あやしい池田輝方
今日も生きてます。
昨日も生きてました。
新潟県燕市内の国上寺の「イケメン偉人空想絵巻」が話題になっていますね。
作家の木村了子さんの存在は知っていました。
日本画で東洋男性の美しさを表現している世界的なアーティストです。
いつか本物みてみたいと思っておりました。
「イケメン偉人空想絵巻」に描かれているのは、寺と縁ある、源義経、弁慶、良寛、酒呑童子です。
その描かれた姿が刺激的であるため賛否両論を巻き起こしているそうです。
しかし絵を設置してから寺を訪れる人は倍に増えたそうです。
私もみてみたい…
この絵巻を設置することを決めた国上寺の山田住職は今の時代の感覚に優れた方ですね。
お寺では炎上供養もしてくださるそうで、WEBSITEをみて驚きました。
発想力豊かな方ですね。
新潟日報の記事によると、山田住職は「けんかをするつもりはないが、文化財だからといって行政が全部維持や管理をしてくれるわけではない。それならば市の文化財から外していただいて構わない」と話をしているそうです。
お寺を維持していくのも厳しいのかなと思います。
「イケメン偉人空想絵巻」の話題もあり、今参拝客増えていますが、それが落ち着いていった後どうなるか行く末が気になるところでもあります。
あたらしい発想で次々と面白いことをしてくださる住職さんがいたら応援したくなりますよね。
とりあえず私は死ぬまでに一度は行きます!
さて、今日も「あやしい美人画」(東京美術 松嶋雅人著)を読んでいます。
今日の一枚↓
「池田輝方」(いけだてるかた)の『お夏狂乱』です。
個人的には描かれてる女性可愛らしくて好みです。
池田輝方(1883年ー1921年)は東京木挽町で建具職人の次男として生まれます。
12歳頃、水野年方に内弟子として入門します。
水野年方は月岡芳年の弟子の浮世絵師です。
つまり池田輝片は浮世絵を学びます。
1902年以降、日本絵画協会と日本美術院の共催の公募「絵画共進会」で賞を獲るようになります。他にも美人画作家が結成した「鳥合会」にも出品します。
1907年には川合玉堂に師事しており、風俗画に特色を示している。
浮世絵に惹かれて来日していたフランス人の浮世絵師ポール・ジャクレーに日本画を教えている。
1912年以降、文部省美術展覧会でも受賞を重ねます。1919年には帝国美術院展では江戸時代の絵師・英一蝶の流刑を画題とした「絵師多賀朝湖流さる」を推薦出品します。
英一蝶については↓
日本人なら知っておきたい狩野派の歴史ー蝶の舞いー - リアル絵描き日記
池田輝方は浮世絵の精神、造形美を汲む画家としての評価を確立します。
美人画、風俗画を得意とし、雑誌や新聞の挿絵、単行本などの木版口絵も多く描きました。
1921年肺患のため亡くなります。
作品見ていくと女性の顔立ちは現代風ではなくて目が少し細くて鼻が下を向いてでーんとしている浮世絵系美女です。
それにも関わらず今をいきる私が見ても何だかみんなかわいかったり、女性らしくて素敵だったりします。
この「お夏狂乱」は実際に起きた駆け落ち事件をもとにして描かれたものです。
姫路城下の旅籠の大店・但馬屋の娘・お夏は、恋仲になった手代・清十郎と駆け落ちするが、すぐに捕らえられてしまう。
清十郎はかどわかしに加え店金持ち逃げの濡れ衣まで着せられ打ち首となる。
お夏は狂乱して行方をくらませ、誰も二度とその姿を見ることはなかったという。
演劇などにもなっているそうです。
絵の中では清十郎の死を知って呆然とするお夏が描かれています。
日本画にある怨念と情念を込めて執着して描きましたという感じではなく、さっぱり描かれているのに、お夏の悲壮な感じがよくわかります。
着物の乱れ方や華奢な感じが雰囲気を引き立てているのでしょう。
やたら描き込めば表現できるということではないんだなあと思わされます。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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