこの世で最初に阿弥陀如来に救われたひとらしいです。
向かって右側ののコマについては明日に続きます。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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