人間の浅ましい美しさ
今日も生きてます。
昨日は速水御舟についてでしたが、速水御舟のあやしい美人画がもう一枚あり、それを紹介し忘れていました。
印象的な作品なので今日は速水御舟続きということにします。
その印象的な一枚↓
速水御舟「京の舞妓」
昨日の萌芽とは全く違う技法と雰囲気です。
速水御舟「萌芽」↓
「京の舞妓」の雰囲気はあやしい美人画そのものです。
祇園の吉はなという茶屋で働いていた舞妓さんがモデルだそうです。
こんな風に描かれてショックでしたでしょうね。
帯や着物の模様、畳の目などの細かいところが執着をもって描かれています。二年がかりで描かれました。
日本画はどこまて写実的に描けるかという問題意識もあったようです。
この作品について速水御舟は「人間の浅ましい美しさ」を描いたと言っています。
これとは違う作品を誉めていてくれた横山大観からは見当違いな努力と言われてしまったそうです…発表当時は批判を浴びましたが、今では評価されています。
日本画というのは歴史があって、外国から油絵等が入ってきた時代には日本画というのはどうあるべきか、新しい日本画とは何か、など、日本画そのものに問題意識をもって作品制作されていた時代があったんだなあとおもいます。
個人的に日本画は雅で優雅な世界観を描いているイメージが強かったので、見直しました。
今日本画そのものに問題意識をもって描いている作家はあまりいないとおもいますが、日本画を選ぶということはその歴史に参加することですよね。
そしてそれは他の画材にも言えることで、制作する上で歴史知るのも大事なことなんだなと思いました。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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